白鳥ほどの大きさの深しん紅くの鳥が、ドーム型がたの天てん井じょうに、その不ふ思し議ぎな旋律を響ひびかせながら姿を現した。孔く雀じゃくの羽のように長い金こん色じきの尾お羽ばねを輝かがやかせ、まばゆい金色の爪つめにボロボロの包みをつかんでいる。
一いっ瞬しゅんの後のち、鳥はハリーのほうにまっすぐに飛んできた。運んできたボロボロのものをハリーの足元に落とし、その肩にずしりと止まった。大きな羽をたたんで、肩に留とまっている鳥を、ハリーは見上げた。長く鋭するどい金色の嘴くちばしに、真っ黒な丸い目が見えた。
鳥は歌うのをやめ、ハリーの頬ほおにじっとその暖かな体を寄よせて、しっかりとリドルを見み据すえた。
「不ふ死し鳥ちょうだな……」リドルは、鋭い目で鳥を睨にらみ返した。
「フォークスか」
ハリーはそっとつぶやいた。すると金色の爪が、肩をやさしくギュッとつかむのを感じた。
「そして、それは――」リドルが、フォークスの落としたボロに目をやった。
「それは古い『組くみ分わけ帽ぼう子し』だ」
そのとおりだった。つぎはぎだらけでほつれた薄うす汚ぎたない帽子は、ハリーの足元でぴくりともしなかった。
リドルがまた笑いはじめた。その高笑いが暗い部屋にガンガン反はん響きょうし、まるで十人のリドルが一度に笑っているようだった。
「ダンブルドアが味み方かたに送ってきたのはそんなものか 歌い鳥に古帽子じゃないか ハリー・ポッター、さぞかし心強いだろう もう安心だと思うか」
ハリーは答えなかった。フォークスや「組分け帽子」が、何の役に立つのかはわからなかったが、もうハリーは独ひとりぼっちではなかった。リドルが笑いやむのを待つうちに、ふつふつと勇ゆう気きがたぎってきた。
“是一只凤凰..”里德尔也同样恶狠狠地瞪着它,说道。
“福克斯?”哈利吃惊得简直喘不过气来,感到大鸟的金瓜子轻轻抓着他的肩膀。
“那玩艺儿—— ”里德尔又将目光转向福克斯刚才扔下的那个破破烂烂的东西,“是学校的那顶破分院帽。”
果然是它。脏兮兮、皱巴巴的,上面还打着补丁,一动不动地躺在哈利脚下。
里德尔又狂笑起来。他笑得太厉害了,震得黑暗的密室微微发颤,就仿佛有十个里德尔同时在放声大笑。
“那就是邓布利多送给他的保护人的东西!一只会唱歌的鸟和一顶破帽子!哈利波特,你觉得有胆量了吗?你觉得安全了吗?”
哈利没有回答。他也许看不出福克斯和分院帽有什么用,但他觉得不再孤单了,他带着逐渐增长的勇气,等着里德尔停止他的狂笑。