日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本史の叛逆者33

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示: 大海人方の将軍村国男依は大津京を完全に制圧した。 粟津で、大友方の将軍犬養連五十君と谷直塩手を処刑した後、余勢をかって
(单词翻译:双击或拖选)
 大海人方の将軍村国男依は大津京を完全に制圧した。
 粟津で、大友方の将軍犬養連五十君と谷直塩手を処刑した後、余勢をかって男依の軍団は大津京へ入ったのである。
 既に大友方の軍団はすべて壊滅していた。
 大友の側近である左大臣|蘇我赤兄《そがのあかえ》、右大臣|中臣金《なかとみのかね》ら、重臣はことごとく捕われた。
 男依は信頼できる部下を数人引き連れ、兵火にかかった大津京跡を検分した。
 ただ一つ気になっていたことが、無事片付いたのである。それは大津京を滅ぼしたことではない。
「男依——」
 名を呼ばれて、男依は急いで剣をはずすと、大地に額づいた。
 そこに現われたのは、数人の侍女に囲まれた白衣の若い女性である。
 大友の帝の后で、そして大海人皇子の娘の十市《とおちの》皇女《ひめみこ》である。
「皇女様、よくぞ御無事で」
 男依が最も気にかかっていたのは、このことである。
 大海人に無事助け出すよう厳命されていた。
 だが、それだけではない。
「男依、戦いは勝ったのですね」
 十市は、まるで石のように生気のない白い顔で、聞き取れないほどの低い声で言った。
「はい」
 男依はおそるおそる十市の顔を見た。
(ああ、おやつれになった)
 男依は痛ましさに言葉を失った。
 父と夫が生死をかけて争ったのである。
 その争いに際し、皇女は、最後は父に味方した。
「わが君はいかがなされたであろう」
「——」
 男依は、ますます返す言葉がない。
 その「わが君」、大友の帝を討たねばならないのだ。
「そなたが、帝のお命を奪おうとしていることは、わかっています」
 十市は、まるで他人事のような口調で、
「でも、何とか異国《とつくに》へでもお逃がせすることはできぬのであろうか」
 男依も覚悟を決める他はなかった。
「なりませぬ」
「——」
「帝が、百済《くだら》へでも渡られることになれば、それこそ一大事でございます。この国が二つに割れてしまいます」
 十市は目をかっと見開いて、男依をにらんだ。
「——だから、お命を奪う、と申すのか」
「はい。これは、お父上の御命令でございます」
「それにしても——」
 と、十市が何か言いかけた時、興奮した伝令が男依のもとへ駆け込んできた。
 そして、そのまま男依の許可も得ずに、叫んだ。
「帝の御首級、ただいま物部麻呂殿が持参なされました」
「たわけ者!」
 男依は厳しく叱責した。
「控えるがよい、皇女様の御前であるぞ」
 そう言われた伝令は、初めて十市の存在に気付き、あわてて平伏した。
 だが、もう手遅れだった。
 十市は、みるみる血の気を失い、その場に崩れ落ちた。
「皇女様」
 侍女があわてて支えるところへ、男依も立ち上がって、
「急いで、お移し申せ。あちらに焼け落ちておらぬ建物がある」
 男依は部下に命じて案内させた。
 そして十市が支えられて、その場を去ると、地面に這いつくばっている伝令に声をかけた。
「帝の御首級はいずこじゃ?」
「はっ、あちらに、御案内致します」
 伝令は先に立って歩き始めた。
 かつての大極殿の裏方に、麻呂は悄然と立っていた。
 男依が来ると、あわてて平伏した。
「帝の舎人頭ともあろう御方が、そのようになさることはあるまい」
 男依は吐き捨てるように言った。
 麻呂は肩をぴくりと震わせたが、何も言い返さず、ただうつむいている。
 首は、地面の土を少し盛り上げたところに、無造作に置かれていた。
(おいたわしや)
 男依は涙を禁じ得なかった。
 その顔は苦しみの表情に満ちている。
 恨みよりも、痛みが激しかったのだろうか。
「麻呂殿、まさか、そなたが帝を討ったのではあるまいな」
「滅相もない」
 麻呂は顔を上げて、泣きそうな表情で、
「帝は、御井の裏山で自ら縊《くび》られたのだ。わしは、その首を運んだまでのこと」
「主の首を斬り取るとは、いかなる心地がするものか」
「将軍!」
 麻呂は、今度はにらみつけるように、
「わしとて、かようなことはしたくはなかった。だが、そうすれば、妻も一族も助けると、口車に乗せられてな」
 男依はその話に興味を持った。
「誰かな、その口車の主は?」
「それは——」
「将軍、それは、このわしのことだ」
 背後から押し殺したような声がした。
 男依はびくっとして振り返った。
 いつの間にか虫麻呂がそこにいた。
「おぬしか」
 男依はあまりいい気持ちがしなかった。
 この虫麻呂という男、何かというと人の背後に回る癖がある。
(いやな男だ)
 大海人皇子の忠実な犬であることは、よくわかっている。男依自身も皇子には忠誠を誓っている。しかし、どうもこの男を仲間と考えたくはない。
 だが、虫麻呂はそんな男依の胸中を知ってか知らずか、
「将軍、皇子《みこ》様の御下知を伝える」
 虫麻呂は立ち上がった。
 逆に男依の方がその場に跪《ひざまず》き、配下の兵士もこれにならった。
 それを見て麻呂も、のろのろとした動作で同じように跪いた。
「大友の、——皇子の首を取り、本陣まで持参せよ、とのお言いつけだ」
 虫麻呂は、もう大友のことを帝とは呼ばなかった。
「なんと」
 男依は驚いて顔をあげた。
「首を取れとは、皇子様の御指示か」
 虫麻呂はうなずいて、
「このたびは首が要《い》る。世の変ったことを民に知らしめねばならぬ、そのように仰せられたのだ」
「——」
「これは皇子様の御指示ではないが、この際、首を先頭に高々とかかげ、不破の関まで戻られるのがよかろう。それが皇子様の御心にかなうというもの。また、この麻呂殿の手柄はただちに御報告せねばなるまいな」
「おぬしの指図は受けぬ。わが君は皇子様ただ一人——」
 男依は憤然として立ち上がった。
 虫麻呂は別に怒りもせず、
「では、確かに伝えましたぞ」
 と、それだけ言うと、その場から走り去った。
(犬か、犬の足は早い)
 男依は視線を大友の首に戻した。
(そこまでせねばならぬか)
 この首を、軍の先頭にかかげ、美濃国まで凱旋《がいせん》せねばならぬのか。
(やむを得ぬ)
 人の道に反することかもしれぬ。
 しかし、大海人が多分そこまで望んでいるだろうことは、男依にもよくわかっていた。
(許されい、大友の帝、もとはと言えば、御父君《おんちちぎみ》が、お悪いのです)
 男依は兵士に命じて、大友の首を白絹に包ませた。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%