日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

寝台急行銀河の殺意8-4

时间: 2019-04-26    进入日语论坛
核心提示: 浦上は新横浜駅で下車すると、混雑する構内を歩いて、『アスティ』の中の焼鳥レストラン『焼鳥倶楽部』へ行った。 谷田は一足
(单词翻译:双击或拖选)
 浦上は新横浜駅で下車すると、混雑する構内を歩いて、『アスティ』の中の焼鳥レストラン『焼鳥倶楽部』へ行った。
 谷田は一足先に来ており、奥のテーブルでビールを飲んでいた。二人は、前にもこの店で、取材結果を検討している。
 店はほぼ満席だった。勤め帰りのサラリーマンの他に、場所柄から言って、旅行者の姿も見える。
「十一月二十五日十九時十五分�以後�の仮説は、一日で全面訂正か。しかし、これは結構なことだ」
 谷田は笑顔で、浦上を迎えた。
「先輩、�以後�ではなく、�以前�の殺人《ころし》だったとすると、問題の納豆やみそ汁は、普通に、朝食用だったことになるかもしれませんね」
 浦上がそう言って腰を下ろすと、
「うん、毒殺は、二十五日の朝で決まりだな」
 谷田はうなずいた。
 殺人《ころし》の部屋に電灯がついていたのは、捜査本部が言うように、異変発見を遅らせるためと、犯行が二十五日の夜であると強調するためのものであっただろう。
「ご苦労さん」
 とりあえず、ビールのコップを合わせての乾杯となった。
 だが、一歩前進とはいえ、まだ、ビールを気持ちよく飲める段階ではなかった。
「おい、消し印から推して、絵はがきの投函者も美穂子で動かないな」
 こうなってみると、投函可能な時間に京都にいたことも、美穂子にとっては墓穴となったわけだ、と、谷田は勢い込んだが、今度はそれが、新しい壁になった。
 十一月二十五日の十二時から十八時という消し印の時間内に、美穂子が京都にいたことは間違いない。谷田がメモしたところの目撃タイム、(1)と(2)がそれである。
 二十五日十九時十五分�以後�が消えたいま、問題となるのは、(1)だ。すなわち、京都駅烏丸口タクシー乗り場、午後二時。
 横手での犯行が二十五日の朝であったとしたら、美穂子は、どのようなルートを辿《たど》って、同じ日の午後二時までに京都へやってきたのか。
 そして、それより先に解決しなければならない大前提が、犯行現場横手への、交通《あし》の割り出しということになる。
 殺人前夜、美穂子が横浜を後にして旅に出たのは事実だ。
 しかし、美穂子が乗車したのは、横手へ行く列車ではない。美穂子は東京駅から寝台急行�銀河�に乗り込んで、横手とはまったく逆方向の、京都へと向かったのである。
 途中のどこかで、�銀河�を降りたとしても、飛行機も飛んでいない深夜、秋田県下の小都市へ行ったり、一転、京都へ向かったりすることができるのだろうか。
「�銀河�の東京駅発は、何時だったかね」
 谷田が問いかけると、
「二十二時五十五分です」
 浦上は即座にこたえた。これは、時刻表を持ち出すまでもなく、諳《そらん》じている。
「発車は、ほとんど午後十一時か」
「この時間では、新幹線はもちろん走っていませんし、夜行列車も、大半が出払う頃です」
「東京駅9番ホームで、美穂子の出発を見送ったのは、新潟の高校時代のクラスメートだろ。証人が、一人だけだとしたら、弱くないか」
「竹下正代という女性の、偽証ですか」
「これだけ、いろいろ工作してくれた美穂子のことだ。旧友を抱き込むなんて、それこそ朝めし前じゃないのか」
「それは、どうですかね」
 浦上は同意しなかった。偽証なんてことになれば、正代は、明らかに、共犯者になるではないか。
 それは、美穂子の、一連の犯行センスから、ずれてしまう。
 絵はがきトリックは無論のこと、『二俣製作所』を舞台とする電話工作にしても、(工員たちにそれと気付かせない意味において)美穂子の単独犯行なのである。
 がっちり構築されてきた一連の計画の中で、東京駅9番線ホームにのみ、例外的に偽証を用意したりするだろうか。
 しかも、この�銀河�乗車は、言ってみれば最重要な出発点なのである。
「正代さんという旧友もまた、自分では何も知らないままに、利用されたのではないでしょうか」
「美穂子が、�銀河�に乗って京都へ向かったのは、動かないというのかい」
「乗ることは乗ったでしょう。考えられるのは、次の停車駅で、降りてしまうことですね」
 浦上は、今度はショルダーバッグから時刻表を取り出した。
 寝台急行�銀河�の最初の停車駅は東京都内の品川《しながわ》。二十三時二分となっている。
 浦上は品川駅の時間を書き出してから、時刻表のあちこちをめくった。
 慎重なチェックに十分余りもかけただろうか。
「美穂子は、横手へ行くことができませんね」
 浦上の表情が、一種、虚脱したものに変わってきた。
「品川から上野まで、待ち時間なしでも十八分かかります。品川が二十三時二分では、東北新幹線はもちろんありませんし、北へ向かう遠距離列車は、すべて、上野駅を出発した後です」
「相当な女だね」
 谷田は口元を引き締めた。
 しばらく、重い沈黙が、谷田と浦上の間を遮《さえぎ》った。
 ビールをぐいっと飲み干して、沈黙を破ったのは、浦上である。
「偽証は考えられないが、正代さんという旧友に会ってみるしかありませんね」
「竹下正代さんは、神田のスナックへ、パートで出ているんだ。しかし、働いているのは週末のみという話だから、今夜は駄目だな」
 谷田はそう言って、美穂子から聞き出してある正代の住所と電話番号を、浦上に示した。
 これから、西日暮里まで行くのでは、午後十時近くになってしまう。
 そんな遅い時間の訪問は失礼でもあるし、相手に余計な警戒を抱かせる結果ともなろう。最後の最後まで、取材の真意を悟られてはいけないのである。
「淡路警部への連絡も、明日の結果を待って、ということにしよう」
「横手の部長刑事《でかちよう》さんたちは、横浜に腰を据えているのですか」
「うん、前線本部の形をとっているらしいが、その後の動きは知らない」
「とりあえず、これは返しておきます」
 浦上は、切手を剥《は》がした絵はがきを、テーブルに載せた。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%