「秘密の部屋」の隅すみのほうから微かすかな呻うめき声が聞こえてきた。ジニーが動いていた。ハリーが駆かけ寄ると、ジニーは身を起こした。とろんとした目で、ジニーはバジリスクの巨大な死し骸がいを見、ハリーを見、血に染そまったハリーのローブに目をやった。そしてハリーの手にある日記を見た。とたんにジニーは身み震ぶるいして大きく息を呑のんだ。それから涙なみだがどっと溢あふれた。
「ハリー――あぁ、ハリー――あたし、朝食の時あなたに打ち明けようとしたの。でも、パーシーの前では、い、言えなかった。ハリー、あたしがやったの――でも、あたし――そ、そんなつもりじゃなかった。う、嘘うそじゃないわ――リ、リドルがやらせたの。あたしに乗り移ったの――そして――いったいどうやってあれをやっつけたの――あんなすごいものを リドルはど、どこ リドルが日にっ記き帳ちょうから出てきて、そのあとのことは、お、憶おぼえていないわ――」
「もう大だい丈じょう夫ぶだよ」
ハリーは日記を持ち上げ、その真ん中の毒どく牙がで焼かれた穴を、ジニーに見せた。
「リドルはおしまいだ。見てごらん リドル、それにバジリスクもだ。おいで、ジニー。早くここを出よう――」
「あたし、退たい学がくになるわ」
ハリーはさめざめと泣くジニーを、ぎごちなく支えて立ち上がらせた。
「あたし、ビ、ビルがホグワーツに入ってからずっと、この学校に入るのを楽しみにしていたのに、も、もう退学になるんだわ。――パパやママが、な、なんて言うかしら」
フォークスが入口の上を浮うかぶように飛んで、二人を待っていた。ハリーはジニーを促うながして歩かせ、死んで動かなくなったバジリスクのとぐろを乗り越こえ、薄うす暗くらがりに足音を響ひびかせ、トンネルへと戻もどってきた。背はい後ごで石の扉とびらが、シューッと低い音をたてて閉じるのが聞こえた。
“哈利—— 哦,哈利—— 吃早饭的时候,我—— 我想告诉你的,可是当着珀西的面,我没—— 没法说。是我干的,哈利—— 可是我—— 我发誓我—— 我不是有意的,是里—— 里德尔逼我的,他—— 他控制了我。你—— 你是怎么杀死那个—— 那个家伙的?里德尔在—— 在哪里?我—— 我最后只记得他从日记里出来—— ”
“现在没事了,”哈利说,他给金妮看那个被毒牙穿透的大洞,“里德尔完蛋了。看!他和蛇怪都完蛋了。走吧,金妮,我们赶紧离开这里—— ”