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寝台急行銀河の殺意5-3

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示:「キャップ、美人から電話ですよ」 若手記者が、受話器を谷田実憲の前に突き出したのは、午後三時を少し過ぎたときである。「へ
(单词翻译:双击或拖选)
「キャップ、美人から電話ですよ」
 若手記者が、受話器を谷田実憲の前に突き出したのは、午後三時を少し過ぎたときである。
「へえ、おまえさん、声だけで美人かどうか分かるのかい」
 谷田が受話器を受け取ると、
「お安くないですね。ばっちり、毎朝日報の谷田キャップとご指名なのに、美人のほうでは名前を言わないのですから」
 若手記者は笑みを浮かべた。
「もしもし」
 受話器を耳に当てると、女性の澄んだ声が聞こえてきた。なるほど、艶《つや》のある声だが、聞き覚えはなかった。
 しかし、聞き覚えがないと感じたのは一瞬で、谷田はすぐに、その女性を思い出していた。思い出させられた、と、述べたほうがいいだろう。
 京都で出会った女性だった。
「あの節は失礼いたしました」
 女は、詫《わ》びを言ってから、初めて自分を名乗った。
「篠田美穂子さん? あなたが篠田さんですか」
 谷田は、思わず受話器を持ち直していた。
 刑事たちがマークし、追いかけている女が、先方から連絡してきたのか。
『京都東急ホテル』が、浮かんだ。あれから、もう十日になる。
 すらりとした後ろ姿を見せて、エスカレーターを上がって行った髪の長い女を、谷田は思い返した。
 あの美女が、刑事たちが捜している篠田美穂子だったとは。
 そしてまた、その彼女が、何ゆえ電話を寄越したのだろう?
『お困りのことがありましたら、お力になりますよ』
 そう言って、嵐山で名刺を手渡しておいたことが、役に立ったというべきか。
「おことばにあまえて、お電話しましたの」
 美穂子は、山岡部長刑事と原刑事が、マンションに訪ねてきたことを言った。
「で、どうしました?」
 谷田の声が高くなった。刑事と美穂子の、面会の内容を知ろうとする焦りが、声に反映されている。
「刑事さんは、あたしを疑っているらしいんですの」
 美穂子はそうつづけたが、谷田とは違って口調は一定している。
 美穂子は、横手で毒殺された白井保雄との関係を、自分のほうから切り出し、
「突然で失礼ですが、いまお時間をいただくわけにはいきませんか」
 懇願してきた。
 もちろん、谷田に異存があるはずはない。特ダネが、向こうのほうから転がり込んできたのにも等しい。
 目下のところ、美穂子は、文句なしの第一容疑者なのだ。
「分かりました。どこでお会いしましょうか」
「横浜駅まで、出てきました。いま、相鉄の改札口近くにいます」
「それでは」
 横浜駅西口まで出向きましょうか、と、言いかけて、谷田は再度受話器を持ち換えていた。ふと、ある考えが胸にきた。
 浦上伸介が昨日、横手の『松葉不動産』で聞き出した女、ベレー帽でサングラスの美人が、美穂子であるかどうか、一発で確認できるチャンスではないか。
 すなわち、隠し撮りだ。隠し撮りした美穂子の写真を、『松葉不動産』の主人に提示すれば、シロクロがはっきりする。
 谷田は瞬間的に、隠し撮りに最適な場所を考えていた。横浜駅西口の雑踏とか、地下街では困難だ。
「どうでしょう、桜木町までご足労願えませんか」
 谷田が指定したのは、『毎朝日報』横浜支局前の舗道《ほどう》だった。
「どこか静かな喫茶店でお話を伺いますが、とりあえず、ぼくは支局の前で、お待ちしましょう。支局なら、桜木町駅から近いし、迷うこともないと思います」
「よろしく、お願いします」
 美穂子は、自分のほうから電話を切った。
 谷田は立ち上がると、美穂子の電話を取り次いだ若手記者に命じた。
「おい、カメラ持参で、桜木町までつきあってくれ。望遠レンズを忘れないようにな」
 それから『毎朝日報』横手通信部へ電話を入れて、丁寧《ていねい》に頼んだ。
「間もなく、ある女の写真をファックスで送ります。この女が、十月中頃、藤森アパートを下見した人間かどうか、松葉不動産に当たってもらいたいのですが」
「承知しました。こっちは特別な動きも見えませんが、横浜へ出張している山岡|部長刑事《でかちよう》たちは、着実に前進しているようですな」
 東北|訛《なまり》のある声が返ってきた。横手通信部の記者は、年配な感じだった。
 谷田は、若手記者を伴って、記者クラブを出た。
 県警本部から桜木町駅前まで、徒歩にして十五分足らずの距離だが、美穂子を待たせるわけにはいかないので、タクシーを拾った。
 支局の前は、桜木町駅へつづく歩道橋となっている。
「キャップ、あの歩道橋から狙えば、ばっちりですよ」
「写真は、手筈《てはず》どおり、すぐに焼き付けて、横手へ送信してくれ」
 谷田は、歩道橋の手前でタクシーを降り、若手記者と別れた。
 グリーンと黒の千鳥格子のスーツを着た美穂子が、長い髪をなびかせて歩道橋を渡ってきたのは、それから五分と経たないうちだった。
「やあ、お久し振りです」
 谷田は美穂子を迎えると、しばし舗道で立ち話をした。
 そして、若手記者による、隠し撮りの完了を認めると、近くの喫茶店へ美穂子を誘った。
 広い店内は空《す》いていた。二人は奥のボックスを選び、コーヒーを注文した。
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