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寝台急行銀河の殺意4-3

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: 浦上が駆け込みで乗車した東北新幹線は、上野発十時二十分の、�やまびこ105号�だった。列車は、それほど込んでいなかった
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 浦上が駆け込みで乗車した東北新幹線は、上野発十時二十分の、�やまびこ105号�だった。列車は、それほど込んでいなかった。
 福島で奥羽本線に乗り換え、横手着は十五時三十四分となる。
 快晴の冬空だった。
 浦上を乗せた東北新幹線は、師走《しわす》の町を見下ろして走ったが、最初の停車駅大宮を発車し、蓮田《はすだ》辺りを通過すると、車窓は、急にローカルな景色に変わる。
 疾《と》うに刈り入れを終えた枯れ田とか、何の人影も見えない畑地。そして、すっかり葉を落としている枯れ木の林などが、冬の到来を実感させる。
 平地の彼方《かなた》に見える黒い山脈《やまなみ》も、はるかに遠いもののようだった。
 およそ半月前、白井も、この畑や林を目にして、未知の東北へ向かったのか。
 浦上はキャスターに火をつけ、じっと、寂しい風景を見詰めた。
 半月前のあのとき、白井は、一人で北へ行く列車に乗ったのだろうか。それとも、同じ列車には、もう一人のXが同行していたか。
 Xとは、一億四千万円の横領に深くかかわり、そして、恐らくは、白井を毒殺した張本人のことだ。
 白井は、青酸ソーダ混入のスコッチが行く手に待っているとも気付かず、先が何も見えないままに、移り変わる窓外の風景を目にしていたのだろうか。
 浦上は一本のたばこを灰にすると、改めて事件関係の切り抜きを取り出し、谷田経由で入手した淡路警部のオフレコと照合しながら、要点を整理した。
 そうこうしている間に、東北新幹線は福島に着いた。浦上は予定どおり、十二時五分発の大曲行きL特急�つばさ9号�に乗り換えた。
 これは昨日、白井保雄の実兄久志が乗ったのと同じ列車である。奥羽本線の長距離は本数が少ないので、利用列車も限定されてくる。
 このL特急は、最後部の車両が簡単なドアで区切られており、ドアの後ろの三分の一だけがグリーン車になっていた。
 福島の市街地はすぐに車窓から消えて、六両連結のL特急は山間部へと入って行く。
 だれもいない畦道《あぜみち》に、葉を落として、赤い実だけを残した柿の木があった。
 列車は、枯れ木の林を縫うようにして、北上する。
 枯れ田の中に、「米沢米《よねざわまい》」の大きい野立て看板が立っていたりした。
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