「何を証しょう拠こに」食いしばった歯の間からマルフォイ氏が言った。
「あぁ、誰も証しょう明めいはできんじゃろう」ダンブルドアはハリーに微笑ほほえみながら言った。
「リドルが日記から消え去ってしまったいまとなっては。しかし、ルシウス、忠ちゅう告こくしておこう。ヴォルデモート卿きょうの昔の学用品をバラ撒まくのはもうやめにすることじゃ。もし、またその類たぐいの物が、罪つみもない人の手に渡るようなことがあれば、誰よりもまずアーサー・ウィーズリーが、その入にゅう手しゅ先さきをあなただと突き止めるじゃろう……」
ルシウス・マルフォイは一いっ瞬しゅん立ちすくんだ。杖つえに手を伸ばしたくてたまらないというふうに、右手がピクピク動くのが、ハリーにははっきりと見えた。しかし、代わりにマルフォイ氏はしもべ妖よう精せいのほうを向いた。
「ドビー、帰るぞ」
マルフォイ氏はドアをぐいっとこじ開け、ドビーが慌あわててマルフォイのそばまでやってくると、ドアの向こう側までドビーを蹴け飛とばした。廊ろう下かを歩いている間中、ドビーが痛いた々いたしい叫さけび声をあげているのが聞こえてきた。ハリーは一いっ瞬しゅん立ち尽つくしたまま、必ひっ死しで考えを巡めぐらせた。そして、思いついた。
「ダンブルドア先生」ハリーが急いで言った。
「その日記をマルフォイさんにお返ししてもよろしいでしょうか」
「よいとも、ハリー」ダンブルドアが静かに言った。
「ただし、急ぐがよい。宴えん会かいじゃ。忘れるでないぞ」
ハリーは日記を鷲わしづかみにし、部屋から飛び出した。ドビーの苦く痛つうの悲ひ鳴めいが廊下の角かどを曲がって遠のきつつあった。
――果はたしてこの計画はうまく行くだろうか――。急いでハリーは靴くつを脱ぬぎ、ドロドロに汚よごれたソックスの片方を脱ぎ、日記をその中に詰つめた。それから暗い廊下を走った。ハリーは階段の一番上で二人に追いついた。
“当然可以,哈利,”邓布利多平静地说,“不过可得快点儿。别忘了还有宴会呢。”
哈利一把抓过日记本,冲出了办公室。他听见多比痛苦的惨叫声绕过拐角,越来越远了。哈利一边心里怀疑这个计划能不能行得通,一边飞快地脱掉一只鞋,扯下黏糊糊的臭袜子,把日记本塞了进去。然后,他沿着黑暗的走廊飞奔。