ハリーが父親から受け継ついだたった一つの物、それは、長い銀色に光る「透とう明めいマント」だった。誰にも知られずにこっそり学校を抜け出して、ハグリッドを訪たずねるにはそれしかない。二人はいつもの時間にベッドに入り、ネビル、ディーン、シェーマスがやっと「秘ひ密みつの部へ屋や」の討とう論ろんをやめ、寝ね静しずまるのを待った。それから起き上がり、ローブを着き直なおして「透明マント」をかぶった。
暗い、人ひと気けのない城の廊ろう下かを歩き回るのは楽しいとはいえなかった。ハリーは前にも何度か夜、城の中をさまよったことがあったが、日にち没ぼつ後に、こんな混こみ合っている城を見るのは初めてだった。先生や監かん督とく生せい、ゴーストなどが二人ずつ組になって、不ふ審しんな動きはないかとそこいら中に目を光らせていた。「透明マント」は二人の物音まで消してはくれない。とくに危なかったのが、ロンが躓つまずいた時だった。ほんの数メートル先にスネイプが見張りに立っていた。うまい具合に、ロンの「コンチキショー」という悪あく態たいと、スネイプのくしゃみがまったく同時だった。正面玄げん関かんにたどり着き、樫かしの扉とびらをそっと開けた時、二人はやっとほっとした。
星の輝かがやく明るい夜だった。ハグリッドの小屋の灯あかりをめざし、二人は急いだ。小屋のすぐ前に来た時、初めて二人は「マント」を脱ぬいだ。
戸を叩たたくと、すぐにハグリッドがバタンと戸を開けた。真正面にぬっと現れたハグリッドは二人に石弓を突きつけていた。ボアハウンド犬のファングが後ろのほうで吠ほえたてている。
「おぉ」ハグリッドは武器を下ろして、二人をまじまじと見た。
「二人ともこんなとこで何なんしとる」
「それ、何のためなの」二人は小屋に入りながら石弓を指ゆび差さした。
「なんでもねぇ……なんでも」ハグリッドがモゴモゴ言った。
「ただ、もしかすると……うんにゃ……座れや……茶、入れるわい……」
ハグリッドは上うわの空だった。ヤカンから水をこぼして、暖だん炉ろの火を危あやうく消しそうになったり、どでかい手を神しん経けい質しつに動かした弾はずみで、ポットをこなごなに割わったりした。
这是一个星光灿烂的夜晚,他们匆匆朝海格住处的那扇映着灯光的窗户走去,一直来到他的门外,他们才脱去了大袍。
在他们敲门几秒钟后,海格猛地把门打开。他们迎面看见海格举着一套弓箭对准他们,大猎狗牙牙在他身后高声狂吠。“
哦,是你们,”他说,放下手里的武器,瞪着他们,“你们俩到这儿来干什么?”
“那是做什么的?”他们走进屋里,哈利指着那套弓箭,说道。
“没什么..没什么,”海格含混地说,“我还以为..没关系..坐下吧..我去沏茶..”
他似乎有些心神不定,水壶里的水泼洒出来,差点把炉火浇灭了,然后他粗大的手猛地抖动一下,把茶壶打翻了。