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松山着18時15分の死者5-1

时间: 2019-04-27    进入日语论坛
核心提示:『伊東建設』の取材は、しかし、浦上伸介の都合のいいようには運ばなかった。 何時に訪ねれば総務課長が面会に応じてくれるか、
(单词翻译:双击或拖选)
『伊東建設』の取材は、しかし、浦上伸介の都合のいいようには運ばなかった。
 何時に訪ねれば総務課長が面会に応じてくれるか、それを確かめるために、『週刊広場』の編集部から電話を入れると、
「土、日は休日となっております。誠に恐れ入りますが、ご連絡は、月曜日の午前八時半以降にお願いいたします」
 というテープのメッセージが返ってきた。社員七十名足らずの中小企業も、最近では週休二日制を採用しているのである。
「まともに働いているのは、週刊広場ぐらいなもんですか」
 浦上は、反対側の机にいる若手編集者に何となく話しかけ、キャスターを一本灰にしてから、神奈川県警記者クラブへかけ直した。土曜日の午後でも働く人間が、そこにも詰めている。
 谷田実憲は他の電話を受けているということで、少し待たされた。
 やがて電話口に出た谷田は、
「そういうことなら、副編にはあらぬ疑いをかけて、悪いことをした」
 と、浦上の説明を聞いて素直なことばを返してきた。持ち前の大声でわびを言うところが、いかにも谷田らしかった。
「いずれにしても、浦上サイドからXを炙《あぶ》り出すのは、ますますもって不可能ということになるか」
「大阪ですね。大阪を掘り下げてから、横浜へ転進するのが、常識的な線でしょう」
「その横浜だがね、淡路警部が言っていた、松山の捜査員による家宅捜索《がさいれ》と同じだ。井田マンションを聞き込んでも、何も出てこない」
 と、谷田は言った。
 さっき浦上と別れたあとで、谷田は遊軍記者を『井田マンション』へ急行させたらしい。
「土曜日の午後が幸いして、何人か住人を取材することができた。が、いかんせん、高橋美津枝さんが住んでいたのは、たった三ヵ月だろ」
「ひそかに訪ねてきた男が目撃された、なんて事実はないわけですか」
「それがないんだな。本当に結婚を前提としての横浜転居だったのかどうか疑わしい、と、これはマンションを取材した遊軍記者の意見だがね、オレもそう思う」
「刑事《でか》さんの話では、伊東建設も同じことでしょう」
「ああ、きみが今日、実際に伊東建設の総務課長とか、同僚に会うことができたとしても、新発見はなかった、と、そんな気がするね」
「美津枝さんは、いったい何の目的で横浜へ移ってきたのでしょう」
「殺されるためじゃないのかい」
 谷田は、普通の口調でそう言った。
「結婚というのは、住み慣れた大阪から美津枝さんを引き離すための、男の工作だったのかもしれない」
「殺害は、知人の少ない町を舞台にするのが安全ですか」
「違うかね。実行は、きみの旅程に合わせた松山が選ばれたわけだが、犯人《ほし》はそのお膳立てとして、知人のいない横浜へ、美津枝さんを移した」
「どんな男なのだろう?」
 浦上は受話器を持ち直した。
 美津枝の旧友である菊池澄子の推定によれば、美津枝の周辺には複数の男性がおり、親しくしていた相手は妻子持ち、すなわち不倫の関係にあったらしい。
 妻や子に対する背信が平気な中年男なら、殺人計画も、冷静に、事務的に立てられるということだろうか。
 谷田が指摘するように、美津枝の横浜転居が「殺されるため」のものなら、男が表面に出てこないのは当然だ。
 しかし、美津枝を呼び寄せた以上、男が横浜周辺にいるのは、間違いないだろう。
「いや、そう決め付けられるものでもないね」
 と、谷田は言った。谷田は、浦上の見込みを、そのまま肯定しなかった。新幹線を利用すれば、新大阪—新横浜間は、二時間四十二分の距離に過ぎない。
「完全殺人という目的を秘めて、男が大阪から通ってくるのも不可能じゃないぞ」
 横浜は、後の捜査に備えて、男が自分を隠すためのカムフラージュだったのかもしれない。
「万事、計画的な男だからな」
 と、谷田はつづけた。
「男が伊東建設へ電話をかけてきたり、週刊広場や石田旅行社に電話をかけてきたからといって、東京周辺に在住しているとは限らんよ」
「電話は、大阪からでも、かけられるってわけですか」
「しかしだ、真犯人《ほんぼし》が浦上サイドの人間でないことは、ほぼ間違いないという事態になってきたが、まったく無関係な人間に罠をかけるということはあるまい」
「お手上げですよ。ぼくがどういう関係に置かれているのか、それは犯人が逮捕されたとき、犯人の口から語ってもらうしかないですね」
 浦上の口調は、その点になると重くなった。いくら不快でも、相手が絞り切れないのだから、苛立《いらだ》ちを叩きつけることもできない。
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