日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

異域の死者8-5

时间: 2019-04-27    进入日语论坛
核心提示: 東京行きの東海道新幹線に揺られながら、上野行き東北新幹線の分析がつづく。「先輩、このルートでは、上野駅21番線ホーム到着
(单词翻译:双击或拖选)
 東京行きの東海道新幹線に揺られながら、上野行き東北新幹線の分析がつづく。
「先輩、このルートでは、上野駅21番線ホーム到着が、十八時なのですよ!」
 十八時には、上野駅地底ホームではなく、地上の公園、不忍池にいなければならないのである。
 地底ホームから殺人現場の池畔まで、全速力で走っても、十数分は必要だ。
 アタッシェケースとパックの梨をあずけるために、途中、ロッカーにも立ち寄らなければならない。
 すると、どう計算しても、十七時四十分には、上野駅新幹線ホームへ、到着していなければならないのである。
 十七時四十分が、タイムリミットだ。わずか二十分の相違とはいえ、この場合は、天と地の開きがある。
「福島までは、こっちの読み筋通りに運ばれてきたんだ。二十分ぐらい、何とかならんのか」
「ちょうどいい列車が、ここにあることはあるのですがね」
 浦上は時刻表を突き出した。
 まさに、タイムリミットの、十七時四十分に、22番線ホームへ滑り込んでくる新幹線があった。�やまびこ16号�だ。
 これは福島発車が、十六時十五分となっている。在来線の福島到着は十六時十四分。
「おい、ほんのちょびっとだが、福島で�乗り換える時間�があるな」
「本気ですか。一分ですよ」
「在来線の福島到着が、�やまびこ16号�発車の後なら論外だ。しかし、たとえ一分にしろ、在来線到着の方が早い。そこに、何か仕掛けられないか」
 谷田は真顔だった。
 だが、標準で九分と明記されている乗り換え時間を、いくら何でも、一分に短縮することは不可能だろう。
 今朝早く横浜を発ったとき、推理の中心に据えられていたのは、�京都�だった。�京都�を覆っていたなぞは、無人駅との遭遇で消えた。
「行きの�京都�が、帰りは�福島�に変わったか」
「福島が渦の中心にくるとは、考えもしませんでしたね」
「先行の特急列車に追い付く、アリバイ崩しをやったことがあったな」
「この場合は、それこそ絶対に不可能ですよ。福島には空港がありません。空路が駄目なら、地上でもっとも速く、かつ正確なのは新幹線です。しかし、この場合は、先行も後続も、同じレールの上を走る、同じ�やまびこ�なのですよ」
「また�同じ�か。�同じ�である点に、船岡みたいな、おかしなトリックがあるのかもしれないぞ」
「�やまびこ�という点は同じでも、停車駅は違いますね」
 浦上は時刻表を、ひざに置いた。
 先行の�やまびこ16号�は、福島を出ると、大宮までノンストップだ。すなわち、福島を発車してからは、大宮と、終着の上野にしか停車しない。
 一方、宮本が乗ることのできる、後続の�やまびこ122号�は、大宮の他に、郡山、宇都宮と、二駅余分に停車する。
 従って、所要時間も、後続車の方が、十一分余計にかかる計算だ。
「逆なら別ですが、先行車の方がスピードがあるのでは、こりゃ、ますますもって追い付けっこありませんよ」
「しかし、犯人《ほし》は宮本だ。いまさら、宮本以外に考えようもあるまい」
「もちろん、犯人《ほし》が宮本であることは動きません。でも、どうすれば、先行の�やまびこ�に追い付けるのですか」
「追い付くんじゃない。福島で乗り込むんだ」
 谷田は話を戻した。
「これに乗車しない限り不可能な犯行なら、犯人《ほし》は、必ず先行の�やまびこ�に乗っている。それが論理ってものだろう」
「そりゃ、そうかもしれませんが、在来線の到着と、�やまびこ16号�発車の間に存在するのは、わずか一分ですよ。一分で何ができますか」
「�一分�に何を仕掛けることができるか、福島へ行ってみるしかないな」
 谷田が重い口調でつぶやいたとき、二人を乗せた�ひかり348号�は名古屋に到着し、二分の停車で、名古屋駅のホームを離れていた。次の停車駅が新横浜だ。
 車窓から見える秋空が、次第に透明さを欠いて、夕方が近付いている。
「明日は、宮本が上野西署へ出頭する。何としても、捜査本部よりも先に、やつのアリバイを崩したい」
 谷田は窓の外へ目を向けたが、移り変わる風景を見てはいなかった。
 浦上にしても同様である。
 いま、東京へ向かう東海道新幹線に揺られながら、浦上が見ているのは、上野へ向かう東北新幹線の、車窓を過る四日前の風景だった。殺人現場へ直行する、宮本が眺めていた風景。
 あの日は、今日のような快晴ではなかった。列車が東京へ近付くにつれて、黒雲が厚くなっていたのである。
 宮本は、上野到着を二十分速める、いかなる手段を持っていたのだろう?
 京都と同じように、福島へ行けば、霧の中のトリックが見えてくるのか。
 列車の進行に比例して、再度、どうしようもない沈黙が、浦上と谷田を覆った。
 京都駅頭で感じたある種の充実感など、跡形もなく消えて、行く手に見えるのは、四日前の厚い黒雲だけだった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%