「わたし、ここで誰にも迷めい惑わくをかけずに過ごしているのに、わたしに本を投げつけておもしろがる人がいるのよ……」
「だけど、何かを君にぶつけても、痛くないだろう 君の体を通り抜けていくだけじゃないの」
ハリーは理り屈くつに合ったことを言った。
それが大きな間違いだった。マートルは、我わが意を得たりとばかりに膨ふくれ上がって喚わめいた。
「さあ、マートルに本をぶっつけよう 大だい丈じょう夫ぶ、あいつは感じないんだから 腹に命中すれば一〇点 頭を通り抜ければ五〇点 そうだ、ハ、ハ、ハ なんて愉ゆ快かいなゲームだ――。どこが愉快だっていうのよ」
「いったい誰が投げつけたの」ハリーが尋たずねた。
「知らないわ……ユー字じ溝こうのところに座って、死について考えていたの。そしたら頭のてっぺんを通って、落ちてきたわ」
マートルは二人を睨にらみつけた。
「そこにあるわ。わたし、流し出してやった」
マートルが指ゆび差さす手て洗あらい台の下を、ハリーとロンは探してみた。小さな薄うすい本が落ちていた。ボロボロの黒い表紙が、トイレの中の他の物と同じようにびしょ濡ぬれだった。ハリーは本を拾ひろおうと一歩踏ふみ出したが、ロンが慌あわてて腕うでを伸ばし、ハリーを止めた。
“我在这里待得好好儿的,考虑自己的问题,有人觉得往我身上扔一本书怪好玩的..”
“即使有人扔东西砸你,也不会把你砸痛啊。”哈利很理智地说,“我的意思是,那东西可以径直从你身上穿过,是不是?”
哈利说错了话。桃金娘一下子使自己膨胀起来,尖声叫道:“让大家都用书砸桃金娘吧,因为她根本感觉不到!如果你们用书投中她的肚子,得十分!如果投中她的脑袋,得五十分!很好,哈哈,哈哈!多么可爱的游戏,我看不见得!”
“那么是谁用书砸你的?”哈利问。
“我不知道..当时我就坐在马桶圈上,想着死亡,那本书就突然从我脑袋上落了下来。”桃金娘狠狠地瞪着他们,说道。“就在那儿呢,全被水泡烂了。”
哈利和罗恩顺着桃金娘指的方向,朝水池下面一看,只见一本小小的、薄薄的书躺在地上。破破烂烂的黑色封皮,和盥洗室的每件东西一样,完全湿透了。哈利上前一步,想把它捡起来,可是罗恩突然伸出一只手臂,把他拉住了。