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日本史の叛逆者137

时间: 2019-05-24    进入日语论坛
核心提示: その頃、海の向うの半島では、新羅討伐を命ぜられた唐の将軍たちが会議を開いていた。 唐と新羅は、手を組んで百済《くだら》
(单词翻译:双击或拖选)
 その頃、海の向うの半島では、新羅討伐を命ぜられた唐の将軍たちが会議を開いていた。
 唐と新羅は、手を組んで百済《くだら》を倒した時は、盟友であった。この盟友関係こそ、新羅による朝鮮半島の統一をもたらし、日本の勢力を駆逐した最大の原動力であった。
 しかし、いざ朝鮮半島の三国のうち、高句麗《こうくり》と百済が滅びてみると、唐は今度は新羅による半島統一を嫌った。
 唐にとっては、もともと領土を広げることが目的なので、新羅が朝鮮半島を統一し、ひとり強くなることは、唐の将来にとっても決して望ましいことではない。
「皆のもの、何か意見があれば述べよ」
 首座にある、劉徳高《りゆうとくこう》が言った。劉徳高は文官である。
 唐の朝廷は、文官が軍団を支配することになっている。将軍は直属の軍団を指揮はするが、最終的な判断は文官が下すのである。
 劉は、今や唐から派遣された朝鮮半島総督という立場にあった。
 ただし、このところ新羅の反抗が激しく、高句麗の遺将の反乱に大量の兵を送って力を貸したり、百済の独立運動を助けたりして、唐に刃向かってきている。
「この際、日本と同盟を結んではいかがでしょうか」
 真先《まつさき》に、近くにいた郭務《かくむ》|※[#「りっしんべん+宗」、unicode60b0]《そう》という男が言った。
 郭は、この度、将軍に抜擢されたばかりの最も若い軍人の一人であった。
 その男が勢い込んで、そのことを提案したのである。
 劉はうなずいた。
「そのことは考えていなかったわけではない。だが、日本が承知するか?」
 劉の心配はもっともであった。そもそも遠交近攻《えんこうきんこう》という策がある。
 遠交近攻策とは、遠くの国と交わって、隣の国を討つという、中国の伝統的な戦略であり、かつて秦《しん》の始皇帝が、この方法で中国全土を統一したことでも有名である。
 だいたい隣国同士というのは仲が悪いものだ。そこで、中国にとって邪魔なすぐ隣の国を討つために、さらにその隣の国と国を挟んで同盟を結ぶのである。
 そのようにして、邪魔な国を討った後は、その国が自分の領土になる。
 今度は、かつての盟友であった国と隣同士になる。そして、領土を広げるために、そのかつて盟友であった国を討つために、さらにその一つ隣の国と同盟を結び、その国を挟み討ちにするのである。
 現に唐が朝鮮半島を収めようとした時、この手を使っているのである。
 唐の南下政策に対して頑強に抵抗したのは、朝鮮半島の最も北方に位置した高句麗であった。
 そこで唐は、この高句麗を討つために、その南にある新羅と手を結んだ。そして、新羅と唐の連合軍は、首尾よく高句麗を滅ぼし、さらに百済も滅ぼし、ここに新羅による朝鮮半島統一が成ったのである。
 しかし、そうなってくると、もう新羅は唐にとっては邪魔者なのであった。
 そこで今度は、新羅のさらに隣の国である日本と同盟を結んで、新羅を挟み討ちにしようというのが、郭の提案であった。
 この方法は、中国の伝統的戦略であるから、劉も他の将軍たちもみんな知っていた。しかし、それでもあえて提案しなかったのは、日本が果たしてその手に乗ってくるかどうかということが、危惧としてすべての人間の心にあったからである。
 劉も、その点を質問した。
「しかし、日本の王はわが国を嫌っているというぞ。果たして、その手に乗るか」
 郭は頭を下げ、
「わたくしにお任せください。必ず日本の王を説得してみせましょう」
「ほう、どうやってやる?」
「まず、先年、白村江《はくすきのえ》の戦いの折、われらの捕虜となった日本人を送り返してはいかがでしょう」
「うむ、なるほどな」
「あとは、日本の王をさんざんおだて上げるのでございまする。先年からの使者の報告によっても、日本の王はおだてに乗りやすい性格だとの報告がまいっております」
 劉は黙って聞いていた。他の将軍たちも、郭の熱弁に次第に引き込まれていった。
「日本の王はわれらを恐れ各地にさまざまな城を築き、兵を養っておると聞きまする。しかし、そのために民衆の怨嗟の声も高く、戸惑いもあるようでございます。これはひとえに、われらの力を恐れてのこと。そのわれらがわざわざ出掛けて行き、捕虜を返してやり、辞を低くして同盟を頼めば、いかがなものでございましょう。かの王は、必ず乗ってくるのではございませぬか」
「だが、それは亡国の道だぞ」
 と、別の将軍が言った。
 郭はうなずいて、
「いかにも。それは、日本にとっての亡国の道でございまする。しかし、それほどのことが、かの王に判断できるでございましょうか。何といっても、蛮族の王でございまする」
「それはそうだな」
 と、劉が口を開けて笑った。将軍たちもドッと笑った。
 郭も笑顔でうなずいて、
「たかが蛮族の王一匹、わたくしの言葉でどのようにも、その気にならせてみせましょう」
「よかろう、やってみせい」
 劉はうなずいた。
「日本と新羅を噛ませるのだ。そして、日本が新羅を滅ぼし、日本もへとへとになってわれらの国に滅ぼされるがよい。はははは。皇帝陛下もさぞお喜びになるだろう」
 劉は再び笑って、その日の会議を終えた。
 郭には百済の捕虜、沙宅孫登《さたくそんとう》に命じて、百済人の捕虜を糾合させた。孫登は、かつて日本にいたことがあるので、日本語もうまい。
 郭はこの男を通訳にし、日本に捕虜を送っていくことを考えた。とりあえずそのために、孫登を獄から出してやり、自分の屋敷の庭に引き連れた。
「わしの命令を聞けば、生かしてやる。それどころか、わが朝廷に仕え、身の立つようにしてもやろう。どうだ、その気はないか?」
 孫登は長い獄中生活で気力が衰え、体力も衰え、髪はぼうぼうになり、垢だらけの体であった。
 だが、その言葉を聞くと、信じられないように大きく目を見開き、郭を見た。
「将軍、それはまことのことでございますか」
 郭はうなずいて、
「まことだ。そなたの言葉の才を買いたい」
「言葉の?」
 孫登は首をひねった。
「そなたは、わが国の言葉も日本の言葉も話せる。もちろん、百済の言葉にも通じておる。つまり三国の言葉が自由に話せる男だ。わしは、そなたのような存在が貴重だと思う。それ故に獄から出したのだ。わが部下となり、手足のように働くならば、将来を約束してやってもよいぞ」
 孫登は庭の土に額を擦《す》りつけて、
「かたじけのうございます。おっしゃってくだされば、わたくしはどんなことでもいたします」
「よし、ならば許してやる。そなたに考えてほしいことは、まず一つだ」
「なんでございましょう」
 孫登はけげんな表情をして、顔を上げた。
「日本という国の王をたらし込む、このことだ」
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