「ロックハートはどこ」
「あっちのほうだ」
ロンはニヤッとして、トンネルからパイプへと向かう道みち筋すじを顎あごでしゃくった。
「調子が悪くてね。来て見てごらん」
フォークスの広い真しん紅くの翼つばさが闇やみに放はなつ、柔やわらかな金こん色じきの光に導みちびかれ、三人はパイプの出口のところまで引き返した。ギルデロイ・ロックハートが独ひとりでおとなしく鼻はな歌うたを歌いながらそこに座っていた。
「記き憶おくを失なくしてる。『忘ぼう却きゃく術じゅつ』が逆ぎゃく噴ふん射しゃして、僕ぼくたちでなく自分にかかっちゃったんだ。自分が誰なのか、いまどこにいるのか、僕たちが誰なのか、ちんぷんかんぷんさ。ここに来て待ってるように言ったんだ。この状じょう態たいで独ひとりで放ほうっておくと、怪け我がしたりして危ないからね」
ロックハートは人の好よさそうな顔で、闇やみを透すかすようにして三人を見上げた。
「やあ、なんだか変わったところだね。ここに住んでいるの」ロックハートが聞いた。
「いや」ロンは、ハリーのほうにちょっと眉まゆを上げて目め配くばせした。
ハリーは屈かがんで、上に伸びる長く暗いパイプを見上げた。
「どうやって上まで戻もどるか、考えてた」ハリーが聞いた。
ロンは首を横に振ふった。すると、不ふ死し鳥ちょうのフォークスがスイーッとハリーの後ろから飛んできて、ハリーの前に先回りして羽をパタパタいわせた。ビーズのような目が闇に明るく輝かがやいている。長い金色の尾お羽ばねを振っている。ハリーはポカンとしてフォークスを見た。
「つかまれって言ってるように見えるけど……」ロンが当とう惑わくした顔をした。
「でも鳥が上まで引っ張ぱり上げるには、君は重すぎるな」
「フォークスは普通の鳥じゃない」ハリーはハッとしてみんなに言った。
「みんなで手をつながなきゃ。ジニー、ロンの手につかまって。ロックハート先生は――」
「君のことだよ」ロンが強い口調でロックハートに言った。
「先生は、ジニーの空あいてるほうの手につかまって」
“在那儿呢,”罗恩说着,咧开嘴笑了,他把头对着隧道通向水管的地方扬了扬,“他的情况很糟糕。过去看看吧。”
“不是。”罗恩说,一边朝哈利扬了扬眉毛。
哈利弯下腰,透过长长的、黑洞洞的水管向上望去。
“它好像希望你抓住它..”罗恩说,显得有些困惑,“可是你太重了,一只鸟不可能把你拉上去的。”
“福克斯可不是一只普通的鸟。”哈利说。他迅速转向其他人,“我们必须一个抓牢一个。金妮,你抓住罗恩的手。洛哈特教授—— ”
“他说的是你。”罗恩很不客气地对洛哈特说。
“你抓住金妮的另一只手。”