ハリーは脳のうが停てい止ししたような気がした。麻ま痺ひしたような頭でリドルを見つめた。この孤こ児じの少年がやがて大人おとなになり、ハリーの両親を、そして他の多くの魔法使いを殺したのだ。
しばらくしてハリーはやっと口を開いた。
「違うな」静かな声に万ばん感かんの憎しみがこもっていた。
「何が」リドルが切り返した。
「君は世界一偉い大だいな魔法使いじゃない」ハリーは息を荒あららげていた。
「君をがっかりさせて気の毒どくだけど、世界一偉大な魔法使いはアルバス・ダンブルドアだ。みんながそう言っている。君が強大だった時でさえ、ホグワーツを乗っ取ることはおろか、手出しさえできなかった。ダンブルドアは、君が在ざい学がく中ちゅうは君のことをお見通しだったし、君がどこに隠かくれていようと、いまだに君はダンブルドアを恐れている」
微ほほ笑えみが消え、リドルの顔が醜しゅう悪あくになった。
「ダンブルドアは僕ぼくの記き憶おくにすぎないものによって追つい放ほうされ、この城からいなくなった」
リドルは歯を食いしばった。
「ダンブルドアは、君の思っているほど、遠くに行ってはいないぞ」ハリーが言い返した。リドルを怖こわがらせるために、とっさに思いついた言葉だった。本当にそうだと確かく信しんしているというよりは、そうあってほしいと思っていた。
リドルは口を開いたが、その顔が凍こおりついた。
どこからともなく音楽が聞こえてきたのだ。リドルはくるりと振ふり返り、がらんとした部屋をずっと奥まで見渡した。音楽はだんだん大きくなった。妖あやしい、背せ筋すじがぞくぞくするような、この世のものとも思えない旋せん律りつだった。ハリーの毛はざわっと逆さか立だち、心臓が二倍の大きさに膨ふくれ上がったような気がした。やがてその旋律が高まり、ハリーの胸の中で肋ろっ骨こつを震ふるわせるように感じた時、すぐそばの柱の頂上から炎が燃え上がった。
“不是什么?”里德尔厉声地问。
“我只不过利用了我的记忆,就把邓布利多赶出了这座城堡!”他咬牙切齿地说。
“你想得倒美,他并没有走!”哈利反驳道。
他是随口说的,只想把里德尔吓住,他希望自己所说的话是真的,但不敢相信。