日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本史の叛逆者105

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示: 募兵のため二カ月滞在した軍団は、熟田津を出港して海を渡り、那大津に上陸した。 中大兄は、ただちに仮宮を造らせた。 長津
(单词翻译:双击或拖选)
 募兵のため二カ月滞在した軍団は、熟田津を出港して海を渡り、那大津に上陸した。
 中大兄は、ただちに仮宮を造らせた。
 長津宮《ながつのみや》である。
 しかし、それはあくまで仮のもので、ここに腰を据えて半島を攻めるためには、もう少し恒久的な施設が必要だった。それを、中大兄は朝倉という場所に建設することにした。
 朝倉には土地の神を祀る古社が鎮まっている。中大兄が宮殿を造ろうとした場所は、この社地にあたっていた。
「かまわぬ、木を伐《か》って森を開け」
 中大兄は命じた。
 現地で徴発された人夫は、それを聞くと青くなって首を振った。
「できませぬ」
 その言葉が役人を通じて中大兄に伝えられると、中大兄は烈火の如く怒った。
「なぜだ」
「祟りがあるからと、申しております」
 役人はおそるおそる答えた。
「何が祟りだ」
 中大兄は役人を怒鳴りつけて、
「われらは天津日継《あまつひつぎ》の皇軍だ。われらのなすことに、神々の祟りがあろうはずがない」
「——」
「かまわぬ、伐れ。伐ってしまえ。命令を聞かぬとあらば、聞かぬ者の首を伐れ」
 中大兄の厳命に、社地の森はほとんど伐採され、新しい宮ができた。
 五月のことである。
 中大兄はここでも兵を募っていた。九州の兵は強い。その強さは東国の兵に優るとも劣らぬほどである。
 また、船も新しく造っていた。
 古くから大陸との交流があるので、船を造る技術も場所も事欠かない。
 その準備期間であった。
 中大兄は木の香りも新しい新宮へ、母の遷座を願った。
「悪い噂を聞きましたよ」
 廷臣の並ぶ中で、女帝は中大兄に言った。
「なんでしょう」
 中大兄は表情を変えずに言った。
「そなたが、新しい宮を築くため、古き神々の社地を犯したとか」
「根も葉もない噂でございます」
 中大兄は言い切った。
「本当にそうかえ」
「——母上は、わたくしの言葉より、根も葉もない噂の方をお信じになるのですか」
 中大兄は言い返した。
 女帝は沈黙した。
 証拠があってのことではない。
「ならば、そなたを信じましょう」
 女帝は新宮に入った。
 ところが、中大兄が予期もしなかった事態が起こった。女帝が病いの床についたのである。
 中大兄は初めは甘く見ていた。
 単なる疲労と見たのである。
 しかし、病状は悪化の一途をたどった。
 七月に入ると、このまま床を上げることはないと、誰の目にもわかった。
 なにしろ六十八歳である。女性の方が長命とはいえ、この歳まで生きられたとは、むしろ幸運といっていい。
 女帝はその月の十日を過ぎると、中大兄と大海人を枕頭に呼んだ。
「わらわは、もういけませぬ。後のことは頼みましたよ」
「母上、何をお気の弱いことを」
 中大兄が心にもないことを言った。
 女帝の顔は土気色で、もう長くないことは誰の目にも明らかだった。
 女帝は中大兄をにらむように、
「葛城《かつらぎ》」
 と、その幼名で呼びかけた。
「葛城、そなたは才はありますが、誠が少々足らぬようじゃ。国の主として、もう少し、そのあたりを考えなさい」
「——はい」
 いつもなら反駁するところだが、相手が病人であることもあって、中大兄は一応はうなずいた。
「そなたには苦労をかけましたね」
 と、女帝は大海人には優しい言葉をかけた。
「母上」
「そなたはこの世に生まれた時から、不運がつきまとっていた。その不運はこの母が招いたもの。許しておくれ」
「許すなどと、とんでもないことです」
 大海人の目に涙があふれた。
「それから、それから——」
 女帝は中大兄の存在など、もう眼中にないように、
「もし、かの君に会うことあれば伝えておくれ。——わらわは異国へ行くことも辞さぬ気であったと」
「母上」
 大海人はたまらず前に出て、母の上にかがみ込んだ。
 母は笑みを浮かべていた。
 三日後、女帝は眠るように息を引き取った。
 ただちに遺骸は棺に納められ、殯宮《もがりのみや》が造られた。
「皇太子様、この上はただちに都へ引き上げ、母の帝の大葬を行なうべきです」
 大海人は、母の棺の前で、おだやかな口調ながら断固として言った。
「馬鹿な、何を申す」
 中大兄は一笑に付した。
「——われらは百済救援のために来たのだぞ。ここで引き上げては、百済が今度こそ本当に滅びてしまう」
「ではございましょうが、ここはやはり子としての道を——」
「百済救援という大義の前には、すべて忍ばねばならんのだ」
「——」
「わしとて、本来なら即位の礼をあげねばならぬ。しかし、わしは勝つまでは、せぬつもりだ」
「では、どうなさる」
 大海人は目を丸くして言った。
「このままだ」
「このまま?」
「そうだ、皇太子として指揮をとる」
「すべては、勝ってから、と仰せられますのか」
「その通りだ。そなたにも従ってもらうぞ」
「——」
「どうした、皇太子の言葉に逆らうというのか」
「いいえ」
 大海人は苦いものでも飲み下すような顔をして言った。
「ならばよい」
 中大兄は胸を張って去った。
(棺だけでは足らぬ。郭《そとばこ》を作らねば)
 大海人は思った。
 既に棺からは腐臭が漏れ出ていたのである。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%