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寝台急行銀河の殺意4-11

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示:「へえ。朝まるで駄目な男が、朝っぱらから、よく頭が回転しましたな」 谷田は軽い口調で、浦上の推理を評価した。「藤森アパー
(单词翻译:双击或拖选)
「へえ。朝まるで駄目な男が、朝っぱらから、よく頭が回転しましたな」
 谷田は軽い口調で、浦上の推理を評価した。
「藤森アパートの家主にかかってきた、男の電話には、それだけの背景があったという見方か。なるほどね」
「これだけの工作をしている以上、この事件《やま》は、犯人が特定されても、アリバイ崩しに手をやく予感がします」
 浦上が思ったままに言うと、
「ほう、きみにぴったりの展開になってきたか」
 谷田は笑い声を返してきた。
「間もなく浦上の出番だと、淡路警部に伝えておこう」
 谷田は、そこで口調を変えた。
「しかし、残念ながら、刑事《でか》さんたちは、まだ女に会っていない」
「どういうことですか」
「女はね、喫茶店を経営していることが分かった」
「別れた夫はビジネスホテル、別れた女房は喫茶店ですか」
「それはいいんだが、喫茶店は、ここのところ、臨時休業中でね。店を開けなくなったのが、十一月二十五日からだというんだ」
「何ですって? 白井が殺されたのは、十一月二十五日の朝から、二十六日にかけてですよ」
「言われなくても分かっている」
 谷田の声が高ぶった。
「彼女、マンションにも帰っていないらしい」
「一億四千万円とともに蒸発、なんてのは、ご免ですよ」
「横手の部長刑事《でかちよう》さんたちは、今日、出直しで、もう一度二俣川へ向かった」
「女が行方不明でないことを、祈りたいですね」
「新潟取材が、ますます重要になってきたぞ」
 谷田は、新潟県警も捜査に協力していることを言い、改めて、女の名前と住所を読み上げた。
 
  篠田美穂子《しのだみほこ》 三十四歳 横浜市旭区|本村《ほんむら》町二○七○『コーポ羽沢《うざわ》』三十二号室
 
 浦上が、それを取材帳に走り書きすると、
「彼女が経営する喫茶店はルアンダ。相鉄二俣川駅前にある、小さい三階建て共同ビルの、二階だそうだ。一人で切り盛りしているというから店も小さいだろうが、夜はアルコールを提供するって話だ」
 谷田は説明をつづけた。
「先輩、記者クラブで待機していてくださいよ。別れた亭主に会ったら、もう一度、電話を入れます」
 浦上はそう言って受話器を置くと、次に『週刊広場』編集部へかけた。
 細波編集長はまだ出社していなかったので、事件欄担当の青木|副編集長《デスク》に、これまでの経緯を簡単に報告して、新潟駅を出た。
 浦上はタクシーに乗った。
 駅から万代橋《ばんだいばし》に通じる東《ひがし》大通りは、高いビルが立ち並ぶ、文字どおりのオフィス街だ。
 オフィス街は一種冷たい感じを与えるが、間もなく眺望が開けてくると、万代橋だった。六つのアーチを連ねる万代橋は、新潟市のシンボルと言っていいだろう。
 橋は全長三百七メートル。長い橋の下を流れる信濃《しなの》川は、水量も多く、雄大だ。
 右手|彼方《かなた》の河口が新潟西港で、佐渡へ渡るカーフェリーの波止場が、万代橋の上から見える。
 人口四十万の都市を背景として、望見する日本海は、車窓で接した眺めとは、印象が違った。
 タクシーは万代橋を渡り、柾谷小路を走って、市役所手前の十字路を左に折れた。
 会員制ビジネスホテル『シャルム新潟』は、新潟三越の近くにあった。六階建ての細長いビルだった。
 ロビーもそれほど広くはなかった。フロントには、若い女子従業員が、一人いるだけだ。
 ホテルは、全体にひっそりしている。昼過ぎのせいだろう。客の少ない時間帯だった。
 浦上は『週刊広場』特派記者の名刺を出して、マネージャーへの面会を求めた。
 二分と待たせずに、黒いタキシードで長身の男性が現われた。
 彫りの深いハンサムだった。声も渋いが、気のせいか落ち着きがなかった。
「美穂子のことでしょうか」
 千葉国彦は、一礼して言った。
 浦上がうなずくと、
「あちらへどうぞ」
 千葉は、窓際のソファへ浦上を案内した。
 向かい合って腰を下ろすと、千葉のほうから切り出してきた。
「昨日は町田市から、刑事さんの問い合わせの電話があり、今朝は新潟県警の刑事さんが、ここへやってきました」
 美穂子が犯罪に巻き込まれているのか、と、千葉は質問してきた。
 これが、おとぼけなら相当なものだが、どうも、うそをついている顔ではなかった。別れた亭主は、犯罪とは無関係なのか。
 浦上の内面に混乱が生じた。
 千葉はつづける。
「美穂子は先月十九日に電話を寄越したとき、しばらく旅行がつづくかもしれないと言ってましたが、気になるので、さっき刑事さんが帰った後で、こっちから横浜へ電話をかけてみました」
『コーポ羽沢』三十二号室も、喫茶店『ルアンダ』も一切応答なし。
「何があったのですか。週刊誌まで取材にくるなんて」
 千葉は、実際に、心配そうなまなざしだった。どこか、おどおどしているのは、(千葉自身が犯行にかかわっているためではなく)一度は結婚した相手に対する、思い遣《や》りのせいだろうか。
 そして、それが、偽りの表情でないらしいことは、すぐに分かった。
 少なくとも白井殺害に関しての、千葉のアリバイは、疑義を抱かせる余地がなかった。
「さっき、刑事さんにも尋ねられましたが、私が、アリバイ調べみたいなことをされるのは、美穂子の、何に関係があるのですか」
 千葉はそう前置きして、ちょうどその時期、海外旅行に出かけていた、と、こたえた。
 正確には十一月二十四日の朝、大阪《おおさか》国際空港を出発。二十八日の夕方、同じ大阪空港へ帰ってきたというもので、行き先は香港《ホンコン》。同行者十六人の団体《パツク》旅行だった。
 浦上は、さらに三十分ほど粘った質問をして、『シャルム新潟』を出た。
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