日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

寝台急行銀河の殺意1-8

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: 通報を受けた横手北署では、刑事課長以下十人の捜査員を出動させた。 二台のパトカーと、一台のジープが、枯れ田の中の国道13
(单词翻译:双击或拖选)
 通報を受けた横手北署では、刑事課長以下十人の捜査員を出動させた。
 二台のパトカーと、一台のジープが、枯れ田の中の国道13号線を突っ走って、『藤森アパート』に到着したのは、午後七時半頃である。
 パトカーを川の近くにとめ、畦道を通って古いアパートに一歩足を踏み入れたとき、
「何だ、これは」
 刑事課長が思わず吐き捨てたのは、室内が、アパートの外観にも増して、殺風景だったせいである。
 生活の匂いといったものが、まったく感じられない部屋だった。食べ残しの納豆などが載っている折り畳み式の小さい食卓と、マイクロテレビがあるのみで、家財道具は何一つ見当たらない。
 壁にかかっている濃紺のスーツは新品で、一応の仕立てだが、ネームの縫い取りはなかった。
 押し入れの寝具も一組だけで、ろくな着替えもなければ、身元を証明するようなものは、何も出てこない。
「所持金は、二十八万九千二百円です」
 と、報告したのは、押し入れから発見されたアタッシュケースをチェックしていた刑事である。アタッシュケースの中には、その現金と、半月前の週刊誌が一冊入っていただけだ。
「このホトケさん、どういう人間なんだ?」
 刑事課長は、もう一度首をひねった。
 だが、何もない部屋であるだけに、現場検証は、てきぱきと進んだ。
 そして、床に転がっていたスコッチのボトルから、青酸反応が出た。
 死因は、シアン化合物による服毒死。遺体は一部腐敗しており、死後数日を経過していると見られたが、詳しい死亡推定時刻は、司法解剖の結果を待たなければならなかった。
 しかし、事件《やま》が殺人《ころし》であることは、この場で断定された。
 殺人と断定した根拠は、スコッチのボトルとか、電灯のスイッチなどの指紋が、きれいにふき取られていたためである。
 たとえば、これが自殺であったとしたら、青酸化合物が混入されたスコッチの、ボトルに、千葉の指紋が遺留されていなければ不自然だ。
 指紋が消されている事実は、千葉の死後、第三者が室内に存在したことを意味している。その影の人物、イコール犯人が、自分の指紋と同時に、千葉の指紋も消して行った、ということになろう。
 嘱託医と鑑識課員が、現場で慌ただしい動きを見せている頃、家主は、アパートから離れた自宅で、刑事の事情聴取に応じていた。
 細かい経緯を家主に尋ねたのは、ベテランと若手、二人の刑事だった。
 ベテランは横手北署刑事課捜査係主任の山岡《やまおか》部長刑事、四十七歳であり、山岡とコンビを組む原《はら》は二十九歳、今年四月の異動で私服になったばかりの、文字どおりの新人だ。
 いかにも苦労人ふうな山岡が、気さくに話を聞き出し、横に控える原が、警察手帳に要点を書きとめるという、いつもながらの態勢だが、しかし、家主は、ただ一人の間借人について、詳しいことを承知していなかった。
 千葉は、十一月二十一日の入居だったのである。まだ十日しか経っていない。
 しかも、賃貸契約は、一ヵ月の約束だったという。
 室内が、殺風景にがらんとしていたのは、短期入居のためか。
「千葉さんは、秋田の人間ですか」
「いいえ。東京の人ですよ」
「東京の人間が、何の目的で、一ヵ月だけ部屋を借りたのですかな」
「さあ、そんなことまでは聞いていません」
 家主の返答は要領を得なかった。千葉の職業とか年齢もはっきりしなかったし、賃貸契約書を見せて欲しいと頼むと、
「すべて、松葉《まつば》不動産にお任せしてあるでな」
 契約書は手元にない、と、家主は言った。家主が一任しているのは、バスターミナルの裏手にある、一間間口の小さな不動産屋だった。
 山岡部長刑事は質問を変えた。
「千葉さんは、二十一日に越してきたと言いましたね。大家さんが、千葉さんを、最後に見たのはいつでしたか」
「最後も何も、会ったのは、入居のとき一度だけです」
「じゃ、呼び出し電話がかかってきたのも、今夜が初めてですか」
「ああ、かかってきたこともなければ、千葉さんが借りにきたこともない」
「しかし、アパートにじっと閉じ込もっていたわけではないでしょう」
「田圃《たんぼ》の向こうに下りて、川端から町へ出て行くと、こっちからはよく見えんでなあ」
 家主は困ったような顔をした。
 千葉の部屋以外はすべて空室だから、(家主がこんな状態では)目撃者の線から千葉の生存日をチェックするのは難しい。指紋を消していった訪問者も、簡単には浮かんでこないだろう。
「でも、夜は、毎晩帰っていたはずですよ」
 と、家主は言った。
 裏付けは、アパートの部屋に明かりがついていたことだった。
 しかし、それは、千葉の生存を意味しない。現に今夜だって、(千葉は何日か前に他界しているのに)部屋の電灯はついていたではないか。
 千葉の死後、電灯は夜も昼もつけっ放しだったのに違いない。
 家主に対する事情聴取は、そこまでだった。
 山岡部長刑事と原刑事は、一足先に現場を離れ、バスターミナル裏の『松葉不動産』へ向かった。
「この男、何の目的で、横手にアパートを借りたのだろう? どうもよく分からんホトケだな」
 ベテラン部長刑事は、刑事課長と同じようなつぶやきを漏らしていた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%