「マルフォイさん」ハリーは息を弾はずませ、急に止まったので横よこ滑すべりしながら呼びかけた。
「僕ぼく、あなたに差し上げるものがあります」
そしてハリーはプンプン臭におうソックスをマルフォイ氏の手に押しつけた。
「なんだ――」
マルフォイ氏しはソックスを引きちぎるように剥はぎ取り、中の日記を取り出し、ソックスを投げ捨すて、それから怒いかり狂って日記の残ざん骸がいからハリーに目を移した。
「君もそのうち親と同じに不幸な目に遭あうぞ。ハリー・ポッター」口く調ちょうは柔やわらかだった。
「連れん中ちゅうもお節せっ介かいの愚おろか者だった」
マルフォイ氏は立ち去ろうとした。
「ドビー、来い。来いと言ってるのが聞こえんか」
ドビーは動かなかった。ハリーのドロドロの汚きたならしいソックスを握にぎりしめ、それが貴き重ちょうな宝物ででもあるかのようにじっと見つめていた。
「ご主人様がドビーめにソックスを片方くださった」しもべ妖よう精せいは驚きょう嘆たんして言った。
「ご主人様が、これをドビーにくださった」
「なんだと」マルフォイ氏が吐はき捨すてるように言った。「いま、何と言った」
「ドビーがソックスの片方をいただいた」信じられないという口調だった。
「ご主人様が投げてよこした。ドビーが受け取った。だからドビーは――ドビーは自由だ」
“马尔福先生,”他喘着气说,一个踉跄,刹住脚步,“我有一样东西要给你。”
他把那只臭烘烘的袜子硬塞进卢修斯马尔福手里。
“这是什—— ” 马尔福先生扯掉日记本上的袜子,扔到一边,怒气冲冲地看了看被毁坏的日记本,又看了看哈利。“哈利波特,总有一天,你会遭到和你父母同样的下场,”他轻声说,“他们当年就是爱管闲事的傻瓜。”
他转身要走。
“快来,多比。听见没有,快点儿!”
可是多比没有动弹。他高高举起哈利的那只黏糊糊的臭袜子,激动地看着它,就好像那是一件无价之宝。
“主人给了多比一只袜子,”家养小精灵惊讶地说,“主人把袜子给了多比。”
“什么?”马尔福先生恼火地说,“你说什么?”
“多比得到了一只袜子,”多比不敢相信地说。“是主人扔的,多比接住了,多比—— 多比自由了。”