日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

铁塔王国的恐怖-驾驶台的怪物

时间: 2021-11-22    进入日语论坛
核心提示:運転台の怪物 小林君と広田青年が、地下室で、こんな話をしていたころ、一方、高橋さんのおうちの玄関に、ひとりの紳士が、おと
(单词翻译:双击或拖选)

運転台の怪物


 小林君と広田青年が、地下室で、こんな話をしていたころ、一方、高橋さんのおうちの玄関に、ひとりの紳士が、おとずれていました。もうひとりの書生の青木が、とりつぎに出ますと、
「ぼくは明智小五郎です。おつかいがあったので、おじゃましました。」
 というのでした。青木が、奥へそれをつたえますと、主人の高橋さんは、大よろこびで、明智となのる紳士を応接室にとおしました。
「やあ、よくおいでくださいました。新聞などの写真で、お顔はよく知っています。つかいのものからおききくださったでしょうが、わたしの次男の小学校四年生の子どもが、カブトムシにねらわれているのです。先生のお知恵で、なんとか、子どもを助けていただきたいと思いまして。」
「それは、うかがいました。ぼくのところへ、つかいにみえた書生さんは、もう帰っているのでしょうね。ちょっと、ここへよんでくれませんか。」
 明智探偵は、ソファーにゆったりともたれて、タバコに火をつけながら、いうのでした。
「いいえ、書生の広田は、まだ帰りません。先生といっしょじゃなかったのですか。」
「いや、書生さんは、ぼくが、じきにおうかがいするというと、よろこんで、いそいで帰ったのです。自動車で帰るといっていましたから、まだつかぬというのは、へんですね。」
 高橋さんは、書生の青木をよんで、広田をさがさせましたが、どこにもいないことがわかりました。
「へんだなあ。まさか、こんなさいに、より道なんかしているはずはないが。先生よりも、よほどまえに、おたくを出たのですか。」
「そうですね。ぼくよりも三十分ほどまえにです。電車にのったとしても、とっくに、ついているはずです。これは、ひょっとしたら……。」
「え、なんとおっしゃるのです?」
「カブトムシの怪物団のために、さらわれたのかもしれませんよ。大カブトムシが、賢二君の部屋へしのびこむのを、さいしょに発見して、さわぎたてたのは広田君でしたね。そのふくしゅうかもしれませんよ。」
 あのがんじょうな広田が、くもなく、さらわれたとすると、かよわい賢二少年など、いつさらわれるかしれたものではありません。高橋さんは、もう心配でたまらなくなってきました。
「先生、広田がさらわれたとすると、いよいよ、すててはおけません。賢二をたすけてください。なんとか、うまい方法はないでしょうか。」
「そうですね。ともかく、賢二君を、ここへよんでみてくれませんか。」
 高橋さんは、また書生の青木をよんで、賢二君を応接室へ、つれてこさせました。
「やあ、きみが賢二君ですか。おじさんが来たから、もうだいじょうぶですよ。さあ、もっとこちらへいらっしゃい。」
 明智はニコニコしながら、賢二少年をまねいて、その肩へ手をかけました。しかし、手をかけたかとおもうと、探偵は、はっとしたように、きびしい顔になりました。
「賢二君、ちょっと、そちらを、むいてごらんなさい。きみの背中に、なんだか、はっている。」
 賢二少年が、きみわるそうにして、うしろをむくと、その学生服の背中に、黒い大きな虫が、モゾモゾと、うごめいていました。
「あっ、ドクロのもようだ。」
 書生の青木が、とんきょうな声をたてました。それはドクロもようの、一ぴきのカブトムシだったのです。
 明智が、サッと手ではらうと、カタンという音をたてて、妖虫は、床に落ち、あおむけになって、ぶきみな足をモガモガやっていましたが、そのうちに、クルッと、ひっくりかえって、そのまま、部屋のすみのほうへ、かけだしていくのでした。
 賢二少年はもちろん、おとうさんの高橋さんも、顔色をかえていました。
「まえぶれだ。あいつが、やってくるというまえぶれだ。明智さん、もうぐずぐずしてはいられません。はやく、なんとかしなければ……。」
 高橋さんは、いまにも、あのおそろしい大カブトムシが、窓からしのびこんでくるのではないかと、うしろを見ながら、おびえたように、いうのでした。
「広田君が、帰ってこないことといい、いまのカブトムシといい、どうも、このまますててはおけませんね。」
 明智はそういって、しばらく考えていましたが、
「高橋さん、東京都内に、ごしんせきがあるでしょう。いちじ、賢二君を、しんせきにでも、おあずけになっては、どうでしょうか。さいわい、ぼくの自動車がおもてに待たせてありますから、あなたと賢二君とが、人目につかぬように、いそいで、それにのりこむのです。ぼくも、いっしょにのります。そして、あなたのさしずなさるところへ、車を走らせるのです。」
 高橋さんは、賢二君を、ここのうちにおくのも心配だし、といって、外へつれだすのも、なんとなく、気味がわるいとおもいましたが、こういうことには、なれている名探偵が、くりかえしすすめるので、ついその気になりました。そこで、高橋さんは、奥さん(賢二君のおかあさん)とも、相談したうえ、賢二君を、下谷(したや)のしんせきにあずける決心をしたのです。
 書生の青木に見はらせておいて、高橋さんと賢二君と明智探偵は、すばやくおもての自動車にのりこみました。高橋さんが、小声で、行くさきをいいますと、自動車はすぐに走りだしました。
 高橋さんは、自動車のうしろの窓から、しばらく、町をながめていましたが、だれも、あとをつけてくるようすはありません。あとから、走ってくる自動車もありません。このぶんなら、まず安心だと、そっと、胸をなでおろすのでした。
 しばらくすると、高橋さんは、タバコが吸いたくなりました。和服の両方のたもとをさがしましたが、たしかに入れておいたはずのピースの箱がありません。賢二君を、まんなかにはさんで、むこうのはしに、こしかけていた明智探偵が、そのようすに気づいて声をかけました。
「高橋さん、タバコならここにあります。さあ、ごえんりょなく。」
 それは西洋の葉巻きタバコでした。高橋さんはタバコずきで、ことに葉巻きは大好物でしたから、それをうけとって、火をつけると、スパスパとやりはじめました。
「いかがですか、その味は? ぼくはタバコだけは、ぜいたくをしているのですよ。」
「いや、けっこうです。ひさしぶりに、うまいタバコを吸いました。ありがとう。」
 走る自動車の中には、むらさきの煙が、もやのように、ただよい、葉巻きのさきが、だんだん白い灰になっていきました。
 それから五分ほど自動車が走ったころ、高橋さんの口から、半分ほどになった葉巻きが、ポロッと、座席の床に落ちました。となりの賢二君が、びっくりして、おとうさんの顔を見ますと、おとうさんは、うしろのクッションに頭をグッタリとよせかけて、かすかに、いびきをたてて、眠っているのでした。
「おとうさん、おとうさん。」
 賢二君が、いくらゆり起こしても、目をさますようすがありません。なんだか変です。こんな場合に眠ってしまうなんて、日ごろのおとうさんらしくもありません。
「賢二君、いくらよんだって、おとうさんは、起きやしないよ。」
 明智探偵が、いままでとは、ちがった、らんぼうなことばでいいました。
「なぜです。なぜ起きないのです。」
 賢二君は、なんだかギョッとして、ききかえしました。
「葉巻きをのんだからさ。あの葉巻きにはね、麻酔薬が、しこんであったのだよ。ハハハハハ。」
「だれです? おじさんは、だれです?」
 賢二君は、むちゅうになって、さけびました。
「わからんかね。賢二君、ほら、ちょっと、前を見てごらん。」
 ぶきみな声に、おもわず、まえの運転席を見ました。
「あっ……。」
 賢二君は、おそろしいさけび声をたてたかとおもうと、いきなり、眠っているおとうさんにしがみついて、そのひざに、顔をかくしてしまいました。
 運転席には、なにがいたのでしょう。いままで人間だとばかりおもっていた運転手が、いつのまにかおそろしい姿に、かわっていたのです。
 そいつには、おそろしく長いツノがありました。まっ黒な背中には、大きながい骨の顔が、こちらを、にらみつけていました。ああ、この自動車は、あのおそろしい妖虫が運転していたのです。
 そいつが、長いツノをふりたてて、グッと、こちらへ、ふりむきました。おさらほどもある、大きな二つの目が、怪光(かいこう)をはなって、賢二君を、じっと、みつめました。


轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: