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怪指纹:地底杀人

时间: 2021-08-15    进入日语论坛
核心提示:地底の殺人 アア、これが正気の沙汰であろうか。この世に何か思いもかけぬ異変が生じたのではあるまいか。その地下室の穴蔵の板
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地底の殺人


 アア、これが正気の沙汰であろうか。この世に何か思いもかけぬ異変が生じたのではあるまいか。その地下室の穴蔵の板壁の向側には、夢のような一つの世界があったのである。
 そこには、現代ばなれのした、ひどく古めかしい装飾の、立派な日本座敷があって、その床の間の柱に、夫婦と覚しき男女が、後手(うしろで)に縛りつけられていた。女の方は猿轡(さるぐつわ)まではめられている。
 男は三十四五歳の、髪の毛を房々(ふさふさ)と分けた好男子、女は二十五六歳であろうか、友禅(ゆうぜん)長襦袢(ながじゅばん)の襟もしどけなく、古風な丸髷(まるまげ)(びん)のほつれ(なま)めかしい美女。二人とも寝入っているところを叩き起され、いきなり縛りつけられたらしく、ついその前に乱れた夜具が二つ敷いたままになっている。
 縛られてうなだれた二人の前に、黒っぽい(あわせ)の裾を高々とはしおり、毛むくじゃらの素足を丸出しにした四十前後と見える大男が、黒布ですっぽりと頬被(ほおかぶ)りをして、右手にドキドキ光る九寸五分を持ち、夫婦のものを脅迫している(てい)である。
 その異様の光景を、高い竹筒の台のついた丸火屋(まるほや)の石油ランプが、薄暗く照らし出している有様は、どう見ても現代の光景ではない。室内の調度といい、人物の服装といい、明治時代の感じである。どこかへ姿を隠した、さい前の幼児が、やはり明治時代の服装をしていたことを思い合せると、一夜の内に時間が逆転して、三四十年も昔の世界が、突如として眼前に現われたとしか考えられなかった。
 山の魑魅魍魎のあやかしであろうか。それとも狐狸(こり)の類のいたずらであろうか。だが、現代にそんな草双紙(くさぞうし)めいた現象があり得ようとも思われなかった。
 頬被(ほおかぶ)りをした強盗らしい男は、いきなり手にした短刀の刃で、美しい妻女の頬を、ピタピタと叩き始めた。
「強情を云わずと、金庫の鍵を渡さねえか。愚図愚図していると、ホラ、お内儀(ないぎ)のこの美しい頬っぺたから赤い血が流れるんだぜ。ふた目と見られぬ、恐ろしい顔に早変りしてしまうんだぜ。サア、鍵を渡さねえか」
 すると、縛られている男が、くやしそうに目をいからせて、盗賊の覆面を睨みつけた。
「金庫の中には書類ばかりで、現金はないって、あれ程云っているじゃないか。さっき渡した五十円で勘弁してくれ、今うちにはあれっきりしか現金がないんだから」
 それを聞いた賊は、鼻の先で、フフンとせせら笑った。
「ヤイ、手前は俺がなんにも知らねえと思っているんだな。金庫の中には一万円という札束が入っているのを、ちゃんと見込んでやって来たんだ。ウフフフフ、どうだ図星だろう」
 縛られている主人の顔に、サッと当惑の色が浮かんだ。
「イイエ、あれは私の金じゃない。大切な預りものだ。あれだけは、どうあっても渡すことは出来ない」
「そうら見ろ。とうとう白状してしまったじゃねえか。預りものであろうと、なかろうと、こっちの知ったことか。サア、鍵を出しねえ。俺はあれをすっかり貰って行くのだ。エ、出さねえか。出さねえというなら、どうだ、これでもか。エ、これでもか」
 と同時に、ウーンと押し殺したようなうめき声が、川手氏の耳をうった。今までうなだれていた女が、顔を上げて、猿轡の中から身の気もよだつ恐怖のうめき声を立てたのだ。見ればその青ざめた白蝋(はくろう)のような頬に、一筋サッと真赤な糸が伸びて、そこから濡紙にインキが浸み渡りでもするように、見る見る血のりが頬を濡らして行く。
「アッ、何をするんだ。いけない。いけない。そ、それじゃ、わしの今持っているだけのお金を皆やる。ここにある。この違い棚の下の地袋(じぶくろ)を開けてくれ。そこに手文庫が入っている。その手文庫の中の札入れに、確か三百円余りの現金があった筈だ。それを皆やるから、どうか手荒な事はよしてくれ。お願いだ。お願いだ」
 主人は(おが)まんばかりの表情で懇願する。
「ホウ、そんな金があったのか。それじゃ、(ついで)にそれも貰って置こう」
 賊は憎々しく云いながら、直ぐさま地袋を開いて、手文庫をかき探し、札入れの中の紙幣を懐中(ふところ)に入れた。
 その間、主人は賊の一挙一動をさも無念そうに睨みつけていたが、紙幣を取り出して立上ろうとする時、賊の顔が一尺程の近さに迫って、覆面の中の素顔がはっきり見えたらしく、愕然として、
「オオ、貴様は川手庄兵衛(しょうべえ)じゃないか」
 と叫んだ。
 それを聞くと、賊もギョッとした様子であったが、賊よりも節穴から覗いている川手氏の方が一層の驚きにうたれた。アア何という事だ。川手庄兵衛といえば、川手氏の亡父と同じ名前ではないか。明治時代らしいこの光景と、庄兵衛と呼ばれた男の年齢とも、ぴったり一致している。この当時には、亡父は丁度あのくらいの年輩であったに違いない。気のせいか、賊の姿や声までが、十歳の頃に死に別れた父親とそっくりのような気さえするのだ。
 気でも違ったのか、夢を見ているのか、こんな不可思議な時間の逆転が起るなんて、五十近い息子が、自分よりも若い頃の父親の姿を、かくまでまざまざと見せつけられようとは。しかも、その父親は泥棒なのだ。ただの泥棒ではない、兇悪無残な持兇器(じきょうき)強盗なのだ。
 川手氏はもう別世界の景色を眺めているような呑気な気持ではいられなかった。鼻の頭が痛くなる程、板壁に目をくッつけて、まるで、我が心の中の奇怪な秘密でも隙見するような、怖いもの見たさの、世にも異様な興奮に引入れられて行った。
 川手庄兵衛と呼びかけられた賊は、一応はギョッとしたらしい様子であったが、忽ちふてぶてしく笑い出した。
「ハハハ……、そう気附かれちゃ仕様がない。如何にも俺はその川手さ。貴様の義理のお父つあんに使われた川手さ。だが何もそんなに威張(いば)るこたあなかろうぜ。元は貴様も俺と同じ山本(やまもと)商会の使用人じゃないか。それを、貴様はそののっぺりとした面で、御主人の一人娘、この満代(みつよ)さんをうまくたらし込み、まんまと跡取り養子に入りこんだまでじゃないか。財産といったところで、元々死んだ山本の親爺さんのもの、貴様が我が物顔に振舞っているのが、無体(むてい)(しゃく)に触ってかなわねえのだ」
「ハハア、すると何だな、川手、貴様はこの満代が俺のものになったのを、いまだに恨んでいるんだな。その意趣返(いしゅがえ)しにこんな無茶な真似をするんだな」
「そうともさ、(おら)あこの遺恨(いこん)はどうあっても忘れるこたあ出来ねえ。丁度今から八年前、貴様も知っている通り、俺はちっとばかり店の金を遣い込んで、いたたまれず逃げ出したが、それというのも、思いに思った満代さんを、貴様に取られたやけっ(ぱち)。あれから朝鮮へ高飛びして、ほとぼりのさめた頃を見はからって帰って見れば、山本の親爺さんはなくなって、貴様が主人に納まり返っている。商売は益々盛んで、山本さんもよい婿(むこ)を取り当てたともっぱら世間の(うわさ)だ。
 にっくい貴様達夫婦が、こうしてお(かいこ)ぐるみでぬくぬくと暮らしているに引かえ、この俺は朝鮮で目論(もくろ)んだ山仕事も散々の失敗、女房と子供を抱えて、まるで乞食同然の身の上さ。しょうことなしに、この間恥を忍んで貴様の店へ無心に行ったが、貴様はけんもほろろの挨拶、イヤそればかりじゃねえ、大勢の店員の見ている前で、よくも俺の旧悪を喋り立て、赤恥をかかせやあがったな。
 ()し満代さんが、あの時俺になびいていさえすりゃ、今頃は俺が山本商会の主人となり、何十万の身代を自由にする身の上になっていたかと思うと、俺と貴様の運勢の、あんまりひどい違いに、俺アくやしくって、くやしくって、天道(てんとう)さまを恨まずにやいられなかった。
 エエ、ままよ。どうせ天道さまに見離されたこの俺だ。まっとうにしていたんじゃ、一生乞食同然のみじめな暮しをせにゃならねえ。いっそ浮世を太く短くと思いついたのが、貴様達の運の尽きよ。
 それから様子を探って見ると、丁度今日、一万円という現金が、この自宅の金庫の中へ納まるという目ぼしがついたので、それを待ち兼ねてやって来たのだ。サア、金庫の鍵を渡さねえか」
 賊は時代めいたせりふを、長々と喋り終ると、又しても、血に濡れた短刀で、満代と呼ばれた美しい妻女の頬を、ペタペタと気味悪く叩くのであった。
「川手、そりゃ逆恨みというものだ。何も僕が無理やりにこの満代を、君から奪い取ったという訳ではなし、親の眼鏡に(かな)って、ちゃんと順序を踏んで結婚をした間柄だ。それを、根に持って兎や角云われる覚えはない。サア、トットと帰ってくれ。ぐずぐずしていると貴様の身の為にならぬぞ」
 主人の山本は、身の自由を奪われながらも、負けてはいなかった。
「ハハハハハハ、その心配はご無用だ。女中達はみんな縛りつけて猿轡をかましてあるし、それに淋しい郊外の一軒家、貴様達がいくらわめいたって、誰が助けに来るものか。お巡りの巡回の時間まで、俺アちゃんと調べてあるんだ。サア渡せ、渡さねえと……」
「どうするんだ?」
「こうするのさ」
 又しても、ウームという身震いの出るようなうめき声。満代の頬にスーッと二筋目の糸が引いて、真赤な血がボトボトと畳の上に滴った。
「待て、待ってくれ」
 主人は身もだえして、ふり絞るような声で叫んだ。
「鍵を渡す。大切な預り金だけれど、満代の身には換えられぬ。鍵はこの次の間の、金庫の隣の箪笥(たんす)にある。上から三つ目の小抽斗(こひきだし)の、宝石入れの銀の小匣(こばこ)の中だ」
「ウン、よく云った。で、組合せ文字は?」
「…………」
「オイ、組合せ文字はと聞いているんだ」
「ウーン、仕方がない。ミツヨの三字だ」
 主人が歯がみをしてくやしがるのを、賊は小気味よげに眺めて、
「ウフフフフ、金庫の暗号まで満代か。馬鹿にしてやがる。よし、それじゃ、俺が次の間へ行ってる間、大人しくしているんだぞ。声でも立てたら、満代さんの命がねえぞ」
 凄い口調で云い残して、賊は次の間へ消えて行ったが、ややしばらくあって、袱紗包(ふくさづつみ)の札束らしいものを手にして、ニヤニヤ笑いながら戻って来た。
「確かに貰った。久しぶりにお目にかかる大金だ。悪くねえなあ。……ところで、これで用事もすんだから、おさらばといいたいんだが、そうはいかねえ。まだ大切な御用が残っておいで遊ばすのだ」
「エッ、まだ用事があるとは?」
 主人の山本は、なぜかギョッとしたように、賊の覆面を睨みつける。
「俺ア、今夜は貴様達二人に恨みをはらしに来たんだ。その方の用事が、まだすんでいないというのさ」
「じゃあ、貴様は、金を取った上にまだ……」
「ウン、()きに殺したんじゃ、金庫を開くことが出来ねえからね」
「エツ、殺す?」
「ウフフフフ、怖いかね」
「俺を殺すというのか」
「オオサ、貴様をよ。それから、貴様の(だい)じの大じの満代さんをよ」
「なぜだ。なぜ俺達を殺さなければならないんだ。君はそうして、大金を手に入れたじゃないか。それだけで満足が出来ないのか」
「ところがね、やっぱり殺さなくちゃならないんだよ。マア考えても見るがいい。俺がこの()を立去ったら、貴様はすぐ俺の名を云って警察へ訴えて出るだろう。そうすれば、俺は折角(せっかく)貰ったこの金を使うひまさえなかろうじゃないか。エ、色男、どうだね。マアそう云った理窟じゃねえか。貴様が余計なおせっかいをして、俺の正体を看破(みやぶ)ったのが運の尽きというものだ。自業自得と(あきら)めるがいいのさ。
 イヤ、そればかりじゃない。仮令(たとえ)貴様が俺を看破らなかったとしたところが、貴様達夫婦がそうして仲よくしているところを見せつけられちゃ、俺ア黙っちゃあ帰られねえ。八年前の意趣ばらしだ。イヤ、八年前から今日(きょう)が日まで、片時として忘れたことのねえ恋の遺恨だ。貴様も憎いが、満代はもっと憎いんだ。恋いこがれていただけに、今の憎さがどれ程か、思い知らせてくれるのだ」
 賊は憎々しく云いながら、血に濡れた九寸五分を、又しても満代の頬に当てた。それと知った満代は、恐怖の絶頂に、身を石のように固め、両眼が眼窩(がんか)を飛び出すかとばかり見開いて、狂気のように賊を見つめながら、猿轡の奥から、この世のものとも思われぬ凄惨なうめき声を発した。
「待ってくれ、川手、俺は決して君の名を口外しない。誓いを立てる。決して決して警察に訴えたりなんかしない。その一万円は俺の自由意志で君に贈与したことにする。だから、ねえ川手君、どうか許してくれ。命は助けてくれ。お願いだ」
 云いながら山本は、ハラハラと涙をこぼした。
「川手君、君もまさか鬼ではあるまい。僕の気持ちを察してくれ。僕は果報者だ。満代はよくしてくれるし、二人の小さい子供は可愛い盛りだ。商売の方も順調に行っている。僕は幸福の真只中にいるのだ。まだこの世に未練がある。死に切れない。あの可愛い子供達や、この事業を残しては、死んでも死に切れない。川手君、察してくれ。そして、昔の朋輩(ほうばい)甲斐に、俺を助けてくれ。ねえ、お願いだ。その代り、君の事は悪くはしない。これからも出来るだけの援助はするつもりだ。もう一度、昔の朋輩の気持になってくれ」
「フフン、相変らず貴様は口先がうまいなあ。女を横取りして置いて、一人いい子になって置いて、昔の朋輩が聞いてあきれらあ。そんな甘口に乗る俺じゃねえ。マア、そんな無駄口を叩く暇があったら、念仏でも唱えるがいい」
「それじゃ、どうあっても許しちゃくれないのか」
「くどいよ。許すか許さねえか、論より証拠だ。これを見るがいい」
 そして、賊はいきなり短刀を満代の胸へ……。
 川手氏は最早(もは)や見るに忍びなかった。今二人の男女が殺されようとしているのだ。目を(ふさ)いでも、断末魔の悲痛なうめき声が聞えて来る。しかもそれは、一寸だめし五分だめし、歌舞伎(かぶき)芝居の殺し場そっくりの、あのいやらしい、陰惨な、惻々(そくそく)として鬼気の身に迫るものであった。
 その残虐を(あえ)てしている人物が我が亡き父であると思うと、川手氏は余計たまらなかった。自分よりも若い父親が、目の前に現われるなんて、理性では判断出来ない不思議だけれど、それを思いめぐらしている程、川手氏は冷静ではなかった。夢にもせよ、幻にもせよ、この残虐を黙って見ている訳には行かぬ。止めなければ、止めなければ……。
 川手氏はもう気も狂わんばかりになって、いきなり(こぶし)を固めて前の板壁を乱打し始めた。地だんだを踏みながら、声を限りに訳も分らぬ事をわめき始めた。

    啊!难道这是精神正常人干的吗?这世上不是发生了一件难以想象的怪事吗?就在这地下室的板墙对面展现着一个梦幻般的世界。
 
    那里有一间脱离现代的装饰得相当古色古香的漂亮的日本式居室,那壁龛的柱子上反绑着好像是夫妇的一男一女,女的甚至被堵着嘴。
 
    男的是个美男子,三十四、五岁,满头黑发;女的是个美女,大概二十五六岁吧,友禅绸的长衬衣领子歪歪扭扭的,古老式样的椭圆形发会的蓬乱的鬓发也显得十分妖艳。两人都好像是熟睡着的时候被叫醒并被冷不防地绑起来的,他们前面还铺着两床乱七八糟的被褥。
 
    在被绑着耸拉着脑袋的两人面前,一个高高地挖起带黑色的夹衣的下摆、光着毛烘烘的脚的、四十岁左右的彪形大汉用黑布蒙着双须,右手拿着明晃晃的匕首,像是威逼着夫妇俩。
 
 
 
 
    有很高的竹筒台的煤油灯暗淡地照出了这番奇异的情景,怎么看都不是现代的。躲藏到什么地方去的刚才的幼儿也穿着明治时代的服装,和这点联系起来考虑,只能认为一夜之间时间倒转,眼前突然出现了五六十年以前的世界。
 
    是山里的妖魔鬼怪在作祟呢?还是狐狸之类在闹着玩呢?难以想象现代会有这种通俗绘图小说一般的现象。
 
    蒙着双颊的强盗模样的男子突然开始用手里匕首的刀刃吧塔吧喀地敲打美丽的女子的脸颊。
 
    “别顽固了!交不交保险柜的钥匙?要是磨磨蹭蹭的话,你瞧,从你老婆的这张漂亮的脸蛋上就要流出鲜血来晖!很快就要变成一张惨不忍睹的脸学!来,快把钥匙交出来吧。”
 
    于是被绑着的男子气愤地瞪着眼睛,盯视着强盗的覆面。
 
    “我不是多次告诉你保险柜里尽是书,没有现金吗?刚才交给了你五十元,你就宽恕我们吧!现在我手头就这么点现金嘛。”
 
    强盗一听就哼哼地冷笑了几下:
 
    “啊,你以为我什么都不知道吧。我是早就估计保险柜里有三千元钞票而来的!哈哈哈哈,怎么样?说得一点儿也不差吧?”
 
    被绑着的男人脸上一下子露出了困惑的神色。
 
    “不,那不是我的钱,是替别人保管的。只是那份钱无论如何也不能交给你。”
 
    “你看,终于坦白了吧?是不是替人保管的,我哪能知道呀。快,把钥匙交出来!我要把那钱都拿走。啊,不交吗?要是你说不交,怎么样?这还不交吗?啊,这还不交吗?”
 
    与此同时,一声蹩住似的呻吟声传到了川手的耳朵里,原来刚才耷拉着脑袋的女人抬起头来,从嘴里的堵塞物中发出了令人毛骨悚然的恐怖的呻吟声,只见她那苍白的白蜡似的脸颊上突然延伸出一条鲜红的线来,粘糊糊的血像是墨水渗进湿纸似的眼看着从那里顺着脸颊流淌下来。
 
 
 
 
    “啊,干什么?!不要这样!不要这样!那我就把我现在所有的钱都给你。在这里,你打开这搁板橱架架下的小壁橱,那里放着手提文卷匣。那文卷巨的票夹里确实还有六百多元的现金。我都给你,请你别那么粗暴。求求你了,求求你了!”
 
    丈夫苦苦哀求道。
 
    “噢,还有那种钱呀?那就顺便把它也收下来吧!”
 
    强盗一面笑嘻嘻地说道,~面立即打开小壁橱翻找着文卷巨,把票夹中的钱全装进了腰包。
 
    这期间,丈夫十分懊丧地死盯着强盗的一举一动,但在强盗取出纸币将要站起来时,因为强盗的脸离他才一尺远,所以似乎清晰地看到了覆面中的那张真面孔,于是愕然喊道:
 
    “啊,你不是川手庄兵卫吗?!”
 
    一听这话,那强盗也像是吃了一惊似的,但从节孔里张望着的川手比强盗更是吃惊。啊,这是怎么回事?!川手庄兵卫,这名字不是跟川手先父的名字完全相同吗?像是明治时代的这番情景和被称为庄兵卫的男子的年龄完全一致。当时先父一定是刚好那么大年龄。也许是精神作用的缘故,连强盗的模样和声音都觉得与自己二十岁时去世的父亲一模一样。
 
    是发疯了吗?是在做梦吗?哪会发生这种奇怪的时间倒转呢?!年近五十的儿子竟然这样清晰地看到比自己还要年轻时候的父亲的模样,而且这父亲是小偷——不是一般的小偷,而是穷凶极恶的强盗!
 
 
 
 
    川手已经没有闲心眺望另一世界的景色了,他把眼睛紧紧贴在板墙上,被一种仿佛窥探自己心中的秘密、越是害怕越想看的异样的兴奋吸引了过去。
 
    被叫作川手庄兵卫的强盗先是露出吃惊似的样子,但立即厚颜无耻地笑了起来:
 
    “哈哈哈哈哈,被你察觉出来那也没有办法,我就是那个川手,受你岳父雇佣的川手。但你何必那样神气呢!原来你我不都是山本商会的佣人吗?可你不是用你那副扁平的脸巧妙地勾引了这个老板的独生女满代,甚至进门当了继承家业的养子吗?虽说是财产,原来都是死去的山本这个老板的,你却像自己的东西似的随意使用,这简直叫人气死了!”
 
    “哈哈!这么说来,川手,你对这个满代成了我的人至今还根之入骨呀。你是为了复仇才这样胡来的吧?”
 
    “当然罗!这遗恨我无论如何也忘不了的!刚好距今八年前,正如你也知道的,我挪用了一点点店里的钱,呆不下去逃走了,我这样做也是因为被你夺走了心上人满代而自暴自弃的缘故。从那以后我逃到朝鲜,待事情平静下来回来一看,山本老板去世了,你神气十足地当上了老板。生意越来越兴隆,社会上尽在议论说:山本找到了一个好女婿。可恶的你们夫妻俩这样满身绫罗绸缎舒舒服服地过着日子,可我在朝鲜计划的山里活也遭到了惨败,身边又有老婆孩子,处境如同乞丐一样。出于无奈,前些日子忍气吞声地到你店里想要点钱花花,可你待我极其冷淡,不,不仅如此,竟在许多店员面前数落我以前干的坏事,让我当众出丑。只要满代当时依了我,现在我就当上了山本商会的老板,就能自由支配几十万的财产了。一想到这点,我怎能不恨老天爷呢!你我的运气天壤之别,我真窝心呀!哎,管它去呢!反正我是被老天爷遗弃的人,要是一本正经的话,一辈子就得过乞丐一样的凄惨生活,所以想干脆让这一生变得粗一点短一点,也该你恶贯满盈了。随后我探了一下情况,摸清刚好今天有三千元现金装进了你自己家里的保险柜,所以一直盼着这一天。喂,快把保险柜钥匙交出来吧!”
 
    强盗喋喋不休地~说完历史剧似的台词,就又用沾满血迹的匕首令人毛骨悚然地吧略吧嘈地敲打着被称为满代的妻子的脸颊。
 
    “川手,你可不要把好心反当成歹意呀!我并不是硬从你手里夺走满代的,她父母看上了我,我们是完全按顺序结婚的。我没有做过要让你记根在心、说长道短的事。快,你快给我回去!磨磨路路的话可对你不利呀!”
 
    老板山本尽管被剥夺了身体的自由,但并没有示弱。
 
    “哈哈哈哈哈哈,用不着你操这份心。女佣人们都绑了起来,嘴里还塞着东西,而且这又是偏僻郊外的独所房子,所以不管你们怎么喊叫也没有人来救你们的,连警察巡逻的时间我都老早调查好了。快交出来,要是不交的话……”
 
    “你要怎么样?”
 
    “要这样。”
 
    又是一声让人打冷颤般的呻吟声。满代的脸颊上又刷地拖出两条线来,鲜红的血巴贴巴啦地滴落到铺席上。
 
    “等等,等等!”丈夫扭动着身体,声嘶力竭地喊道,“我交钥匙。虽然是人家寄存的钱,可满代是什么东西都换不到的。钥匙在隔壁房间保险柜旁边的橱子里。在从上数起第三个小抽屉放宝石的银匣子里。”
 
    “哦,说得好。那字码呢?”
 
    “喂,我在问你字码呢!”
 
    “唉,真没有办法。是米茨哟三个字。”
 
    强盗心情痛快地望着咬牙切齿地悔恨的老板,说道:
 
    “暗暗,连保险柜的暗号都是满代呀,净愚弄人!好,那我去隔壁房间,在这期间你可要老老实实呀!要是发出一点声音什么的,就没有满代的命啦!”
 
    强盗用凶狠的口吻说罢就去隔壁房间了,过了片刻手里拿着用小绸巾包着的像是钞票一样的东西笑着回来了。
 
    “确实拿到了。这么一笔巨款可是久违学!不坏啊……这下事情也办妥了,本想跟你说句再见,可这不行,还留着重要的事情没有做呢!”
 
    “啊?!还有事情?”
 
    老板山本吃惊似地瞪着强盗的覆面。
 
    “今晚我是来向你们两人报仇的。这就是说,这方面的事情还没有办呢!”
 
    “那么,你拿了钱以后还要……”
 
    “嗯,要是先杀了就打不开保险柜了嘛。”
 
    “啊?!杀了?”
 
    “哈哈哈哈,害怕吗?”
 
    “你是说要杀我?”
 
    “是的。杀你,再杀你的宝贝满代。”
 
    “为什么?为什么要杀我们?你不是拿到了一笔巨款吗?难道这还不满足吗?”
 
    “不过还是得杀了你们呀。你想想,我一离开这个家,你马上会说出我的名字,向警察署告发吧。这样,我不是连花这笔好不容易到手的钱的时间都没有了吗?喂,美男子,怎么样?不是这种道理吗?你多管闲事,识破了我的真相,也该你气数尽了。你就死了心,就算是自食其果吧。不,不只是如此,即使你们没有识破我,但看到你fll夫妻俩这样和睦,我哪能默默地回去呢!这是报八年前的仇,不,这是报八年前到今天一刻也没有忘过的情仇!你也可恶,但满代更可恶。正因为我热恋过,所以更让我体会到她的可恨。”
 
    强盗一面笑嘻嘻地说着一面又把沾满血迹的匕首放在满代的脸颊上。
 
    “等等!川手,我绝对不说出你的名字。我发誓,决不向警察署告发。那三千元钱决定以我的自由意志赠送给你。所以我说,川手君,你就饶恕了我们吧,这条命你就救了我吧!求求你。”
 
    山本边说边扑簌簌地掉着眼泪。
 
    “呼君,你也决不会是鬼吧,你要体谅我的心情。我是个走运的人,满代待我好,两个小孩子正是活泼可爱的时候,生意也很顺利,我处在最幸福的时刻,还留恋这个世界。不能瞑目,撇下这可爱的孩子和事业,死也不能瞑目。川手君,你要体谅我,看在过去师兄弟的情份上救救我吧。我求求你了!作为报答,我决不亏待你,打算今后也尽量帮助你。”
 
    “哼,你还是那样会说话呀!抢走了女人,尽为自己打算,还谈什么过去的师兄弟情份,我可不会上你这种花言巧语的当的!若是有闲工夫说这种话,去念念佛好了!”
 
    “那就无论如何也不饶恕我了?”
 
    “真晖瞟!饶恕还是不饶恕,事实胜于雄辩,你看看这个好了。”
 
    强盗冷不防地将匕首插向满代的胸膛……
 
    川手再也看不下去了。男女两人将要被杀害,就是闭上眼睛也能听到临终的悲痛的呻吟声。
 
    一想到那样凶残的人是自己的先父,川手格外受不了。虽然比自己年轻的父亲出现在眼前凭理性是不能判断的,但);D手毕竟没有冷静到沉思细想的程度。梦也好,幻影也好,反正不能对这惨无人道的行为袖手旁观。得阻制他!得阻制他……
 
    川手已经快要疯了,他突然纂紧拳头,开始乱打前面的板壁。他一面顿足捶胸,一面声嘶力竭莫名其妙地喊叫着。
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