我われらが世界を徘はい徊かいする多くの怪かい獣じゅう、怪かい物ぶつの中でも、最も珍めずらしく、最も破は壊かい的てきであるという点で、バジリスクの右に出るものはない。『毒どく蛇へびの王』とも呼ばれる。この蛇は巨大に成長することがあり、何百年も生き長らえることがある。鶏にわとりの卵たまごから生まれ、ヒキガエルの腹の下で孵ふ化かされる。殺しの方法は非常に珍しく、毒どく牙がによる殺さっ傷しょうとは別に、バジリスクのひと睨にらみは致ち命めい的てきである。その眼まなこからの光線に捕とらわれた者は即そく死しする。蜘く蛛もが逃げ出すのはバジリスクが来る前まえ触ぶれである。なぜならバジリスクは蜘蛛の天てん敵てきだからである。バジリスクにとって致命的なものは雄おん鶏どりが時をつくる声で、唯ゆい一いつそれからは逃げ出す。
この下に、ハリーには見覚えのあるハーマイオニーの筆ひっ跡せきで、一言だけ書かれていた。
「パイプ」
まるでハリーの頭の中で、誰かが電でん灯とうをパチンと点つけたようだった。
「ロン」ハリーが声をひそめて言った。「これだ。これが答えだ。『秘ひ密みつの部へ屋や』の怪かい物ぶつはバジリスク――巨大な毒どく蛇へびだ だから僕があちこちでその声を聞いたんだ。ほかの人には聞こえなかったのに。僕ぼくは蛇へび語ごがわかるからなんだ……」
ハリーは周まわりのベッドを見回した。
「バジリスクは視し線せんで人を殺す。でも誰も死んではいない。――それは、誰も直接目を見ていないからなんだ。コリンはカメラを通して見た。バジリスクが中のフィルムを焼き切ったけど、コリンは石になっただけだ。ジャスティン――ジャスティンは『ほとんど首くび無なしニック』を通して見たに違いない ニックはまともに光線を浴あびたけど、二回は死ねない……。ハーマイオニーとレイブンクローの監かん督とく生せいが見つかった時、そばに鏡かがみが落ちていた。ハーマイオニーは、怪物がバジリスクだってきっと気づいたんだ。絶ぜっ対たい間違いないと思うけど、最初に出会った女子学生に、どこか角かどを曲がる時には、まず最初に鏡を見るようにって、きっと忠ちゅう告こくしたんだ そしてその学生が鏡を取り出して――そしたら――」
ロンは口をポカンと開けていた。
在这段话下面,还写着两个字,哈利一眼就认出是赫敏的字迹。那两个字是:管子。突然,就好像有人在哈利的脑海里突然点亮了一盏明灯。