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透明怪人-空房子里的怪物

时间: 2021-11-14    进入日语论坛
核心提示:空家の怪 警察署から、警視庁に電話でといあわせますと、透明怪人事件のかかりの中村係長が、明智事務所にとまっていることが、
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空家の怪


 警察署から、警視庁に電話でといあわせますと、透明怪人事件のかかりの中村係長が、明智事務所にとまっていることが、わかりましたので、また、そこへ電話をかけ、中村係長はすぐに、かけつけてくることになりました。
 まもなく、警察署長と明智探偵とが、まっているところへ、中村係長はふたりの刑事をつれて、自動車でやってきました。
「おお、明智君、ぶじだったか。よかった。よかった。で、あいつは、その焼けビルの中にいるんだね。」
 中村係長は名探偵の手をにぎって、よろこびのことばをのべました。
「ぼくが逃げだしたことを、気づいたとすれば、おそらくもう手おくれだろう。しかし、すぐにあのビルを包囲してくれたまえ。むろん、ぼくが案内するよ。」
 明智も係長の手をにぎりかえして、答えました。
「よし、出かけよう。だが、きみはその焼けビルの中で、おくさんにあわなかっただろうね。」
「え、おくさんって、文代のことかい。」
 明智がびっくりしたように、係長を見つめます。
「うん、じつに申しわけないことをしたんだ。文代さんをさらわれてしまった。くわしいことは、あとで話すが、ぼくと黒川君と小林少年と、三人で文代さんをまもっていたんだが、何者かが、ぼくにねむりぐすりのはいったコーヒーをのませた。それでグッスリねこんでいるあいだに、文代さんのすがたが、見えなくなってしまった。そればかりじゃない。黒川君も小林少年も、すがたが見えない。ひょっとしたら、ふたりは文代さんのあとを追っているのかもしれないが、ぼくがでかけるまでにはかえってこなかった。ちょうどそのとき、見はりの刑事たちは、へんな道化師にさそいだされて、きみのうちの裏口をはなれていた。そのすきに文代さんをさらっていったのだ。」
 中村係長は、にせものの中村係長と黒川記者が、文代さんを自動車でつれだしたことも、小林少年が、その自動車の下へ、ブリキカンをとりつけたことも、まだ知らないのです。
「ぼくはすこしも知らなかった。しかし、ぼくにあわせないように、あのビルのどこかへ、とじこめたのかもしれない。いそいでくれたまえ。文代をたすけださなければならない。」
 明智は、さきに立って、警察署の玄関へ、かけだしていきました。
 それから十分とたたないうちに、署長と中村係長にひきいられた警官隊が、焼けビルの中へ、ふみこんでいました。明智探偵は案内役として、まっさきにすすんでいます。
 警官たちが、手に手にふり照らす懐中電灯の光が、小さな探照灯(たんしょうとう)のように、まっくらな洋館のすみずみを、あかるくしました。しかし、人かげはもちろん、道具らしいものもない。空屋のような部屋ばかりです。
 一階から二階、三階と、くまなくさがしまわりましたが、何もありません。だれもいません。三階建ての大きなビルの中は、まったくからっぽになっていました。すばやい怪老人とそのなかまは、このすみかをすてて、どこともしれず、すがたをくらましてしまったのです。
 もうさがすところもないので、警官隊は一階におりてきました。明智はやはり、そのせんとうに立って、まっくらな廊下を、あるいていましたが、とつぜん、ふっと立ちどまって、まえのくらやみを、じっとみつめたかと思うと、やにわに、そのほうにむかって、かけだしました。
 廊下のかどを一つまがると、そこはもう、しんのやみです。そのやみの中に、何か黒いものが、ヒラヒラと動いているのが、感じられます。明智はそれにむかって、とびついていきました。
「ワッ。」というような声がひびき、バタンとおそろしい音がしました。
 明智をおって、かけつけた警官たちの懐中電灯が、いくすじも、パッと、そこを照らしました。明智が上になって、何か黒いものを、おさえつけています。黒いダブダブの外とうのようなものをきた人間です。そいつが、明智をはねかえそうとして、グッと顔をあげました。おお、四角なメガネ、白いあごひげ、怪老人です。悪魔の首領です。明智はみごとに、この大敵を、とっておさえたのです。
 こちらには、おおぜいの警官がいます。もう逃げようとて、逃げられるものではありません。怪老人は、たちまち手じょうをはめられ、そのまま、ひったてられてしまいました。
 怪老人はどうして、こんなへまをやったのでしょう。いくらも、逃げだすひまがあったのに、なぜビルの中にぐずぐずしていたのでしょう。そして、あいてが、いかに名探偵とはいえ、こんなに、やすやすと、つかまってしまったのは、なんだかへんではありませんか。
 しかし、透明怪人の首領をとらえたうれしまぎれに、だれも、そこまでは気がつきません。すぐさま、中村係長のさしずで怪老人は自動車にのせられ、警視庁にごそうされました。さてこれから、いよいよ、なんとも形容のできない、ふしぎなことが、やつぎばやにおこるのです。

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