どでかい少年はいま、閉めたばかりのドアのほうへ後ずさりした。その少年の背はい後ごから、ガサゴソ、カチカチと奇き妙みょうな音がした。
「さあ、ルビウス」リドルはもう一歩詰つめ寄った。
「死んだ女子学生のご両親が、明あ日す学校に来る。娘さんを殺したやつを、確かく実じつに始し末まつすること。学校として、少なくともそれだけはできる」
「こいつがやったんじゃねぇ」少年が喚わめく声が、暗い通路にこだました。
「こいつにできるはずねぇ 絶ぜっ対たいやっちゃいねぇ」
「どいてくれ」リドルは杖つえを取り出した。
リドルの呪じゅ文もんは突とつ然ぜん燃えるような光で廊ろう下かを照てらした。どでかい少年の背後のドアがものすごい勢いきおいで開き、少年は反対側の壁かべまで吹ふき飛ばされた。中から出てきた物を見たとたん、ハリーは思わず鋭するどい悲ひ鳴めいをもらした。――自分にしか聞こえない長い悲鳴を――。
毛むくじゃらの巨大な胴どう体たいが、低い位置に吊つり下げられている。絡からみ合った黒い脚あし、ギラギラ光るたくさんの眼め、剃かみ刀そりのように鋭い鋏はさみ――。
リドルがもう一度杖を振ふり上げたが、遅おそかった。その生き物はリドルを突き転ころがし、ガサゴソと大急ぎで廊下を逃げていき、姿を消した。リドルは素す早ばやく起き上がり、後ろ姿を目で追い、杖を振り上げた。
「やめろおおおおおおお」どでかい少年がリドルに飛びかかり、杖を引ったくり、リドルをまた投げ飛ばした。
場面がぐるぐる旋せん回かいし、真っ暗くら闇やみになった。ハリーは自分が落ちていくのを感じた、そして、ドサリと着地した。ハリーは、グリフィンドールの寝しん室しつの天てん蓋がいつきベッドの上に大の字になっていた。リドルの日記は腹の上に開いたまま載のっていた。
息を弾はずませている最中に、寝しん室しつのドアが開いてロンが入ってきた。
「ここにいたのか」とロン。
ハリーは起き上がった。汗あせびっしょりでブルブル震ふるえていた。
「どうしたの」とロンが心配そうに聞いた。
「ロン、ハグリッドだったんだ。五十年前に『秘ひ密みつの部へ屋や』の扉とびらを開けたのは、ハグリッドだったんだ」
大块头男孩说着,后退几步,把身体靠向那扇关着的门。
“来吧,鲁伯,”里德尔说,又向前逼近了一些,“那个死去的姑娘的父母明天就要到这儿来了。霍格沃茨至少可以保证把那个弄死他们女儿的家伙杀死..”
“闪开。”里德尔说着,拔出了他的魔杖。
接着,天旋地转,周围漆黑一片。哈利感到自己在坠落,最后轰的一声,掉在格兰芬多宿舍他的四柱床上。里德尔的日记打开了放在他的肚子上。
“你在这儿。”他说。
哈利坐了起来。他大汗淋漓,浑身发抖。
“怎么了?”罗恩问,一边关切地看着他。
“是海格,罗恩。五十年前是海格打开了密室。”