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金子信雄の楽しい夕食1-4

时间: 2019-03-28    进入日语论坛
核心提示:    しょっつる鍋〈秋田〉 一年のうち、半年を仮寝の宿で暮す私は、せめて、正月三ヶ日は自宅で静かに過したいと思う。だか
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     しょっつる鍋〈秋田〉
 
 一年のうち、半年を仮寝の宿で暮す私は、せめて、正月三ヶ日は自宅で静かに過したいと思う。だから、無理をしても東京に帰るようになる。多くの人は、正月の休みを|外《そと》|出《で》でのバカンスを楽しむのだろうが、私は、その逆である。
 そんな私でも、仕事の都合でママ、我が家を離れて正月を迎えることがある。それは、舞台かテレビで東京を離れていて、帰るに帰れないときだが、|街《まち》|中《なか》やホテルで一家団欒のさまを見ると、ちょっと淋しい気持ちになり、家に電話をかけ、子供を呼び出して、ルームで酒を飲みながら長話をしたりする。
 これが、年の暮れに旅先から東京に帰るとなると勇ましい。その土地の|美《う》|味《ま》いものをしこたま仕入れ、|担《かつ》ぎやよろしくの姿で帰ってくる。若しそれが京都からだったりすると、錦市場の目ぼしいもの大方が我が家の正月の食卓を賑わすから、家中の者に歓迎されるサンタクロースである。
 面白いことに、私のように日本全土を歩くと、自然、縁不縁の土地が出来る。一例を挙げると、ロケーションで一月半も北海道網走市で仕事をし、帰って来たら、次の仕事が又、網走行きだったことがあった。不縁の例を挙げると、秋田県である。竿燈祭に何度か誘われ、私も出掛けるべくスケジュールを調整するのだが、かならず間際になって差し障りがでてくる。映画やテレビの仕事のときも、何故か駄目になるジンクスのようなものがあった。それが思いもかけず、十一月、文化の日にゴルフの招待をうけた。そして、待望の秋田行きが実現された。
 私が、秋田に行きたかったのは、本場のしょっつる鍋が喰べたかったためで、時季としても十一月は良かったようである。東京での秋田料理は、戦後昭和二十六、七年から、新宿の酒亭“秋田”へ通い、知り過ぎるほど知っている。それだけに、がっこ(漬物)ひときれにしても地のものが喰べたかったのだ。
 その、私の年来の夢は果され、私は大いに満足した。そして私は、自家製しょっつる汁の原液を手に入れ、ときどきしょっつる鍋を楽しんでいる(汁は瓶詰をデパートで売っている)。
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