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寝台急行銀河の殺意2-4

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: 横手北署の捜査本部に、山岡部長刑事からの報告電話が入ったのは、午前十時だった。「ご苦労さん、部長刑事《ちようさん》の見
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 横手北署の捜査本部に、山岡部長刑事からの報告電話が入ったのは、午前十時だった。
「ご苦労さん、部長刑事《ちようさん》の見込みに狂いはなかったわけだね」
 受話器を持つ刑事課長の声は、電話をかけてきた山岡にも増して弾《はず》んでいた。
 身元は割れたが、白井が「千葉」と名乗って横手に潜《ひそ》んでいた背景が何であるのか、詳しい経緯は、東京営業所では分からない。
「ホクエツは、仮設ハウスの販売とリースを主にしているプレハブ建設の会社で、業界では大手だそうです」
 山岡は、順序を立てての説明に入った。
「営業所は首都圏の他に関西、九州などで十六を数えるそうですが、東北にはまだ進出していません」
 株式会社『ホクエツ』の本社は横浜だった。白井保雄は横浜本社の経理課で、主任のポストを与えられている。
 経理課には、課長の下に四人の主任がおり、白井の担当は首都圏だった。
 白井は、年度替わりのときなど、一日置きに、東京営業所勤務のつづくことがあった。その東京勤務を利用して、営業所と目と鼻の先の歯科医院に通った、ということらしい。
「東京まで来ているのですから、電話尋問ではなく、直接、ホクエツの横浜本社へ行ってきます」
 山岡は横浜出張の許可を求めてきた。もちろん、刑事課長にも異存はなかった。
 一通りの報告が終わったところで、電話は署長に代わった。署長も、山岡のスピーディーな捜査を評価し、
「込み入ったことになるかもしれないな。ここは一つ、神奈川県警に協力を要請しよう」
 自分自身に言い聞かせるように、つぶやいた。
 込み入った捜査になるかもしれないと考えたのは、事件が、秋田、東京、神奈川と跨《またが》ってきたためだった。それに、もしも、『ホクエツ』というプレハブ建設会社が絡んだ殺人であるなら、『ホクエツ』の営業所が置かれている関西や、九州地方にも波及してくるかもしれない。
「神奈川県警には、すぐに連絡をとる。横浜へ着いたら、またこっちへ電話を入れてくれ」
 署長はそう命じて、受話器を置いた。
 
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