クィディッチ試じ合あいで、グリフィンドールの次の対たい戦せん相手はハッフルパフだ。ウッドは、夕食後に毎まい晩ばん練習をする、と言い張はり、おかげでハリーはクィディッチと宿題以外には、ほとんど何もする時間がなかった。とはいえ、練習自体はやりやすくなっていた。少なくとも天気はカラッとしていた。土曜日に試合を控ひかえた前日の夕方、ハリーは箒ほうきをいったん置きに、寮りょうの寝しん室しつに戻もどった。グリフィンドールが寮対たい抗こうクィディッチ杯はいを獲かく得とくする可か能のう性せいは、いまや最さい高こう潮ちょうだと感じていた。
しかし、そんな楽しい気分はそう長くは続かなかった。寝しん室しつに戻もどる階段の一番上で、パニック状じょう態たいのネビル・ロングボトムと出会った。
「ハリー――誰がやったんだかわかんない。僕、いま、見つけたばかり――」
ハリーのほうを恐る恐る見ながら、ネビルは部屋のドアを開けた。
ハリーのトランクの中身がそこいら中に散らばっていた。床の上にはマントがずたずたになって広がり、天てん蓋がいつきベッドのカバーは剥はぎ取られ、ベッド脇わきの小机の引き出しは引ひっ張ぱり出されて、中身がベッドの上にぶちまけられている。
ハリーはポカンと口を開けたまま「トロールとのとろい旅」の、ばらばらになったページを数枚踏ふみつけにして、ベッドに近寄った。
ネビルと二人で毛布を引っ張って元どおりに直していると、ロン、ディーン、シェーマスが部屋に入ってきた。
「いったいどうしたんだい、ハリー」ディーンが大声をあげた。
「さっぱりわからない」とハリーが答えた。
ロンはハリーのローブを調べていた。ポケットが全部引っくり返しになっている。
「誰かが何かを探したんだ」ロンが言った。
「何かなくなってないか」
ハリーは散らばった物を拾ひろい上げて、トランクに投げ入れはじめた。ロックハートの本の最後の一冊を投げ入れ終わった時に、初めて何がなくなっているかわかった。
「リドルの日記がない」ハリーは声を落としてロンに言った。
「エーッ」
ハリーは 「一いっ緒しょに来て」とロンに合あい図ずをして、ドアに向かって急いだ。ロンもあとに続いて部屋を出た。二人はグリフィンドールの談だん話わ室しつに戻もどった。半数ぐらいの生徒しか残っていなかったが、ハーマイオニーが一人で椅い子すに腰こし掛かけて「古こ代だいルーン語のやさしい学び方」を読んでいた。
二人の話を聞いてハーマイオニーは仰ぎょう天てんした。
「だって――グリフィンドール生せいしか盗ぬすめないはずでしょ――ほかの人は誰もここの合あい言こと葉ばを知らないもの……」
「そうなんだ」とハリーも言った。
“不知道。”哈利说。罗恩正在仔细查看哈利的衣服。所有的口袋都被翻在了外面。