ハリーは両足が固かたい地面に触ふれたような気がして、震ふるえながら立ち上がった。すると周まわりのぼんやりした物もの影かげが、突とつ然ぜんはっきり見えるようになった。
自分がどこにいるのか、ハリーにはすぐわかった。居い眠ねむり肖しょう像ぞう画がの掛かかっている円形の部屋はダンブルドアの校長室だ。――しかし、机の向こうに座っているのはダンブルドアではなかった。皺しわくちゃで弱々しい小こ柄がらな老人が、パラパラと白はく髪はつの残る禿はげ頭あたまを見せて、蝋ろう燭そくの灯あかりで手紙を読んでいた。ハリーが一度も会ったことのない魔法使いだった。
「すみません」ハリーは震ふるえる声で言った。
「突とつ然ぜんお邪じゃ魔まするつもりはなかったんですが……」
しかし、その魔法使いは下を向いたまま、少し眉まゆをひそめて読み続けている。ハリーは少し机に近づき、突っかえながら言った。
「あのー、僕ぼく、すぐに失礼したほうが」
それでも無む視しされ続けた。どうもハリーの言うことが聞こえてさえいないようだ。耳が遠いのかもしれないと思い、ハリーは声を張はりあげた。
「お邪魔してすみませんでした。すぐ失礼します」ほとんど怒ど鳴なるように言った。
その魔法使いはため息をついて、羊よう皮ひ紙しの手紙を丸め、立ち上がり、ハリーには目もくれずにそばを通り過ぎて、窓のカーテンを閉めた。窓の外はルビーのように真まっ赤かな空だった。夕ゆう陽ひが沈しずむところらしい。老人は机に戻もどって椅い子すに腰こし掛かけ、手を組み、親指をもてあそびながら、入口の扉とびらを見つめていた。
他觉得双脚落在了坚实的地面上。他颤抖着站住了,周围模糊的景象突然变得清晰起来。
他一下子就知道自己到了哪里。这间墙上挂着呼呼大睡的肖像的圆形房间,正是邓布利多的办公室—— 但此刻坐在桌子后面的却不是邓布利多,而是一个显得很虚弱的干瘪巫师,秃头上只有几缕白毛,正就着烛光读一封信。哈利以前从未见过这个人。
“对不起,”他声音发抖地说,“我不是故意闯进来..”但是那个巫师连头也没抬。他继续读信,并微微皱起了眉头。哈利走近他的办公桌,结结巴巴地说,“哦—— 那我走了。行吗?”巫师还是不理他,似乎根本没有听见他的话。哈利以为那巫师大概耳朵不好,便提高了嗓门。
“对不起,打扰你了,我走了。”他简直喊了起来。
巫师叹了口气,把信叠起,站起身来,从哈利身边走过,连看都不看他,径直过去拉开窗帘。
窗外的天空布满红霞;似乎此刻正是日落时分。巫师返回桌边,坐下来,心不在焉地玩弄着两个大拇指,望着门口。