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蛇神5-7-11

时间: 2019-03-27    进入日语论坛
核心提示:     11「生き贄《にえ》の儀式ィ?」 鏑木浩一の話を聞き終わったあと、高野は信じられないという顔で聞き返した。「この
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「……生き贄《にえ》の儀式ィ?」
 鏑木浩一の話を聞き終わったあと、高野は信じられないという顔で聞き返した。
「この平成の世に? まじっすか? しかも、その生き贄になるのが、今年四月に埼玉で誘拐された近藤さつきとかいう幼女かもしれないなんて……」
「それを確かめるために、おまえらの力が必要なんだよ」
「確かめるって、まさか、その蛇ノ口とかいう沼の近くに潜んで……?」
 高野はおそるおそる聞いた。
「そうだ。待ち伏せするんだよ。いいか。俺の考えた計画を詳しく話すとこうだ」
 鏑木は声を一層低めて続けた。
「聞くところによると、神官どもが社を出て蛇ノ口に来るのは、七日の午前一時頃らしい。本来は六日の予定だったが、一日ずれこんだんだ。宮司から内々のお達しが回ってきたのを、ここの住職がうっかり俺に漏らしてくれたんだよ。そこで、事前におまえのワゴンを使って、そこまで行き、ワゴンを人目につかない所に停めておく。それで、俺たちは蛇ノ口のどこかに身を潜めて、奴らが来るのをじっと待つ。ここまではいいか?」
「はい」
「役割分担を言うと、まず、ビデオ係が一人。事の一部始終を映して物的証拠とするためだ。口で話しただけじゃ、誰もこんな話まともに信じる奴はいないからな」
「それ、俺ですね」
「いや、俺がやる」
「え。でも……」
「安心しろ。撮ったビデオのテープは後でおまえに渡すから。場合によっては大スクープだ」
「じゃ、俺は……?」
「おまえの役目は、後の二人同様、生き贄救出係だ」
「生き贄救出係……」
「神官どもが生き贄の幼女を沼に沈めようとしたまさにその瞬間に、飛び出して行って、奴らの手から幼女を救い出す。そして、救い出したら、すぐに停めておいたワゴンに飛び乗って、そのまま逃走する。救い出した幼女が埼玉で誘拐された近藤さつきだったら、俺たちは一躍にして警視総監賞ものの国民的ヒーロー、近藤さつきではなくて、村の子供だったとしても、いたいけな幼女の貴い命を一つ救ったことになる」
「……乱闘って、もしかしたら、そのときに……?」
「当然、それは予測されるだろう。大事な神事の主役を奴らがハイドーゾと素直に渡すわけがない。敵も必死で守ろうとするはずだ。そこで乱闘になる恐れがある。ここは腕力に物言わせて奪取しなければならない」
「あ、そうか。だから、腕っ節の強い猛者……。だとすると、あの丸山は使い物になりませんね。動き鈍そうだから逃げ遅れて、足手まといになる恐れがあります」
「まあ、しかたがない。攻撃力には使えないが、この際、あのデブは防御力として使おう」
「防御力?」
「うむ。あの巨体をひたすら盾に使う。おまえと中西は、神官どもと戦って、危なくなったら、あのデブの背後にさっと隠れろ。それで、敵がデブを攻撃している間に鋭気を養って、再度戦う」
「……」
「あるいは、敵が強すぎて、これ以上戦うのは無理だと判断した場合は、デブをその場に放置してさっさと逃げる。デブの動きの鈍さを逆に利用するんだよ」
「……」
「もたもたしているデブの巨体につっかえて、敵の出足が遅れる。その隙に、俺たちはワゴンに飛び乗り、まんまと逃走てなわけだ」
「でも、そうなったら、置き去りにされたデブ……じゃなかった丸山はどうなるんです? 下手すると敵に捕まって」
「どうなるかは神のみぞ知るだ」
「……」
「まさか、奪取された幼女の替わりに、底無し沼にドボンなんてことは……」
「俺が神官だったら、それはしないね」
「なぜです?」
「考えてもみろ。愛くるしい幼女ならともかく、あんなむさくるしいデブを生き贄にされて、ここの蛇神が喜ぶと思うか?」
「……」
「幼女とデブじゃ、ぼたもちと馬糞《ばふん》くらいに違うぞ。おまえならどうするよ?」
「ペッて吐き出します。そのあと、神官どもにバチあててやります」
「だろ? 神官どもだって、そのくらいの知恵はあるさ。祟《たた》り神喜ばせるための生き贄儀式で怒らせてどうするんだよ。まあ、何事も前向き、ポジティブに考えよう。人間、死に物狂いになれば、火事場の馬鹿力というやつが出るらしい。丸山君も運がよければ、自力で助かるだろうさ」
「そうですね」
「ただ、戦略の細かいことまで、丸山には話すなよ。怖じけづいて行くの嫌がるかもしれないからな。おまえの役目は安全なビデオ係だとか適当に言っておけよ」
「あ、適当ってそういうことか。わかりました。で、その相手の神官って、何人くらいいるんですか」
「詳しくは分からないが、神輿《みこし》かついで来るのは四、五人ってとこかな。行列作ってぞろぞろということはないと思うが」
「四、五人ですかァ。うーん。人数的には微妙ですね。まあ、でも、先輩の話では、いずれも女みたいなひょろひょろした生っ白い奴ばかりってことでしたからね。そんなのばかりだったら倍いてもどうってことないですよね」
「……うん、それがな」
 鏑木の顔が俄《にわか》に曇った。
「そうでもないらしい……」
「そうでもないって?」
「それがな……けっこう強いらしい」
「え……強いって」
「いや、その相手の神官どもが」
「で、でも、電話では、先輩、女みたいなひょろひょろだって……」
「うむ。一見そう見えるんだよ。俺が見た限りでは、ここの神官ってのは、そろいもそろって色白の優男というか、そんなのばかりで。でも、おまえに電話したあとで、情報が入ってきてな……」
 鏑木はいいにくそうに続けた。
「あそこの神官たちは、見かけほど弱くはないらしいんだ。皆、剣道をはじめ武道の心得があるとかで、日ごろからけっこう鍛えているらしいんだよ」
「え、そんなァ」
「でも、まあ、心配するな。敵もまさか、俺たちが潜んでいるとは夢にも思ってないだろうから、神事をやるのに鎧《よろい》カブトで武装してくるわけないしな。せいぜい、もっていたとしても、他の神事で使ったような榊の杖《つえ》くらいのものだろう。素手で戦うのに不安があるなら、こっちからはバールとか角材とかトンカチとか武器になりそうなものを持参していけばいいじゃないか」
「……」
「ようするに、弱そうに見えるからって、あまり油断するなってことだよ」
「はぁ」
「なんか質問あるか」
「別に……」
「そうか。じゃ、決行の時まで鋭気を養うためにも、のんびり温泉にでもつかって旨いものでも食っておけよ」
「はぁ」
「特に丸山には旨いもんたらふく食わせてやろう。あいつにとっては最後の晩餐《ばんさん》になるかもしれないからな」
「……」
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