「そうだな。ハグリッドが退たい学がくになってから、ダンブルドアは、たしかに僕をしつこく監かん視しするようになった」リドルはこともなげに言った。
「僕の在ざい学がく中ちゅうに『秘密の部屋』を再び開けるのは危き険けんだと、僕にはわかっていた。しかし、探たん索さくに費ついやした長い年月をむだにするつもりはない。日記を残して、十六歳さいの自分をその中に保ほ存ぞんしようと決心した。いつか、時が巡めぐってくれば、誰かに僕の足そく跡せきを追わせて、サラザール・スリザリンの、崇すう高こうな仕事を成なし遂とげることができるだろうと」
「君はそれを成し遂げてはいないじゃないか」ハリーは勝ち誇ほこったように言った。
「今度は誰も死んではいない。猫ねこ一匹たりとも。あと数時間すればマンドレイク薬やくができ上がり、石にされたものは、みんな無事、元に戻もどるんだ」
「まだ言ってなかったかな」リドルが静かに言った。
「『穢けがれた血ち』の連れん中ちゅうを殺すことは、もう僕にとってはどうでもいい