ロンはクラッブの巨大な拳こぶしを握にぎりしめていた。ロンがマルフォイにパンチをくらわしたら、正体がばれてしまう、とハリーは目で警けい戒かい信しん号ごうを送った。
「前に『部屋』を開けた者が捕つかまったかどうか、知ってる」ハリーが聞いた。
「ああ、ウン……誰だったにせよ、追つい放ほうされた」とマルフォイが答えた。
「たぶん、まだアズカバンにいるだろう」
「アズカバン」ハリーはきょとんとした。
「アズカバン――魔法使いの牢ろう獄ごくだ」
マルフォイは信じられないという目つきでハリーを見た。
「まったく、ゴイル、おまえがこれ以上うすのろだったら、後ろに歩きはじめるだろうよ」
「父上は、僕が目立たないようにして、スリザリンの継承者にやるだけやらせておけっておっしゃる。この学校には『穢れた血』の粛しゅく清せいが必要だって。でもかかわり合いになるなって。もちろん、父上はいま、自分のほうも手て一いっ杯ぱいなんだ。ほら、魔ま法ほう省しょうが先週、僕たちの館やかたを立入り調査しただろう」マルフォイは椅い子すに座ったまま落ち着かない様子ようすで体を揺ゆすった。
ハリーはゴイルの鈍にぶい顔をなんとか動かして心配そうな表情をした。
「そうなんだ……」とマルフォイ。
「幸さいわい、大した物は見つからなかったけど。父上は非常に貴き重ちょうな闇やみの魔ま術じゅつの道具を持っているんだ。応おう接せつ間まの床下に、我わが家やの『秘密の部屋』があって――」
「ホー」ロンが言った。
マルフォイがロンを見た。ハリーも見た。ロンが赤くなった。髪かみの毛まで赤くなった。鼻もだんだん伸びてきた。――時間切れだ。ロンは自分に戻もどりつつあった。ハリーを見るロンの目に急に恐きょう怖ふの色が浮うかんだのは、ハリーもそうだからに違いない。
二人は大急ぎで立ち上がった。
“哦,是啦..不管是谁,反正被开除了。”马尔福说,“他们现在大概还在阿兹卡班。”
“阿兹卡班?’哈利不解地问。
“阿兹卡班—— 就是巫师监狱,高尔。”马尔福说,一边怀疑地看着哈利,“说句实话,如果你再这样迟钝下去,就要走回头路了。”他不安分地在掎子里动来动去,说道:“老爸叫我不要抛头露面,让斯莱特林的继承人继续行动。他说学校必须涛除所有泥巴种的污秽,不要跟这件事搅在一起。当然啦,他现在要办的事情太多了。你们知道吗,上星期魔法部突然查抄了我们的庄园。”
哈利拼命想让高尔的脸上露出关切的神情。
“是啊..”马尔福说,“好在他们没有找到什么。老爸有一些非常有价值的秘密法宝。幸亏我们把自己的密室设在客厅的地板下面—— ”
他们俩同时一跃而起。