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怪指纹:第一个牺牲者

时间: 2021-08-15    进入日语论坛
核心提示:劈頭(へきとう)の犠牲者 法医学界の一権威宗像隆一郎(むなかたりゅういちろう)博士が、丸の内のビルディングに宗像研究室を設(
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劈頭(へきとう)の犠牲者


 法医学界の一権威宗像隆一郎(むなかたりゅういちろう)博士が、丸の内のビルディングに宗像研究室を(もう)け、犯罪事件の研究と探偵の事業を始めてからもう数年になる。
 同研究室は、普通の民間探偵とは違い、其筋(そのすじ)でも手古摺(てこず)るほどの難事件でなければ、決して手を染めようとはしなかった。所謂(いわゆる)「迷宮入り」の事件こそ、同研究室の最も歓迎する研究題目であった。宗像博士は、研究室開設第一年にして、すでに二つの難事件を見事に解決し、一躍その名声を高め、爾来(じらい)(ごと)に著名の難事件を処理して、現在では、名探偵と云えば、明智小五郎(あけちこごろう)か宗像隆一郎かというほどに、世に知られていた。
 天才明智は、その生活ぶりが飄々(ひょうひょう)としていて、何となく(とら)えどころがなく、気に入った事件があれば、支那へでも、(インド)へでも、気軽に飛び出して行って、事務所を留守にすることも多いのに反して、宗像博士の方は、明智のような天才的なところはなかったけれど、あくまで堅実で、科学的で、東京を中心とする事件に限って手がけるという、実際的なやり方であったから、期せずして市民の信頼を博し、警視庁でも、難事件が起ると、一応は必ず宗像研究室の意見を(ちょう)するという程になっていた。
 事務所なども、明智の方は住宅兼用の書生(しょせい)流儀であったのに反して、宗像博士は、家庭生活と仕事とをハッキリ区別して、郊外の住宅から毎日研究室へ通い、博士夫人などは一度も研究室へ顔出しをしたことがなく、又研究室の二人の若い助手は、一度も博士の自宅を訪ねたことがないという、厳格(きわ)まるやり口であった。
 丸の内の一(かく)赤煉瓦(あかれんが)貸事務所街のとある入口に、宗像研究室の真鍮(しんちゅう)看板が光っている。赤煉瓦建ての一階三室が博士の探偵事務所なのだ。
 今、その事務所の石段を、()うようにして上って行く、一人の若い背広服の男がある。二十七八歳であろうか、その辺のサラリーマンと別に変ったところも見えぬが、ただ異様なのは、トントンと駆け上るべき石段を、まるで爬虫類(はちゅうるい)ででもあるように、ヨタヨタと這い上っていることである。急病でも起したのであろうか、顔色(がんしょく)は土のように青ざめ、額から鼻の頭にかけて、脂汗(あぶらあせ)が玉をなして吹き出している。
 彼はハッハッと、さも苦しげな息を吐きながら、やっと石段を昇り、開いたままのドアを通って、階下の一室に辿(たど)りつくと、入口のガラス張りのドアに、身体(からだ)をぶッつけるようにして、室内に転がり込んだ。
 そこは、宗像博士の依頼者接見室で、三方の壁の書棚には博士の博識を物語るかの(ごと)く、内外の書籍がギッシリと詰まっている。(しつ)の中央には畳一畳敷程の大きな彫刻つきのデスクが置かれ、それを囲んで、やはり古風な彫刻のある肘掛椅子(ひじかけいす)や長椅子が並んでいる。
「先生、先生はどこです。アア、苦しい。早く、先生……」
 若い男は床の上に倒れたまま、(あえ)ぎ喘ぎ、精一杯の声をふり(しぼ)って叫んだ。
 すると、(ただ)ならぬ物音と叫び声に驚いたのであろう、隣の実験室へ通じるドアが開いて、一人の男が顔を出した。これも三十歳程に見える若い事務員風の洋服男である。
「オヤッ、木島(きじま)君じゃないか。どうしたんだ、その顔色は?」
 彼はいきなり室内に駈け込んで、若者を抱き起した。
「アア、小池(こいけ)君か。せ、先生は? ……早く会いたい。……重大事件だ。……ひ、人が殺される。……今夜だ。今夜殺人が行われる。アア、恐ろしい。……せ、先生に……」
「ナニ、殺人事件だって? 今夜だって? 君はどうしてそれが分ったのだ。一体、誰が殺されるんだ」
 小池と呼ばれた若者は、顔色を変えて木島の気違いめいた目を見つめた。
川手(かわて)の娘だ。……その次は親爺(おやじ)の番だ。みんな、みんなやられるんだ。……せ、先生は? 早く先生にこれを。……この中にすっかり書いてある。それを先生に……」
 彼はもがくようにして、胸のポケットを探ると、一通の厚ぼったい洋封筒を取出して、やっとの思いで、(おお)デスクの端にのせた。そして、次には同じポケットから、何かしら四角な小さい紙包を(つか)み出し、さも大切そうに握りしめている。
「先生は今御不在だよ。三十分もすればお帰りになる筈だ。それよりも、君はひどく苦しそうじゃないか。どうしたというんだ」
「あいつに、やられたんだ。毒薬だ。アア、苦しい。水を、水を……」
「よし、今取って来てやるから、待ってろ」
 小池は隣室へ飛んで行って、化学実験用のビーカーに水を入れて帰って来ると、病人を抱えるようにして、それを飲ませてやった。
「しっかりしろ。今医者を呼んでやるから」
 彼は又病人の(そば)を離れて、卓上電話にしがみつくと、附近の医院へ至急来診を頼んだ。
「すぐ来るって。ちょっとの間我慢しろ。だが、一体誰にやられたんだ。誰が君に毒なんか飲ませたんだ」
 木島は、半ば白くなった目を見はって、ゾッとするような恐怖の表情を示した。
「あいつだ。……三重(さんじゅう)渦巻(うずまき)だ。……ここに証拠がある。……こいつが殺人鬼だ。アア、恐ろしい」
 彼は歯を喰いしばって、もがき苦しみながら、右手に握った小さな紙包みを示した。
「よし、分った。この中に犯人の手掛りがあるんだな。しかし、そいつの名は?」
 だが、木島は答えなかった。もう両眼の虹彩(こうさい)上瞼(うわまぶた)に隠れてしまっていた。
「オイ、木島君、木島君、しっかりしろ、名だ。そいつの名を云うんだ」
 いくら揺すぶっても、木島の身体は水母(くらげ)のように手応えがなかった。
 可哀想に、宗像研究室の若き助手木島は、捜査事業の犠牲となって、遂に無残の最期をとげたのであった。
 五分程すると、附近の医師が来診したが、最早や脈搏も鼓動も止った木島を、どうすることも出来なかった。
 待ち兼ねた宗像博士が研究室に帰って来たのは、それから四十分程のちであった。
 博士は見たところ四十五六歳、黒々とした頭髪を耳の辺で房のように縮らせ、ピンとはねた小さな口髭(くちひげ)、学者臭く三角に刈った濃い顎髯(あごひげ)、何物をも見透す(わし)のように鋭い目には、黒鼈甲縁(くろべっこうぶち)のロイド眼鏡(めがね)をかけ、大柄なガッシリした身体を、折目正しい夏のモーニングに包んで、少し()り身になって、大股に歩を運ぶところ、如何(いか)にも帝政独逸(ドイツ)時代の医学博士という趣きであった。
 博士は小池助手から、事の次第を聞き取ると、痛ましげに愛弟子(まなでし)のなきがらを見おろしながら、
「実に気の毒なことをした。木島君の家へは知らせたかね」
 と、小池助手に(たず)ねた。
「電報を打ちました。やがて駈けつけて来るでしょう。それから警視庁へも電話しました。中村さん驚いてました。すぐ来るということでした」
「ウン、中村君も僕も、川手の事件が、こんなことになろうとは、想像もしていなかったからね。中村君なんか、被害妄想だろうって、取り合わなかったくらいだ。それが、木島君がこんな目に合う程では、余程(よほど)大物らしいね」
「木島君は、何だか非常に怖がっていました。恐ろしい、恐ろしいと言いつづけて死んで行きました」
「ウン、そうだろう。予告して殺人をするくらいの(やつ)だから、余程兇悪な犯人に違いない。小池君、(ほか)の事件は放って置いて、今日からこの事件に全力を尽そう。木島君の敵討(かたきう)ちをしなけりゃならないからね」
 話しているところへ、(あわただ)しい靴音がして、警視庁の中村捜査係長が入って来た。鼠色の背広姿である。
 彼は木島の死体を見ると、帽子を取って黙礼したが、驚きの表情を隠しもせず、宗像博士を(かえり)みて云った。
「こんなことになろうとは思いもよらなかった。油断でした。あなたの部下をこんな目に合わせて、実に何とも申訳ありません」
「イヤ、それはお(たがい)です。僕だって、これ程の相手と思えば、木島君一人に任せてなんぞ置かなかったでしょうからね」
「電話の話では、木島君は何か犯人の手掛りを持って帰ったということでしたが」
 係長が小池助手を振返った。
「エエ、これです。この封筒の中に詳しく報告を書いて置いたと云っていました」
 小池が大デスクの上の例の洋封筒を取って差出すのを、宗像博士が受取って、裏表を調べながら(つぶや)いた。
「オヤ、この封筒は銀座(ぎんざ)のアトランチスの封筒じゃないか。すると、木島君はあのカフェで、用紙と封筒を借りて、これを書いたんだな」
 如何にも、封筒の隅に、カフェアトランチスの名が印刷されていた。
 博士は卓上の(はさみ)を取って、丁寧に封筒の端を切ると、厚ぼったい書翰箋(しょかんせん)を抜き出して、開いて見た。
「オイ、小池君、確かにこれに違いないね? 君は何か思い違いをしてやしないかね。それとも、木島君が倒れてから、誰かこの部屋へ入ったものはなかったかね」
 博士が妙な顔をして、小池助手にただした。
「イイエ、僕は一歩もこの部屋を出ませんでした。誰も来たものなぞありません。どうかしたのですか。その封筒は確かに木島君が内ポケットから出して、そこへ置いたままなんです」
(たま)え、これだ」
 博士は用箋を中村係長と小池助手の前に差出して、パラパラとめくって見せたが、不思議なことに、それはただの白紙の束に過ぎなかった。文字なぞ一字も書いてはないのだ。
「変だなア、まさか木島君が、白紙を封筒に入れて、大切そうに持って来る(わけ)はないが」
 中村氏が、(きつね)につままれたような顔をした。
 宗像博士は、唇を()んで(しばら)く黙っていたが、突然、白紙の束を紙屑籠(かみくずかご)に投げ入れると、決定的な口調で云った。
「小池君、すぐアトランチスへ行って、木島君が用紙と封筒を借りたあとで、誰かと話をしなかったか、同じテーブルに胡乱(うろん)な奴がいなかったか調べてくれ給え。そいつが犯人か、少くとも犯人の相棒に違いない。木島君の油断している隙に、報告書の入った封筒と、この白紙の封筒とすり換えたんだ。毒を飲ませたのも、同じ奴かも知れない。出来るだけ詳細に調べてくれ給え」
「承知しました。しかし、もう一つ、木島君が持って来たものがあるんです。死体の右手をごらん下さい。そこに掴んでいるものは、余程大切な証拠品らしいんです。……では、僕失礼します」
 小池助手はテキパキと云い捨てて、帽子を掴むと、いきなり外へ飛び出して行った。

    法医学界的一大权威宗像隆一郎博士自从在丸内大厦设立宗像研究所,开始研究犯罪案件和开办侦探事业以来,已经有好几年了。
 
    该研究所不同于普通的民间侦探,若不是连警察当局都感到棘手的疑难案件它是决不想染指的,只有所谓“无头案”才是该研究室最欢迎的研究课题。宗像博士在研究室开设的第一年就已经出色地了结了两起疑难案件,一跃提高了其声望,从那以后每年处理著名的疑难案件,现在已经闻名于世,以至一提起名侦探,不是说小五郎就是说隆一郎。
 
    天才小五郎逍遥自在,总觉得他摸不着头脑,只要有他喜欢的案件,不管是中国还是印度他都飘然而去,所以很多时候他不在自己的事务所里。而宗像博士虽然没有小五郎那般天才,但他脚踏实地,坚持科学的、实际的方法,只有以东京为中心的案件他才办理,所以不期而然地博得了市民的信赖,连警视厅也一旦发生疑难案件就必定要征求一下宗像研究所的意见。
 
    事务所也与小五郎的不同。小五郎是住宅兼用的书生派头,而宗像博士的做法却极其严格,他把家庭生活和工作裁然区分开来,每天从郊外的住宅去研究所上班,博士夫人从未去研究室露过面,研究室的两名年轻助手也从未访问过博士的家。
 
 
 
 
    丸内的一地区。在写有“红砖瓦租赁事务所街”的入口处,宗像研究室的黄铜招牌闪闪发光。红砖楼房的一楼三室便是博士的侦探事务所。
 
    一个身穿西服的年轻男子正沿着这事务所的石阶爬也似地往上走去。大概有二十七八岁吧,看不出与这一带的职员有什么不同,所不一样的只是:本来应该冬冬地跑上去的石阶他却宛如爬虫类,步履蹒跚地往上爬着。大概是患了急病什么的,脸色像上一样灰白,从额头到鼻尖冒着豆大的虚汗。
 
    他呼呼呼味十分痛苦地喘着粗气,好不容易爬完石阶,走过打开着的门来到一屋子跟前,旋即像是将身体撞向入口处的玻璃门似地跌进了室内。
 
    那里是宗像博士的接见室,三面墙壁的书架上仿佛说明博士的博识似地摆满了国内外的书籍。屋子中央摆着有一张铺席大小的带雕刻的办公桌,四周排列着也是有古色古香的雕刻的扶手椅。
 
    “先生、先生在哪里?啊,难受死了,难受死了!快,先生…”
 
    年轻人倒在地板上,一面挣扎一面声嘶力竭地喊叫着。
 
    于是,大概是被这不寻常的喊叫声惊动了,通向隔壁实验室的门打开了,一个男子探过头来。这也是一位身穿西服的年轻男人,看上去三十岁左右,像是个事务员。
 
    “哎呀,不是木岛君吗?怎么啦,这副脸色?”
 
    他马上跑进室内,抱起了年轻人。
 
    “啊,是小池君吗?先、先生呢?想尽早见他。是起重大案件。……有、有人要杀害……是今晚。今晚他们要杀人。啊,太可怕了……想见先、先生……”
 
    “什么?你说杀人?是今晚?你怎么知道这事的?究竟谁要被害?”
 
    被称为小池的年轻人变了脸色,凝视着木岛那疯狂的眼神。
 
    “是川手的女儿。下一个就轮到他父亲。都、都要被害。……先、先生呢?……快把这交给先生……这里面全写着。快把这…”
 
    他挣扎着掏着胸前的衣兜,取出一封厚厚的信封,勉勉强强把它放到了办公桌边上,然后又从同一个口袋里抓出一个四方形小纸包,十分珍惜似地紧握在手里。
 
    “先生现在不在呀,再过半小时该回来了。倒是你自己,看你挺难受的,到底是怎么啦?”
 
    “遭那家伙暗杀的。是毒药。啊,太难受了,水,水
 
    小池奔到隔壁房间,端着化学实验用的烧杯跑了回来,随即扶着病人让他喝了一些。
 
    “你要挺住呀!我这就替你叫医生。”
 
    他又离开病人身旁,抓起办公桌上的电话筒,给附近的医院挂了个电话,叫他们赶紧来看病。
 
    “说马上就来。再忍耐一会儿!可到底遭谁暗算了?谁让你喝毒药的?”
 
    木岛瞪着一半已经变白的眼睛,露出一副叫人毛骨悚然的表情。
 
    “是那家伙……三重旋涡……这里有证据……这家伙是杀人犯。啊,太可怕了!”
 
    他咬紧牙关,挣扎着出示了换在右手里的小纸包。
 
    “好,明白了。这里面有犯人的线索吧。可那家伙的名字呢?”
 
    但木岛没有回答,他那双眼睛的虹膜已经被上眼睑遮住了。
 
    “喂,木岛君,木岛君,你要挺住!名字,说那家伙的名字!”
 
    无论怎么摇晃,木岛的身体都像海蜇一样毫无反应。
 
    真可怜!宗像研究室的年轻助手木岛成了侦查事业的牺牲品,终于惨死了。
 
    过了五分多钟,附近的医生才赶来,面对着脉搏和心跳都已停止的木岛也无能为力。
 
    四十分钟以后,宗像博士才回到研究室来。
 
    博士看上去四十五六岁,耳畔卷着一给儿黑黑的头发,嘴上边留着翘起的小胡子。剃成三角形的浓浓的胡须颇有几分学究派头。能看透任何东西、像鹰一样犀利的眼睛上戴着一副黑球摆架的租柜圆形眼镜。魁梧的身体上穿着一身折线笔直的晨礼服,稍稍挺着胸脯迈着阔步走路的样子颇像德意志帝国时代的医学博士。
 
    博士从小池助手那儿听取了事情的经过,便一面痛心地俯视着得意门生的遗体一面问小地助手:
 
    “真对不起呀!通知木岛君的家了吗?”
 
    “打了电报,过会儿就赶来吧。另外也给警视厅打了电话。中村君很吃惊,说马上就来。”
 
    “哦,中村君和我都没有想到川手的案子竟会这样。中村君他甚至都没有理睬,说那大概是受迫害狂想。木岛君遭到这样的不幸,看来是个大家伙暧!”
 
    “木岛君好像非常害怕,连续说着‘可怕、可怕’死去的。”
 
    “嗯,大概是吧。那家伙甚至是先预告后杀人,所以一定是相当凶恶的罪犯。小池君,其它的案件先搁一搁,从今天起全力以赴办这起案件,要替木岛君报仇嘛!”
 
    正在他们说话时响起了急促的脚步声,警视厅的中村侦查股长走了进来,一身灰色西装。
 
    他一见木岛的尸体就脱下帽子默默地行了一礼,但毫不掩饰他吃惊的表情,回头望着宗像博士说:
 
    “没有想到会这样。是我疏忽大意了,让你的部下遭受这种不幸,实在对不起。”
 
    “木,彼此彼此,因为倘若我想到是这么个对手,也不会托给水岛君一个人吧。”
 
    “电话里说木岛君带回了犯人的什么线索……”
 
    股长回头看了一眼小池助手。
 
    “嗯,是的,他说这封信里详细地写着报告。”
 
    宗像博士接过小地从办公桌上取过来的那个信封,看了看正反面后自言自语道:
 
    “哎呀,这信封不是银座的‘亚特兰蒂斯’的信封吗?这么说,木岛君是在那家咖啡馆里借了信笺和信封写了这个的牌?”
 
    果然信封的角落上印刷着“亚特兰蒂斯”咖啡馆的名字。
 
    博士取过桌子上的剪子小心翼翼地剪去信封一端,随后抽出一叠厚厚的信纸打开来看了一下。
 
    “喂,小池君,确实是这个吧?你会不会是误会了呢?或者是有没有人在木岛君倒下后进了这屋子?”
 
    博士神色诧异地询问着小油助手。
 
    “没有。我一步也没有离开这个屋子,根本不会有人来的。怎么,有问题吗?那信封确实是木岛君从里面口袋里掏出来放在那儿的。”
 
    “你们看,这儿。”
 
    博士把信笺伸到中村股长和小池助手面前,叭啦叭啦地翻给他们看了一下,但奇怪的是那只不过是一叠白纸,根本没有写着一个字。
 
    “奇怪啊!决不会是木岛君把白纸装进信封小心翼翼地拿来的吧。”
 
    中村露着一副像是被狐狸精迷住了似的神情说道。
 
    宗像博士咬着嘴唇沉默片刻。突然他把一叠白纸扔进废纸篓,斩钉截铁地说:
 
    “小池君,你立即去‘亚特兰蒂斯’,调查一下木岛君借了信笺和信封后有没有跟谁说话,同一张桌子上有没有可疑的家伙。那家伙一定是犯人或起码是犯人的同伙,趁木岛君疏忽之际把装进报告书的信封偷偷换成了这白纸的信封。让他服毒的也许就是同一个家伙。尽量调查得详细一些。”
 
    “知道了。可还有一样木岛君拿回来的东西。请您看一下尸体的右手。抓在那上面的像是个相当重要的证据……那我就走了。”
 
    小池助手爽利地说道。说罢就抓起帽子,猛地跑了出去。
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