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日本史の叛逆者16

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示:     16「伊予《いよ》において、敵の本軍を迎え撃つ」 驚きの声があがった。 軍議の席にいる武将の多くは、たしかに強硬
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「伊予《いよ》において、敵の本軍を迎え撃つ」
 驚きの声があがった。
 軍議の席にいる武将の多くは、たしかに強硬派である。
 しかしながら、とりあえず戦《いくさ》の常道として、勝ちを取るということがある。
 勝ちを取るというのは、敵の弱点を突き、局地的な勝利をあげることによって、味方の戦意を盛り上げることであった。
 単に士気を盛り上げることだけではない。
 勝ちを取れば、周辺の中立勢力も勝ち馬に乗る。緒戦《しよせん》に勝つか負けるかで、その帰趨《きすう》は大きく左右される。
 したがって、まず素早く勝ちを取って、その勝利を大きく喧伝《けんでん》し、戦を有利に進めるというのが田舎《いなか》豪族の戦法であった。
 それが常識であっただけに、いきなり本軍を迎え撃つという、いわば正攻法に、諸将は驚きの声をあげたのである。
「兄上、ちと博奕《ばくち》が過ぎるのではないか」
 一座の空気を代表して、弟で香宗我部《こうそかべ》家を継いでいる親泰《ちかやす》が、元親《もとちか》に訴えた。
 元親は笑って、
「博奕? なるほど、そのとおりだな。親泰。わしは、ここに留守居《るすい》の兵は置かぬぞ」
「兄上、気は確かか?」
 親泰は、思わず軍議の場であることを忘れ、兄に対する弟の口調で言った。
 城には、留守居の兵を置くのが常識である。
 そうでなければ、敵に取られてしまうからだ。
 城というものは、一度敵に取られてしまうと、取り返すのはなかなか難しい。
 だから、出撃する場合は、それがどんな重要な戦いであっても、最低限、城を守れるだけの兵を置くのが常識である。
 もしそれをしないとなれば、残る方法は一つしかない。
「城には火をかける」
 元親は言った。
 全員が、驚きの目を元親に向けた。
「何を不思議がっておる。このたびの戦いは、乾坤一擲《けんこんいつてき》の勝負ぞ。城に逃げ帰ることを考えていては、勝てる勝負も勝てぬわ」
「仰《おお》せのとおりです、父上」
 信親《のぶちか》が立ち上がった。
「我ら一同、決死の覚悟をもって、敵に当たります」
「よくぞ申した」
 元親は、すかさず誉《ほ》めた。
 元親の本心は、実は降伏にある。
 本来なら、戦わずして敵に降《くだ》ったほうが、身の安全も財産も保てるというのが普通の考え方である。
 だが、元親は戦国の厳しい時代を生き抜いてきた英雄だけあって、その安易な道こそ、もっとも危険なものだということに気がついていた。
 敵に後ろを見せるような武将は、結局なめられる。
 そして、一度なめられてしまえば、もはや、その権威を取り戻す方法はないのである。
 戦わずして全面降伏してしまえば、おそらく土佐一国すら安堵《あんど》できまい。
 ここで長宗我部家が生き残るためには、まず決死の覚悟で敵に当たり、「長宗我部、侮《あなど》りがたし」との印象を敵に与えることだ。
 そうすれば、その強い兵をみずからの陣営に迎え入れたいという思惑《おもわく》がはたらく。
 つまり、講和の条件ができるのである。
 それが、老獪《ろうかい》な元親が心のうちで考えていることであった。
(四万のうち、どれほどの兵が生き残れるか。おそらくは、三千、五千の犠牲《ぎせい》は出るであろう。だが、やむを得ぬ)
 秀吉《ひでよし》の本軍は、七万五千とも八万五千とも言われている。
 仮に七万五千だとしても、こちらのほぼ倍の人数。
 しかも戦意は、きわめて高い。
 それでも敵の弱点は、おそらく三つあると元親は読んでいた。
 その一は、混成軍であるがゆえに、統一性が取れないということである。
 それぞれが手柄を立てようと躍起《やつき》にはなっているが、統一的な行動がしにくいということは、逆に言えば、各部隊を各個撃破できる体制がとれるということである。
 第二に、自分たちだけではないという安心感が、裏目に出ることがある。
 七万五千の本軍のほかに、五万五千の別働隊がやってくる。
 そして、人数は少ないが地元の三好《みよし》勢が、阿波《あわ》のいくつかの城に籠《こも》っている。
 数量的には圧倒的に有利だが、心理的にはそうではない。
 ほかにたくさん味方がいるということは、自分の態勢が不利になったときに、それに頼る心が出る。
 自分たちだけだと思えば、最後までふんばるが、ほかに味方がいるということを考えると、力が抜けてしまうことがある。
 いわば、大軍の驕《おご》りというべきものである。
 そしてもう一つは、おそらく秀吉は、長宗我部軍がまず、羽柴秀長《はしばひでなが》率いる別働隊か、阿波の城攻めをすると読むであろうということだ。
 前にも述べたとおり、このような場合は、まず弱いところを突いて勝ちを取る、というのが常識だからである。
 しかし、元親は、その裏をかくつもりでいた。
 秀吉は、まさか、全体から見れば三分の一の人数しかいない長宗我部軍が、直接本軍に当たってくるだろうとは、夢にも考えていないはずだ。
 その油断が、こちらのつけ目である。
「では、二刻《にこく》後に出陣する。各自、支度をととのえよ。思い残すことがあれば、城とともに焼いていけ。よいか、しかと申し渡したぞ」
 元親の命令に、いまや死を覚悟した一同から、「おう」という鬨《とき》の声があがった。
「父上。冥土《めいど》の土産《みやげ》に、長宗我部|侍《ざむらい》の心意気を信長《のぶなが》めに見せてやりましょう」
 信親は、六|尺《しやく》五|寸《すん》もある堂々の偉丈夫《いじようふ》で、武勇に優れたばかりでなく、智略もあり、元親自慢の息子だった。
 だが、このとき、元親は少し不安をおぼえた。
(信親、先頭に立つでないぞ。この戦は、あくまで長宗我部が生き残るための方便《たつき》。そなたが死んでは、元も子もない)
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