ハグリッドのクモのヒントのほうが、ずっとわかりやすかった。――問題は、跡あとをつけようにも、城には一匹もクモが残っていないようなのだ。ハリーはロンに――いやいやながら――手伝ってもらい、行く先々でくまなく探した。もっとも、自分勝手に歩き回ることは許されず、他のグリフィンドール生せいと一いっ緒しょに行動することになっているのも、二人にとっては面めん倒どうだった。他のほとんどのグリフィンドール生は、先生に引いん率そつされて、教室から教室へと移動するのを喜んでいたが、ハリーは、いい加か減げんうんざりだった。
たった一人だけ、恐きょう怖ふと猜さい疑ぎ心しんを思いきり楽しんでいる者がいた。ドラコ・マルフォイだ。首しゅ席せきになったかのように、肩を聳そびやかして学校中を歩いていた。いったいマルフォイは、何がそんなに楽しいのか、ダンブルドアとハグリッドがいなくなってから、二週間ほど経たったあとの「魔ま法ほう薬やく」の授じゅ業ぎょうで、ハリーは初めてわかった。マルフォイのすぐ後ろに座っていたので、クラッブとゴイルにマルフォイが満足げに話すのが聞こえてきたのだ。
「父ちち上うえこそがダンブルドアを追い出す人だろうと、僕ぼくはずっとそう思っていた」
マルフォイは声をひそめようともせず話していた。
「おまえたちに言って聞かせたろう。父上は、ダンブルドアがこの学校始まって以来の最悪の校長だと思ってるって。たぶん今度はもっと適てき切せつな校長が来るだろう。『秘ひ密みつの部へ屋や』を閉じたりすることを望まない誰かが。マクゴナガルは長くは続かない。単なる穴あな埋うめだから……」
スネイプがハリーのそばをさっと通り過ぎた。ハーマイオニーの席せきも、大おお鍋なべも空からっぽなのに何も言わない。
「先生」マルフォイが大声で呼び止めた。「先生が校こう長ちょう職しょくに志し願がんなさってはいかがですか」
「これこれ、マルフォイ」スネイプは、薄うすい唇くちびるがほころぶのを押さえきれなかった。
「ダンブルドア先生は、理り事じたちに停てい職しょくさせられただけだ。まもなく復ふく職しょくなさると思う」
「さぁ、どうでしょうね」マルフォイはにんまりした。
「先生が立りっ候こう補ほなさるなら、父が支し持じ投とう票ひょうすると思います。僕ぼくが、父にスネイプ先生がこの学校で最高の先生だと言いますから……」
“先生,”马尔福大声说,“先生,你为什么不申请校长的职位呢?”
“哎呀,马尔福,”斯内普说,但他控制不住嘴角露出的淡淡笑容,“邓布利多教授只是暂时被董事会停职了,我敢说他很快就会回到我们中间的。”
“是啊,没错,”马尔福傻笑着说,“先生,如果你申请这个职位,我猜父亲会投你一票的。我会告诉父亲,你是这里最好的老师,先生...”