港周辺が、一日中活気を呈しているのは、瀬戸内臨海工業地帯を控えているせいだろう。
三津浜《みつはま》港を中核とする松山港は、五万トン級タンカーを横付けにできる規模を誇っているのである。
阪神、別府《べつぷ》、柳井《やない》、呉《くれ》、そして広島市の宇品《うじな》港などとを結ぶフェリーや、高速船の出入りも多い。
活気のある港は、文字どおり松山の玄関の一つであり、近くには、警察署も設置されている。
路線バスや、路面電車も運行されている。港から、松山城とか子規堂《しきどう》のある市の中心部、さらには道後《どうご》温泉へと通じているのが、市内電車の伊予鉄《いよてつ》だ。
市の中心部まで、時間にして三十分足らず、というところだろうか。