夏は知らぬ間に城の周まわりに広がっていた。空も湖も、抜けるような明るいブルーに変わり、キャベツほどもある花々が、温室で咲さき乱れていた。しかし、ハグリッドがファングを従えて、校庭を大おお股またで歩き回る姿が窓の外に見えないと、ハリーにとっては、どこか気の抜けた風ふう景けいに見えた。城の外も変だったが、城の中は何もかもがめちゃめちゃにおかしくなっていた。
ハリーとロンはハーマイオニーの見み舞まいにいこうとしたが、医い務む室しつは面めん会かい謝しゃ絶ぜつになっていた。
「危ないことはもういっさいできません」
マダム・ポンフリーは、医務室のドアの割われ目から二人に厳きびしく言った。
「せっかくだけど、だめです。患かん者じゃの息の根を止めに、また襲おそってくる可か能のう性せいが十分あります……」
ダンブルドアがいなくなったことで、恐きょう怖ふ感かんがこれまでになく広がった。陽ひ射ざしが城じょう壁へきを暖めても、窓の桟さんが太陽を遮さえぎっているかのようだった。誰も彼もが、心配そうな、緊きん張ちょうした顔をしていた。笑い声は、廊ろう下かに不自然に甲かん高だかく響ひびき渡るので、たちまち押し殺されてしまうのだった。
ハリーはダンブルドアの残した言こと葉ばを幾いく度ども反はん芻すうしていた。
「わしが本当にこの学校を離はなれるのは、わしに忠ちゅう実じつな者が、ここに一人もいなくなった時だけじゃ……。ホグワーツでは助けを求める者には必ずそれが与えられる」
しかし、この言葉がどれだけ役に立つのだろう みんながハリーやロンと同じように混こん乱らんして怖こわがっている時に、二人は、いったい誰に助けを求めればいいのだろう。
邓布科多走了,恐惧以前所未有的形式迅速蔓延,因此,温暖着城堡外墙的太阳似乎不能照进装着直棂的窗户。学校里的每一张面孔都显得惶恐不安,走廊里响起的每一声大笑都显得刺耳、怪异,并且很快就被压抑住了。
“只有当这里的人都背叛我的时候,我才算真正离开了这所学校..在霍格沃茨,那些请求帮助的人总是能得到帮助的。”
可是这些话有什么用呢?当每个人都像他们一样困惑和惊惧时,他们究竟该向谁求助呢?