新にんにくの出盛りも五月の末から六月である。私は、にんにくオイル、にんにく酒、にんにく醤油を作る。
にんにくオイルは、新にんにくの外皮をむいて微塵に刻んで瓶に入れ、オリーブ油かサラダ油を被るくらいに入れる。ただそれだけのことである。冷蔵庫に二週間ほど寝かせてから使う。使い減りしたら、オイルやにんにくを足していく。
にんにく酒は、梅酒の要領で作る。このとき、月桂樹の葉を一、二枚入れてやる。レモンのスライスを入れるときもある。この場合、レモンのスライスは一月ぐらいで取り出す。
にんにく醤油は作っておくと便利である。にんにくの皮をむき、|笊《ざる》にならべて軽く塩をふり三時間ほど置くと、にんにくが汗をかく。乾いた布巾かペーパータオルで水気をふいてから瓶に入れ、醤油をにんにくが指|一《ひと》|節《ふし》ほど被るくらい入れる。私は醤油に日本酒を一割くらい入れる。
他に土生姜を皮つきのまま泥をよく落として半個分ほどスライスして乗せ、出し昆布の上物七〜八センチ角のものを置く。二か月ほどでにんにくを食べることが出来るが、一年でも二年でも置いておく。私の家には十年ものがある。ただし、古いものは醤油の気が抜けるので、使うときは新醤油と混ぜて使う。
にんにくは古いものほど味が出る。玉子入りにんにく焼飯はまさに絶品である。