「不ふ死し鳥ちょうの涙……」リドルが、ハリーの腕をじっと見つめながら低い声で言った。
「そうだ……癒いやしの力……忘れていた……」 リドルはハリーの顔をじっと見た。
「しかし、結果は同じだ。むしろこのほうがいい。一対一だ。ハリー・ポッター……二人だけの勝負だ……」
リドルが杖つえを振ふり上げた。
すると、激はげしい羽は音おととともに、フォークスが頭上に舞まい戻もどって、ハリーの膝ひざに何かをポトリと落とした。――日記だ。
ほんの一いっ瞬しゅん、ハリーも、杖を振り上げたままのリドルも、日記を見つめた。そして、何も考えず、ためらいもせず、まるで初めからそうするつもりだったかのように、ハリーはそばに落ちていたバジリスクの牙きばをつかみ、日にっ記き帳ちょうの真ま芯しんにズブリと突き立てた。
恐ろしい、耳をつんざくような悲ひ鳴めいが長々と響ひびいた。日記帳からインクが激げき流りゅうのようにほとばしり、ハリーの手の上を流れ、床を浸ひたした。リドルは身を捩よじり、悶もだえ、悲鳴をあげながらのたうち回って……消えた。
ハリーの杖が床に落ちてカタカタと音をたて、そして静せい寂じゃくが訪れた。インクが日記帳から浸しみ出し、ポタッポタッと落ち続ける音だけが静けさを破っていた。バジリスクの猛もう毒どくが、日記帳の真ん中を貫つらぬいて、ジュウジュウと焼け爛ただれた穴を残していた。
体中を震ふるわせ、ハリーはやっと立ち上がった。煙えん突とつ飛ひ行こう粉ごなで、何キロも旅をしたあとのようにくらくらしていた。ゆっくりとハリーは杖を拾ひろい、「組くみ分わけ帽ぼう子し」を拾い、そして満まん身しんの力で、バジリスクの上うわ顎あごを貫いていた眩まばゆい剣つるぎを引き抜いた。
他注视着哈利的脸。
“不过没有关系。实际上,我认为这样更好。只有你相我,哈利.波特..你和我..”
他举起魔杖。
就在这时,福克斯迅速地扑扇着翅膀,又在他们头顶上盘旋了,随即,一样东西落在了哈利的膝盖上—— 那本日记。在那生死关头的一刹那,哈利,以及仍然举着魔杖的里德尔,眼睛都盯住了它。然后,哈利没有思考,也没有半点犹豫,好像他一直就打定主意要这么做似的,他一把抓起身边地上的蛇怪毒牙,径直把它插进了日记本的中心。