日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

運命を変えた一球19

时间: 2019-05-09    进入日语论坛
核心提示:石毛宏典 勝負の怖さを知った いきなり金の話から書く。石毛宏典遊撃手(駒大、西武)は契約金8000万円、年俸800万円で
(单词翻译:双击或拖选)
石毛宏典 勝負の怖さを知った
 
 いきなり金の話から書く。石毛宏典遊撃手(駒大、西武)は契約金8000万円、年俸800万円で入団した。それが2年目の年俸となると、850万円アップの1650万円。現在の“プロ野球年俸順位番付”から推定すると、50─55位にランクされる。
 あの原辰徳三塁手(巨人)でさえ、年俸1440万円で73─77位である。なぜ、石毛は850万円もアップしたのか。それは新入王と同時に、次の記録を見れば納得がいく。
〈試合数121、打数409、安打127、打率3割1分0厘5毛、本塁打21、打点55、盗塁成功25、盗塁失敗9、盗塁成功率73・5%、犠打39、四球44、三振96、併殺打5〉
 同じ新人王でも長島茂雄三塁手(巨人)の打撃は3割5厘であった。それならなぜ、石毛はこれほど打てたのか。私は“開幕日”だったと思う。
 昭和56年4月4日、つまり開幕日である。川崎球場でロッテ対西武1回戦が行われた。開幕日だから、東尾修投手(西武)と村田兆治投手(ロッテ)の両エースが登板した。
 いまから24年前の昭和33年4月5日の開幕日、後楽園球場で行われた巨人対国鉄1回戦では、新人長島が金田正一投手(当時国鉄)から4打席4三振したが、石毛はどうだったのか。
“時速145キロ男”村田の速球、フォークボールにふるえ上がったのか。とんでもない。三振どころか、石毛は村田を打ちに打った。
「第1打席中前安打、第2打席右前安打、第3打席右翼席本塁打、第4打席二ゴロ」
 要するに、村田から4打数3安打、1本塁打である。
 ここでプロ野球史上、大物新人たちのデビュー打席を伝えると、
 ▽29年=野村克也捕手(峰山高、当時南海)三振。
 ▽34年=張本勲右翼手(浪商、当時東映)三振。
 ▽同=江藤慎一左翼手(熊本商、当時中日)一飛。
 ▽41年=長池徳二右翼手(法大、阪急)右飛。
 ▽44年=田淵幸一捕手(法大、当時阪神)三振。
 ▽45年=谷沢健一一塁手(早大、中日)中前安打。
 ▽46年=荒川堯三塁手(早大、ヤクルト)三振。
 いかに石毛がエース村田から記録した中前安打が、びっくりするものかわかると思う。
 さて私は1月中旬、西武所沢球場で自主トレーニング中の石毛を訪ね、本書のための取材をした。
「あなたが昨年を振り返って、この人物こそ本当のプロフェッショナルだったなあ、この投手こそ最高に恐ろしい男だったなあ、この1試合こそ忘れられないというものがありましたか」
 私のこの質問が終わると、石毛はポンと答えた。質問から回答までに2秒と間隔がない。そのことはいつも石毛の頭の片隅に、その人物が住みついていたという証明ではないのか。
 私は石毛の回答を聞いて腰を抜かした。
「いま思い出しても、ぞっとするような、最高のプロフェッショナル投手は、ロッテの村田兆治さんですね」
 くりかえすが、石毛は村田を相手に開幕日、3打席連続安打している。ぞっとするどころか、好きな男ではないのか。それなのになぜ、石毛は村田を怖がるのか。
「夜、ふとんに入って、平和台での対ロッテ戦(9月27日、12回戦)を思い出すと、いまでも体がぶるぶるふるえますね。あのときの村田さんは人間じゃない、鬼だと思いましたね」(石毛宏典)
 石毛の話を取材したあと、開幕日から問題のロッテ対西武12回戦の試合前までにおける“石毛対村田”の勝負を調査してみた。
〈中前安打、右前安打、右本塁打、二ゴロ、左前安打、遊ゴロ、一邪飛、中前安打、三振、四球、四球、投ゴロ、二飛、三振〉
 この勝負は14打席のうち12打数5安打、打率4割1分7厘、出塁率5割。だれが判断したって石毛の勝ちである。それがたった平和台の1試合で、石毛がふるえ上がってしまった。
 いったい、この試合でなにが起きたのか——。
 男が本当にふるえ上がるというのは、どういう場面なのか。それを石毛が教えてくれた。
 昨年9月27日、平和台球場でロッテ対西武12回戦が行われた。参考資料として、この試合の背景を伝えよう。
 日本ハムの優勝はすでに決定している。それなら、この時点で3位ロッテと4位西武の消化試合なのか。とんでもない。この試合を日本中のファンが見つめていた。石毛と落合博満二塁手(ロッテ)の首位打者あらそいがかかっていたからである。
 この試合の始まる時点で、首位打者落合は「試合数124、打数415、安打136、打率3割2分8厘」だったのに対して、打撃2位の石毛は「試合数116、打数389、安打125、打率3割2分1厘」である。
 しかし、もし落合がこの試合で4打数ノーヒットなら、打率3割2分4厘5毛に落ちる。逆に石毛が4打数3安打なら、打率3割2分5厘6毛で逆転首位打者になってしまう。ロッテは残り3試合、西武は残り5試合だから、石毛も落合も首位打者争いに体を張っていた。
 さて、先発投手が発表されると石毛は腹の中で“しめた”と思った。
「うまくいったら、この試合で逆転首位打者になれるかな」
 石毛はそんな思いで第1打席に立った。それが2分後、真っ青な顔で三塁側ダグアウトにもどってきた。
 初球、速球を空振り▽2球目、速球をファウル▽3球目、フォークボールを空振り三振。つまり3球三振なのだ。
 この日、村田は目がすわっていた。
「石毛に打たれたら、同僚でもあり、後輩でもある落合の首位打者はなくなる。なんとしても落合に首位打者のタイトルをとらせたい」
 そういう気持ちから、速球はより重く、フォークボールは音をたてて落ちるようだった。
 第2打席、こんどは石毛の目がすわっていた。
「初球、速球ボール▽2球目、速球空振り▽3球目、速球見逃しストライク▽4球目、フォークボールをファウル▽5球目、速球見逃し三振」
 これで2打席連続三振である。
 第3打席、石毛はバットを代えた。935グラムを942グラムと7グラム重くし、それを短く握った。重いバットで叩きつけてみようと思った。
「初球、速球見逃しストライク▽2球目、速球ボール▽3球目、速球ボール▽4球目、速球空振り▽5球目、フォークボールをファウル▽6球目、速球を捕邪飛」
 2打席連続三振の次は捕邪飛である。第4打席、もう一度重いバットで打った。
「初球、速球ボール▽2球目、速球ボール▽3球目、速球空振り▽4球目、フォークボール見逃しストライク▽5球目、速球を左飛」
 第5打席は一番ひどかった。
「初球、速球ボール▽2球目、速球ボール▽3球目、速球見逃しストライク▽4球目、フォークボールを見逃しストライク▽5球目、速球ボール▽6球目、フォークボールを見逃し三振」
 なんのことはない。5打席のうち3三振、捕邪飛、左飛。投球数25球のうち、見逃しストライク7球、空振り5球、ファウル3球、ボール8球。まともにフェア圏内にとんだのは1本しかない。
「たとえ同僚のとはいえ、タイトルがかかると、ガラリと変わる。これがプロフェッショナルというものか」
 試合が終わると、石毛はガツンと胸にこたえるものがあった。そしてこうも思うのだ。
「カネがかかってないところで打ち、カネがかかっているところで三振するオレは、村田さんから見れば大アマちゃんよ」
 最終的に、落合は打率3割2分6厘で首位打者、石毛は3割1分0厘5毛で7位になった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%