日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

寝台急行銀河の殺意4-7

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: 浦上伸介を乗せた�つばさ9号�が、湯沢、十文字《じゆうもんじ》と停車して、横手に到着したのは、山岡部長刑事と原刑事が、
(单词翻译:双击或拖选)
 浦上伸介を乗せた�つばさ9号�が、湯沢、十文字《じゆうもんじ》と停車して、横手に到着したのは、山岡部長刑事と原刑事が、大和で相鉄に乗り換える頃だった。
 山間を抜けて、広い枯れ田の中を走ってきたL特急は、盆地の駅で浦上を降ろすと、すぐに、次の停車駅であり終着駅である大曲へ向けて、走り去った。
 ホームには、普通車を待つ、男女高校生の姿が多かった。
 浦上は跨線橋《こせんきよう》を渡った。
 改札口前のホームには、二両連結の気動車がとまっている。
 浦上は小さい駅を出た。
 秋田県には何回か取材に来ているけれど、横手で下車するのは初めてである。
 まだ四時前だというのに、東北の空は、たそがれが近いことを感じさせるように重かった。歳末大売り出しの駅前も、人通りはそれほど多くない。
 浦上はタクシー乗り場に行った。
「横手北署」
 と、言いかけて、
「いえ、バスターミナルの裏手へ行ってくれませんか。松葉という不動産屋があるはずですが」
 行き先を訂正すると、
「バスターミナルは、すぐそこです。タクシーに乗ることはありません」
 と、タクシー運転手は言い、
「松葉さんなら、平鹿《ひらか》綜合病院の先を右に折れて行くのが、分かりいいですよ」
 道順を教えてくれた。土地の運転手は親切だった。
 浦上は言われたとおりに歩いて、『松葉不動産』へ向かった。
 駅前広場を半周して行くと、『よこてプラザホテル』があった。本島高義が、白井保雄との面会場所として、�電話の女�に指定されたというホテルだ。
 確かに、一階がレストランだった。大きい窓ガラス越しに、道路から内部《なか》が見える。
 レストランは空《す》いている。
 浦上は一べつして、人通りの少ない舗道《ほどう》を横切った。
『松葉不動産』は小さい店だった。
 べたべたと物件広告が張り出されているガラス戸を開けると、古い応接セットがあり、その向こうに、机が一つだけ置かれてあった。
「いらっしゃい」
 机から腰を上げた主人は、五十近いだろうか。小太りで、酒やけした顔だった。
 浦上は『週刊広場』特派記者の名刺を手渡した。
「ま、どうぞ」
 主人は目をぱちぱちさせながら、ソファを勧めた。
「どうも、寝覚めが悪い事件が起こったものです」
 不動産屋の主人は、浦上の取材目的を知ると、吐息して、吸いかけのたばこを消した。
 浦上にしてみれば、「千葉」と名乗った白井の、入居のいきさつから聞くのが順序だった。
 入居契約を交わしたのが、いつか、それを確かめることで、逃亡の計画性が、どのていどのものであったかが分かる。
 一億四千万円を横領する前に、潜伏先を確保する。それは間違いないところだろう。
 問題は、その日日《ひにち》だ。
「アパートを借りたいとお申し越しがあったのは、十一月十九日、日曜日の夜でした」
「そうじゃないんですよ。アパートを借りるからには、当然、下見をしているわけでしょう。それが、いつであったか、ということですが」
「下見はしていません」
「彼は、ぶっつけで、アパートを借りたいと言ってきたのですか」
「店頭の物件広告を見たというのですよ」
 主人は入口のガラス戸に目を向けた。
 浦上も、いったん背後を振り返ってから、質問を重ねる。
「すると彼は、この張り紙広告を見て、お店に入ってきたわけですね。それからご主人が、アパートへ案内されたのですか」
「いいえ、私は案内していません。案内しようもありません。申し込みは、電話でしたから」
「電話? 一本の電話だけで、契約したのですか」
「刑事さんにも言いましたが、長いこと入居者がいなかった老朽アパートですので、借り手がついただけで御の字です。詳しい身元も確かめずに、オーケーしました」
「一ヵ月契約というのも、電話で言ってきたのですか」
「それは十一月二十一日に、直接お見えになったとき、口頭で約束しました」
 それにしても、物件を確かめず、広告だけで申し込んでくる客がいるだろうか。
 こんな例は初めてだ、と、不動産屋の主人もこたえた。
「店頭広告を見て、彼が一人で藤森アパートへ下見に行ったのでしょうか」
「そんなことはありません。そこをご覧になれば分かりますが、間取りと家賃と、駅から徒歩十五分ということは、書いてあるものの、広告にアパート名とか詳しい所在地は記入してありません」
 客が勝手に物件を見に行くのは無理だ、と、不動産屋の主人は言った。
 では、人の出入りが目立たず、死体が何日も発見されない、恰好《かつこう》な殺人《ころし》の部屋を白井が選んだのは、偶然なのか。
 そんなことはあるまい。
 偶然でないならば、動いているのは、影の犯人の意思ということになろう。白井はあの貸家式アパートを選ばされたのだ。
 浦上は、自分の中の推理を、口に出した。
「彼自身は案内してもらっていないとしても、藤森アパートを見に行った男が、他にいるのではありませんか」
「十月中頃でしたか、アパートを借りたいと問い合わせてきた人がいます」
「やはり、そうでしたか」
 浦上が身を乗り出すと、
「ええと、前郷《まえごう》のアパートなど、三、四ヵ所案内しました」
 その中に『藤森アパート』があった、と、主人は思い出したように、つづけた。
「結局、話はまとまりませんでした。でも、その下見をしたのは、男性ではありませんよ」
「男でなければ、女ですか」
「湯沢の人だと言ってました。都会ふうなきれいな女性でした」
「それだな」
 浦上はつぶやきをかみ殺していた。
 浦上は�電話の女�の実在を、山岡部長刑事たちとは別の形で、聞き込んだことになる。三十過ぎで、ほっそりした美人ということも、町田市のレストラン『ニューバレル』で白井と食事をしていた相手に共通している。
「この辺りでは珍らしい、ベレー帽をかぶっていましたね」
 主人は、浦上の質問にこたえて、言った。「都会ふう」と感じたのは、ベレー帽のせいでもあるらしい。
 女はサングラスをかけていたというが、それは顔を隠すためのものであっただろう。
「その人を見れば、いまでも分かりますか」
「あんな美人は、ちょっとやそこらでは、忘れませんや」
 下見だけで終わったので、不動産屋は、女が口にした湯沢の住所も、氏名も、控えなかったという。
 浦上は『藤森アパート』への道順を聞いて、小さい不動産屋を出た。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%