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寝台急行銀河の殺意3-3

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: その頃、横手北署の山岡部長刑事と原刑事は、大和市にいた。 横浜の衛星都市ともいうべき大和からは、遠く、相模《さがみ》平
(单词翻译:双击或拖选)
 その頃、横手北署の山岡部長刑事と原刑事は、大和市にいた。
 横浜の衛星都市ともいうべき大和からは、遠く、相模《さがみ》平野の彼方《かなた》に大山《おおやま》が見える。
 淡路警部の紹介で、桜木町のビジネスホテルに一泊した遠来の刑事は、もちろん、日曜返上だ。
 二人は、重点聞き込みということで、白井が四年前から借りていた『和泉マンション』へ来た。
 捜査令状は用意されていなかったが、
「万一の責任は私が取る」
 ベテラン部長刑事の決断で、管理人を同行、マスターキーで四十五号室へ入った。
「主任、これが白井の部屋ですか」
「ほう」
 二人の刑事が思わず顔を見合わせたのは、その1LKが、『藤森アパート』とは、あまりに対照的だったせいである。
 田圃《たんぼ》の中の、朽ち果てたアパートは、逃亡者の部屋だった。しかし、窓ガラス越しに大山を望む『和泉マンション』四十五号室には、言うなればエリートサラリーマンの、充実が感じられるのである。
『藤森アパート』のマイクロテレビと違って、ここには、1LKには似つかわしくない大型テレビと、コンポがあった。ビデオテープや、CDの入ったケースも並んでいる。
 洋服ダンスとかキッチンユニット、下駄箱などは作り付けだが、冷蔵庫も新しいものだった。
「この部屋に足りないのは、嫁さんだけか」
「これほどの生活をしていた男が、よく、あんなアパート暮らしに堪えられましたね」
 二人の刑事は、そうした会話を交わしながら、管理人立ち会いの下《もと》に、徹底的な家宅捜索《がさいれ》に踏み切った。だが、時間をかけても、手がかりは何一つ出てこなかった。
「信じられませんねえ。白井さんは、今時珍しいくらい堅実な人だったのですよ。実家も裕福と聞いています」
 立ち会いの管理人は、何回も、一つことを繰り返した。
 管理人は、山岡部長刑事同様、五十歳前後という感じだった。やせて小柄な男だった。
 この管理人が、白井のことを誠実な人間と受けとめたのは、事実だろう。室内も、きちんと片付いている。
 管理人によると、この部屋の来客は少なかったらしい。
 人数は少なくとも、しかし、たまにはだれかが訪ねてきたということか。
「ホクエツの経理課長さんにもこたえましたが、どういう人が見えていたか、そこまでは分かりません」
「男女の別くらいは、覚えているでしょう」
「女性は一人もいませんでした」
 管理人は断言した。根拠は結婚願望だった。この管理人も、白井の結婚願望を承知しており、それだけに、女性客には注意していたらしい。
「あんないい人が、どうして女性と親しくなれなかったのでしょうかね」
 管理人は言った。
 白井は、ある種の人間にはよく映っても、要するに、異性にもてないタイプだったのだろう。
(うじうじした内気な男か)
 ベテランはそう考えながら、四十五号室の捜索を打ち切った。
 管理人を下に帰し、一部屋ずつ、四階全部の住人を当たることにした。
 独身のサラリーマンの多い賃貸マンションだが、幸いなことに、今日は日曜日だ。
 四階十二室の住人たちは、ほとんどが部屋にいた。
 刑事は定跡《じようせき》どおり、両隣から聞き込みを始めた。
 左隣、四十四号室では何も得られなかったが、右隣の四十六号室から反応が出た。白井よりは年下の感じの、サラリーマンだった。
「ぼくが知っているのは、一度だけですが、ええ、来客は男性でした」
 隣人は刑事の質問にこたえた。
 それは、一年ぐらい前のことだった。出会ったのは、マンションのエレベーターの中だ。
 夜ふけて、この隣人がマンションへ帰ると、アルコール臭い息を撒《ま》き散らした白井が、男の客と連れ立って、エレベーターに乗り込んできたという。
「するとあなたは、その男性の顔を見ているのですね」
「眼鏡《めがね》をかけていました。白井さんとは違って、明るい感じの男性でした」
「酔って、はしゃいでいたのですか」
「何かしゃべるたびに、必ず声を立てて笑っていました。笑顔が目立ったのは、こう言っては悪いけど、出っ歯だったせいでもあるようです」
 その男は、白井と同年代で、やはりサラリーマンふうな、濃紺のスーツだったという。
「エレベーターの中での、二人の会話を覚えていますか」
「はい、しきりに競馬の話をしていましたのでね、おや? と、考えたのを、記憶しています」
「競馬の話が珍しいのですか。馬券を買うサラリーマンは少なくないでしょう」
「ぼくも、たまには買いますがね。白井さんはギャンブルとは無関係なタイプに見えたので、印象的だったのだと思います」
 と、隣人はこたえた。
 しかし、尋問はそこまでだった。エレベーターが四階に着くと、双方は会釈してそれぞれの部屋に入ってしまったし、隣人は、その後、四十五号室の来客に気付いていなかったからである。
 山岡部長刑事と原刑事は、さらに『和泉マンション』での聞き込みをつづけたが、結局、それ以上のものは出なかった。
 三十代半ば、サラリーマンふう、明るい笑顔でよくしゃべる男。
「この男が、今度の事件に、関係してくるのかね」
 山岡が、大和駅へ戻る途中の商店街でつぶやくと、
「主任、白井が競馬などのギャンブルに打ち込んでいたとしたら、これは立派に、もう一つの顔ということになります」
 原は遠くに目を向けた。
「隣人が、よく笑う男を見かけたのは、一年前と言いましたね。一年前と言えば」
「私も、それを考えた」
 山岡はうなずいた。
 関連があるのか、どうか、これだけの聞き込みでは早計だが、それは、昨年七月以降、(1)(2)(3)と一時流用された売上げ金の、(3)の時期に当たるのである。
 一年前の、その五千万円を最後として、今回の一億四千万円まで、犯行が中断されている。
 それは、眼鏡《めがね》の男の来訪と関係があるのだろうか。あるかもしれない。事件を報道するニュースを知らないはずはあるまいに、男は何とも言ってこないのだから。
 いずれにしても、この男は外観に特徴を持っている。
『ホクエツ』周辺にいるのなら、捜査線上に浮かび上がってくるのは、時間の問題だろう。それらしき男が絞り込まれたら、四十六号室の隣人に面通しさせればいい。
「主任、横手へ帰る前に、その陽気な男に会っておきたいですね」
 原はそう言って視線を戻したが、このよく笑う男が浮上したのは、それから間もなくだった。
 正確な住所とか勤務先までは不明だが、名字だけは分かった。
 名字を控えたのが、他でもない、横手北署の捜査本部だった。
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