ハリーが箒ほうきに跨またがった。その時、マクゴナガル先生が巨きょ大だいな紫むらさき色いろのメガフォンを手に持って、ピッチの向こうから行進歩ほ調ちょうで腕うでを大きく振ふりながら、半なかば走るようにやってきた。
ハリーの心臓は、石になったようにドシンと落ち込こんだ。
「この試合は中止です」
マクゴナガル先生は満員のスタジアムに向かってメガフォンでアナウンスした。野や次じや怒ど号ごうが乱れ飛んだ。オリバー・ウッドはガーンと打ちのめされた顔で地上に降おり立ち、箒にまたがったままマクゴナガル先生に駆け寄った。
「先生、そんな」ウッドが喚わめいた。
「是ぜが非ひでも試し合あいを……優ゆう勝しょう杯はいが……グリフィンドールの……」
マクゴナガル先生は耳も貸かさずにメガフォンで叫さけび続けた。
「全生徒はそれぞれの寮りょうの談だん話わ室しつに戻もどりなさい。そこで寮りょう監かんから詳くわしい話があります。みなさん、できるだけ急いで」