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日本史の叛逆者83

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示: 前代未聞の一挙は成功した。 中大兄の呼びかけによって、朝廷の重臣たちは大多数が行を共にした。 ある朝、帝が目覚めてみる
(单词翻译:双击或拖选)
 前代未聞の一挙は成功した。
 中大兄の呼びかけによって、朝廷の重臣たちは大多数が行を共にした。
 ある朝、帝が目覚めてみると、臣下がいなくなっていた。
「これ、誰かおらぬか」
 帝は衣服を着替えることもできずに、寝所を出て殿舎の中をさ迷い歩いた。
「誰かおらぬのか」
 帝の声は、長い廊下に空しく響くだけであった。
 へなへなと腰砕けて、床に手をついた帝は、めまいを覚えた。
(この屈辱、耐えられぬ)
 帝は思った。
 これほどの屈辱があろうか。
 怒りもある。
 憎悪もある。
 しかし、何よりも屈辱感が、帝の神経を切り刻んでいた。自分は朝廷の百官や舎人たちにも見捨てられたのである。
 そのうえ、后にすら——。
 立ち上がる気力すら失せていた。
 そのまま、どれくらいの時間が過ぎただろう。
「父上——」
 駆け寄ってくる足音と共に、若々しい声が聞こえた。
 帝は顔を上げた。
「おお、有間《ありま》ではないか」
 息子の有間皇子の顔がそこにあった。
「さあ、お手を」
 息子のさしのべる手に、帝はようやくすがった。
「参りましょう」
「どこへ行く?」
「わが館へ」
「いや、それはならぬ」
 帝は首を振った。
「朕《ちん》はこの国を統《す》べる者じゃ。それが、この宮殿を離れるわけにはいかぬ」
「わかりました」
 有間はうなずいて、
「では、わたくしの館より、身の回りのお世話をする者を差し向けましょう」
「いや」
 帝は首を振った。
「——?」
 有間は、その真意を測りかねた。
「それよりも、そなたがここへ移って参るのがよい」
「それでは、あまりに——」
「いや、遠慮するでない。——そなたは、朕の実の息子ではないか」
「はい」
 有間は思わず返事をした。
 背は高く肌は白く、女のような優しい手をしている。
 しかし、その柔和な表情とは裏腹に、なかなか性根のすわった青年であることを、帝は気付いていた。
「中大兄などを皇太子《ひつぎのみこ》にしたのが、まちがいであった」
 帝は息子の肩に手をかけて言った。
 有間はびくっと肩をふるわせた。
「そなたを皇太子にしよう」
「——」
「どうした、嬉しゅうはないのか?」
「は、はい」
 有間は心の中では、こう考えていた。
(いま皇太子など、うかつに受けては危ない。あの中大兄が黙っているはずがないからな)
 皇太子になるということは、中大兄の地位を奪うということだ。
 それが、この際、最も危険な賭けであることを、有間は知っていた。
「さあ、父上、お休みになるのがよいでしょう」
 有間は、帝を抱きかかえるようにして、寝所に連れていった。
 そして、父を休ませると従者を呼んで、とりあえず身の回りの世話をする者を、館から呼び寄せることにした。
 まだ、ここに住む決心がつかなかった。
(中大兄の疑いを避ける工夫をしない限り、ここには住むこともかなわぬ)
 有間はそれを考えねばならなかった。
 
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