日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本史の叛逆者134

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示: 鎌足の死で、帝と大海人《おおあま》の対立は決定的になった。 もはや、帝は皇太弟たる大海人の立場を無視することにした。 
(单词翻译:双击或拖选)
 鎌足の死で、帝と大海人《おおあま》の対立は決定的になった。
 もはや、帝は皇太弟たる大海人の立場を無視することにした。
 太政大臣に、息子である大友《おおとも》皇子を任じ、側近の蘇我|赤兄《あかえ》を左大臣、中臣金《なかとみのかね》を右大臣にした。
 特に、太政大臣はこれまでにない新設の官であった。
 帝が後継者として、大友の地位を確固としたものにするため、新たに設けたのである。
 大海人の政治的立場はまったく失われた。
 あるのは、大友の正妃である十市《とおちの》皇女《ひめみこ》の父としての立場だけだ。
「いっそのこと、退隠するか」
 大海人は、妻の|※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野《うの》に言った。
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は、眉をひそめて、
「それは本心でございますか」
「本心だと言ったら?」
 大海人は※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野を見た。
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は、露骨に蔑《さげす》みの色を見せて、
「逃げるのは嫌でございます」
「逃げるのではない、退くのだ。退くのも兵法のうちだぞ」
「そうでしょうか」
「そうだ。そなたのように、進むを知って退くのを知らぬのは、猪と同じだ。いずれ大けがをするか、敵に捕まる」
「敵とはどなたのことでしょう?」
「——」
 大海人は絶句した。
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は帝の娘なのである。
「もし、わたしが——」
 それだけ言って、大海人は言葉を濁した。
 だが、※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は敏感に察した。
「もし、帝と対立することがあれば、どちらに味方するか、ということでございますか」
「——」
 そうだ、とは大海人には言えなかった。
 そんな日が来ないことをのみ念じていたからである。
「わたくしは、あなたに味方します」
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野はきっぱりと言った。
「よいのか」
 大海人は、むしろ呆れたように、妻の顔を見返した。
「よいのです」
「わかった。もう言うな」
 それは大海人にとって、最も心強い知らせだった。
 大海人と※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は顔を見合わせた。
「いい妻を持ってよかったと思っている」
 大海人が言ったその時だった。
 帝からの使者が、大海人のもとへやって来た。
 至急の召喚である。
「一体、何事だ」
 大海人はとりあえず仕度をした。
「あなた、お気をつけになって、何か嫌な予感が致します」
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野が言った。
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は勘の鋭い女である。
 悪い予感は、はずれたことがない。
「わかった」
 大海人邸から宮殿までは、わずかな距離である。
 使者の蘇我臣安麻呂《そがのおみのやすまろ》が、門の外で待っていた。大海人を宮殿に導くためである。
「御苦労」
 大海人は声をかけて、馬に乗ろうとした。
 その時、安麻呂はすうっと近付き、小声で言った。
「帝の御前では、言葉にお気をつけ下され」
 大海人は少し動きを止めたが、何も言葉を返さずに、馬に乗った。
(言葉に気をつけろ、とは——)
 おおよその見当はついた。
 宮殿に近付くと、今度はどこからともなく虫麻呂《むしまろ》が現われた。
「——なにやら、ただならぬ気配が致します」
「宮殿の中にか」
「はい」
 馬の歩みに沿って、虫麻呂は、小走りについて来た。
「行かれぬ方がよいと存じます」
「いや、そうもなるまい」
 大海人は真っ直ぐに前を見据えて言った。
「しかし、むざむざ火中に飛び込むこともございますまい」
「だが、行かねばまた新しい罠がかけられるまでのことよ」
「しかし——」
「いいから、このあたりに潜んでおれ」
 大海人は唯一人で参内した。
 帯びていた剣は、舎人《とねり》に取り上げられた。
 帝の前に帯剣して出ることは出来ない。
 帝は、いつもの場所ではなく、奥の間に一人で椅子に座っていた。
 その顔には焦悴の色が濃い。
「どうなされました?」
 大海人は驚いて言った。
「どうも体の具合がよくなくてな」
「それは、よくありませぬな」
 そう言いながらも、大海人はあたりの気配をうかがっていた。
 人数が伏せられているかもしれないのだ。
 気配が感じられた。
「この際、そなたに位を譲り、朕《ちん》は身を退こうと思うが、そなたの存念はどうか」
「いえ、とんでもない」
 大海人は跪《ひざまず》いて、頭を下げた。
「わたくしにそのような資格はありませぬ。御辞退申し上げます」
「なぜだ、こんなよい話はないではないか」
 帝は驚いて言った。
(語るに落ちたな)
 と、大海人は内心は思った。
 餌をぶらさげれば、すぐに飛びつくと思い込んでいる。
「もし、どうしても位をお譲りになりたければ、大友皇子にお譲りになればよろしいのではございませぬか」
「いや、かの者はまだ若い」
「ならば、皇后《おおきさき》様にお譲りなさればよろしいではございませぬか」
 大海人は間髪を入れずに言った。
「——」
「わたくしは、きょう限りに出家致します」
「出家——」
 帝は目を見はった。
「はい。仏道修行に励みたく存じます。家の舎人、兵器はすべて朝廷に献上致します」
 大海人は頭を下げ、そのまま逃げるようにして退出した。
 帝は声をかけたが、大海人は無視した。
 部屋の外へ出ると、大海人は舎人から自分の剣を受け取るやいなや、冠をはずして投げ捨てた。
 そして、そのまま剣を抜いた。
 舎人は顔を蒼白にして、後ずさりした。
「あわてるな」
 大海人は笑い、もとどりを切った。
「わしはきょうより坊主になる。もはやこれは要らぬ」
 と、大海人は剣を鞘におさめると、舎人に渡した。
「帝にお渡ししてくれ」
 大海人はくるりと背を向けて、力強い足取りで宮殿を出た。
(矢が来るか)
 それだけが気がかりであった。
 帝が断固たる意志を示して、衛士《えじ》をして自分を狙わせれば、避けることはできないかもしれない。
 だが、それは杞憂であった。
 大海人は無事に宮殿を出ることが出来た。
 邸に帰った大海人を見て、※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は絶句した。
「ふふ、驚いたか」
「どうなさったのです」
「——帝が、わしを殺そうとした」
「それは——」
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は二の句が継げない。
「それゆえ、先手を取って坊主になってやったのだ」
「これから、どうなさいます」
「一切の身代を朝廷に献上する」
「まさか」
「いや、そうせぬと、こちらの身が危ない。——頭を剃るから手伝ってくれ」
 大海人は奥に入ると、ただちに頭を剃り上げてしまった。
 ※[#「盧+鳥」、unicode9e15]野は夫の素早い決断に、ただ呆れていた。
 ただ、頭を剃ったついでに髭《ひげ》も落としてしまったため、夫が幾歳《いくつ》か若返ったように見えたのが、せめてもの救いだった。
 大海人一家は、その日の暮れぬうちに、邸を明け渡して吉野へ向かった。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%