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松山着18時15分の死者1-9

时间: 2019-04-27    进入日语论坛
核心提示: 松山南署の捜査本部では、横浜の聞き込み結果を得て、土佐山田の高橋一夫に緊急連絡を取った。 中継したのは、同じ四国の、高
(单词翻译:双击或拖选)
 松山南署の捜査本部では、横浜の聞き込み結果を得て、土佐山田の高橋一夫に緊急連絡を取った。
 中継したのは、同じ四国の、高知県警である。
 悲報を伝えると、
「何ですって? 美津枝が、美津枝が松山で殺されたですって?」
 兄の一夫は、心底信じられないという顔をした。
 突然、店へ訪ねてきた高知県警の刑事に向かって、
「美津枝が四国へ帰っていたなんて、家族はだれも聞いていません。美津枝は四国へ戻っていたのに実家《うち》へ電話一本入れず、松山で絞め殺されたというのですか!」
 一夫は声を震わせた。長身、端正な顔立ちで、純朴そうな食堂経営者だった。
 高知県警では、この、高橋一夫に面接した経緯を、松山南署の捜査本部へ、電話で知らせてきた。
「高橋氏は、とるものもとりあえず、土佐山田発十一時二十一分のL特急�南風6号�で、そちらへ向かいました。多度津から予讃本線に乗り換えて、松山到着は十六時八分です。何とか夕方までに、妹さんの遺体と対面できるでしょう」
 高知の刑事は最初に要点を報告し、それから、美津枝の実家の環境に触れた。
『高橋食堂』は、みやげもの屋を兼ねているという。
 店を開いている場所は、南国の秘境と呼ばれる龍河洞《りゆうがどう》だった。
 土佐山田町の龍河洞は、岩手県の龍泉《りゆうせん》洞、大分県の風連洞《ふうれんどう》、山口県の秋芳洞《しゆうほうどう》と並ぶ大鍾乳洞として、観光の名所になっている。高知空港に近い野市《のいち》町とを結ぶ、全長九・三キロの龍河洞スカイラインも完成しているが、土讃本線を利用すれば、土佐山田駅前からタクシーで二十分あまりだ。
 登り口には、大型の観光バスが何台も入れる、広い駐車場が二ヵ所できている。駐車場から鍾乳洞の探勝口へかけては、細い坂道の両側に、びっしりと、食堂とかみやげもの店が並んでいる。
『高橋食堂』は、二つの駐車場の中間に建つ、古い二階家だった。一階がみやげもの売り場、二階が食堂になっている。
「一夫さんと美津枝さんは、仲のいい二人きょうだいです」
 と、高知の刑事は、電話での説明をつづける。
「きょうだいの両親は健在で、いまも食堂を手伝っていますが、四年前に、正式に、一夫さん夫婦が高橋食堂を継ぎました。三代目になるそうです」
「なるほど」
 松山南署の捜査本部では、刑事課長が電話を受けていた。
「美津枝さんが横浜へ転居したのは、最近です。それまでの、大阪での生活は長かったのですか」
 刑事課長がそう質問すると、高橋家の遠縁が大阪の吹田《すいた》市に住んでいる、と、高知の刑事はこたえた。
「美津枝さんは、中学時代から、都会志向が強かったと言います。地元の高校を卒業すると、両親を説得して、吹田市の遠縁を頼ったとか。ええ、入学したのは、武庫川《むこがわ》の女子短大です」
「積極的な性格だったのですね」
「そうです。前向きで、明るい女性だったそうです。短大を終えると、そのまま、大阪市内の会社に、就職しています」
「じゃ、都会暮らしは短くありませんね」
「ええ、故郷の土佐山田へ帰る気持ちはなかったみたいですよ」
「大阪で結婚するつもりだった、ということですか」
 刑事課長が、あれだけの美貌なら言い寄る男性も少なくなかったでしょう、と、受話器を持ち直すと、
「それは、ボーイフレンドは多かったかもしれませんが、美津枝さんが両親や兄夫婦に対して、結婚を匂わせるようになったのは、二年前ぐらいからだそうです」
 と、高知の刑事は言った。
 二年前と言えば、美津枝は二十六歳だ。二十代後半を迎え、初めて、心を許せる男性にめぐり会った、ということだろうか。
 だが、美津枝は、好きな人ができたとは言ったが、相手がどういう立場の男性であるのか、なぜか、その点は打ち明けなかったという。
「それらのことは、一夫さんが松山へ着いて、遺体確認が終えたら、そちらで、直接お尋ねになってください」
 と、高知の刑事はつづけた。
 高知県警としては、一刻も早く、実兄の一夫を松山へ向かわせなければならない。事情聴取に、時間はかけられなかった。
 最後の質問は、一夫を土佐山田駅へ送るパトカーの中で、続行されたほどである。特急の本数が少ないので、一列車乗り遅れると、松山到着は大幅に遅れてしまう。
 いずれにしても、離れて暮らしている妹の交際相手を、実兄が知悉《ちしつ》していないのは事実のようだった。
 美津枝は三ヵ月前に突然転職して、横浜へ出て行ったのであるが、転職の原因も、転居の理由も、一夫は、一切聞かされていなかった。
「今回も、やはり結婚を口にしていたし、美津枝さんももう子供ではないということで、一夫さんは、美津枝さんの横浜転居に関して、特に反対しなかったそうです」
 と、高知の刑事は報告した。
 三ヵ月前の転居とか転職が、昨日の殺人事件の背景となっているのだろうか。
 美津枝の新しい住居は横浜だが、しかし、再就職先は、神奈川県下ではなかった。
「東京都大田区蒲田本町にある、伊東建設という会社です」
 と、高知の刑事は、電話の向こうでメモを読み上げた。
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