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中国怪奇物語013

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  竹青(ちくせい) 魚客(ぎよかく)は湖南の人だったが、どこの県の生まれかはわかっていない。 家が貧しく、役人になる試
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   竹青(ちくせい)
 
 
 
 
 魚客(ぎよかく)は湖南の人だったが、どこの県の生まれかはわかっていない。
 家が貧しく、役人になる試験に落ちて郷里へ帰って来る途中で、路銀(ろぎん)がすっかりなくなってしまった。だからといって乞食をすることも恥かしくてできず、腹が減って歩くこともできなかったので、漢江の近くの呉王廟(ごおうびよう)で休もうと思い、神前に祈ってから廊下で横になった。
 すると一人の男があらわれて、彼を呉王の前へつれて行き、ひざまずいていった。
「黒衣隊(こくいたい)の兵隊が一人欠員のままですので、この者を補欠として入れてはいかがでしょうか」
「よろしい」
 呉王はそういって、さっそく黒衣を彼に与えた。彼がそれを着ると、たちまち身は一羽の烏に化していて、翼を羽ばたいて飛びたち、烏たちが群れ集っているのを見ると、いっしょになって飛んで行き、あちこちの舟の帆柱にわかれてとまったりした。舟の上の人たちがあらそって肉を投げ上げてくれると、烏たちは空中に群がり、嘴(くちばし)で受けとめて食べた。彼もそれを真似ているうちに、たちまち腹がいっぱいになったので、森の梢に飛び帰って行って休み、すこぶる満足を覚えた。
 それから二、三日すると、呉王は彼に妻がいないことを憐れみ、竹青(ちくせい)という名の雌を娶(めと)らせてくれた。夫婦は愛しあって暮らした。彼は食べ物をあさりに行くとき、すっかり慣れてしまって、あまり要心をしなくなっていたが、竹青はいつもそれを諫(いさ)めた。しかし彼はいっこうにきかなかった。
 ある日、船で通りかかった兵士が弾(はじきゆみ)で彼をうって胸に命中させたが、竹青がどうにか彼をくわえてつれ帰ってくれたので、つかまらずにすんだ。烏たちは仲間がうたれたことを怒って、みんなで羽ばたきをして波をあおった。そのため荒波がおこって、船はことごとく転覆してしまった。竹青は自分で餌をとって来て彼に食べさせたが、彼の傷は重く、その日のうちに死んでしまった。
 ふと、夢から醒(さ)めたと思ったとき、彼はまだ呉王廟の中に寝ていたのである。それより前、村の人たちは魚客が倒れているのを見つけたが、どこの誰なのかわからない。躰(からだ)を撫でてみるとまだ温みが残っていたので、ときどき誰かが様子を見に来ていたのだった。いま正気にかえった彼から身の上のことを聞いた村人たちは、みんなで路銀を出しあって、彼を郷里へ帰らせてやった。
 それから三年たったとき、彼はまたそこを通りかかった。彼は呉王廟に参詣し、烏たちを呼び集めて、用意して来た餌を食べさせてやりながら、
「この中にもし竹青がいたら、あとに残ってくれるように」
 と祈った。だが烏たちは餌を食べ終ると、みんな飛んで行ってしまった。
 その後、魚客は試験に及第して帰って来る途中、また呉王廟に参詣して羊や豚を供え、用意して来たたくさんの餌を烏たちに振舞ってやりながら、前と同じように祈ったのである。
 その夜は、洞庭湖の岸に船をつないで一泊することにした。あかりをともして船室に坐っていると、突然、机の前に鳥のようなものが舞い下りて来たが、よく見るとそれは二十歳くらいの美しい女で、にっこり笑いながら、
「あれからずっとお変りございませんか」
 といった。彼がおどろいて、
「どなたですか」
 ときくと、女は、
「あなたは、竹青をお忘れになったのですか」
 といった。
「おお、あなたが竹青か。どこから来たの?」
「わたしはいま漢江の神女になっていますので、めったに故郷に帰って来ることはありません。でも、前に使者の烏が二度も来て、あなたのお情けのある言葉を伝えてくれましたので、どうしてもお会いしたくなって来てしまいました」
 彼は竹青がそういうのを聞くと、ますますよろこび、感動して、まるで長らく別れていた夫婦が久しぶりで再会したときと同じように、うれしさとなつかしさに躰のふるえてくるのを覚えた。
 彼は竹青を江南の郷里へつれて帰りたかったが、竹青はいっしょに西の漢陽へ行きたいといい、なかなか相談がまとまらなかった。その夜はいっしょに寝たが、魚客が心地よい疲れを覚えながらまどろんで、ふと眼をさますと、竹青はもう起きていた。見まわすとそこは立派な部屋で、大きなともし火が煌々(こうこう)とかがやいていて、船の中とはすっかり様子がちがっている。魚客はおどろいて起きあがり、
「いったい、ここはどこなのだ」
 とたずねた。すると竹青が笑いながら、
「漢陽です。わたしの家はあなたの家ですもの、江南へお帰りになることはありませんわ」
 というのだった。やがて夜があけると、幾人もの召使いの女や老女たちが酒や料理を運んで来た。竹青は召使いの女にいいつけて、広い寝台の上に低い机を置かせ、夫婦さしむかいで酒を酌(く)んだ。魚客は酒を飲みながら、自分が乗っていた船のことを思い、
「わたしの従者は?」
 ときいた。すると竹青は、
「船にいますわ。ご心配なく」
 といった。
「船頭は? 待っていてくれるだろうか」
「ええ、わたしがちゃんとたのんでおきますから、ご安心ください」
 と竹青はいうのだった。
 それからは二人は昼も夜も酒を酌みながら語り暮らし、魚客は楽しくて帰ることも忘れていた。
 一方、従者と船頭は、夢から醒めると船がいつのまにか漢陽に来ていたので、びっくりした。従者は主人をさがしまわったが、どこへ行ってしまったのか、何の消息もつかめなかった。船頭は洞庭湖へ帰ろうと思ったが、船の纜(ともづな)がかたく結ばれていてどうしてもほどけず、それに誰が運び入れたのか船には豊富に食糧が積み込まれていたので、従者といっしょに船に残って気楽に飲み食いをしていた。
 二ヵ月あまりたったとき、魚客は急に家へ帰りたくなってきて、竹青にいった。
「このままずっとここにいると、家族と縁が切れてしまう。それに、あなたとわたしはまぎれもない夫婦なのに、あなたがわたしの家を知らないのはおかしいじゃないか。ねえ、いっしょに家へ行ってみないか」
 すると竹青はいった。
「そういってくださるのはうれしいけど、わたしは行けないのです。たとえ行ってみたところで、あなたのお家には奥さんがいらっしゃるでしょう? わたしをつれて行ってどうなさるおつもりなの? それよりもわたしをここに置いておいて、ここをあなたの別宅になさった方がいいのじゃないかしら」
「だが、ここはあまり遠すぎて、いちど家へ帰ると、しょっちゅう来るというわけにはいかないからねえ」
「いいえ、来られます」
 竹青はそういって、黒衣をとり出して来た。
「これはあなたが前に着ていらっしゃった黒衣です。わたしに会いたいとお思いになったとき、これをお着(つ)けになれば、いつでもすぐにここへ来られます。おいでになったらわたしがまた脱がせてあげますから」
 それから竹青は、珍しい料理を数々並べて、魚客のために送別の宴を張った。魚客は心地よく酔って寝たが、眼が醒めたときにはもとの船の中にいた。あたりを見まわすと、そこは初めに船をつないだ洞庭湖の岸で、船頭も従者もすべていた。彼らは魚客を見るとびっくりして、
「どこへ行っていたのですか」
 ときいたが、彼自身茫然としていて、一人でおどろいているばかりだった。枕もとに風呂敷包みが一つあるので調べて見ると、竹青がくれた新しい着物や靴下や靴で、ほかに黒衣もたたんで入れてあった。また、綺麗(きれい)な刺繍(ししゆう)の袋が腰のところに結びつけてあったので開けてみると、金貨がいっぱいはいっていた。彼はそのまま船で南に向かい、岸に着くと船頭にたくさんお礼をやって別れ、郷里に帰った。
 家に帰ってから五、六ヵ月たつと、漢江のことが思い出されてどうしようもないので、こっそり黒衣をとり出して着てみた。すると両脇に翼が生えて、たちまち空へ舞いあがり、二時(ふたとき)ばかりするともう漢江の上に来ていた。輪を描くように空をまわりながら下を見ると、一つの島に、立派な二階建てのつづいている屋敷が見えたので、そこへ下りて行った。女中が彼の姿を見つけて、
「旦那さまがおいでになりました」
 と呼ぶと、まもなく竹青が出て来て、召使いたちに彼の黒衣を脱がせるよういいつけた。そのとき彼は急に羽根がみんな抜け落ちたような気がした。竹青は手をとって彼を屋敷の中へつれて行くと、
「ちょうどよいところへ来てくださいました。わたし、今日(きよう)明日(あ す)にも子供が生まれますのよ」
 といった。魚客が冗談に、
「赤ちゃんを生むの? それとも卵を生むの?」
 ときくと、竹青は、
「わたしはもう神女になっているのですから、皮膚も骨格も硬くて、むかしとはちがうはずです」
 といった。数日すると竹青は果して赤ん坊を生んだ。胎衣(え な)が厚くつつんでいて、まるで大きな卵のようだが、それを破ると赤ん坊が出て来た。男の子だったので、魚客はよろこんで、漢産(かんさん)と名づけた。三日たつと、漢江の神女たちが着物や食べ物や珍しい物を持ってお祝いに来たが、神女たちはみな綺麗で、三十歳を越えている女はいないように見えた。彼女たちは竹青の部屋へはいると、寝台をのぞき込み、拇指(おやゆび)で赤ん坊の鼻を撫でて「長寿」といった。彼女たちが帰ったあとで、魚客が、
「あの人たちはどういう人なの」
 ときくと、竹青は、
「みんなわたしの朋輩です。いちばん後から来た白い綾織りの衣裳の人は『漢皋(かんこう)で佩玉(はいぎよく)を解いて仙人の鄭交甫(ていこうほ)に与えた』という昔話の仙女です」
 といった。
 五、六ヵ月たつと、竹青は船を用意して魚客を送り帰したが、その船には帆も楫(かじ)もなく、ひとりでにすいすいと動いた。陸に着くと、ちゃんと馬がつないであったので、魚客はそれに乗って家に帰った。
 それからは、魚客は絶えず竹青のところへ往き来していたが、数年たつと漢産はますます可愛くなって来たので、魚客はまたとない宝のように大事にした。本妻の和(か)氏は自分に子供のないことを苦にしていて、いつも漢産を一目(ひとめ)見たいといっていたので、魚客がそのことを竹青にいうと、竹青は、
「わたしがつれて行けばいいのですけど、わたしは漢江から離れることができませんので、あなたがつれて行ってください。でも、三月(みつき)たったら必ずまた、つれ帰ってくださいね」
 といい、支度をととのえて魚客に漢産を本宅へつれて行かせた。ところが、和氏は漢産をほんとうの自分の子供以上に可愛がり、三月はおろか、十月(とつき)あまりたっても帰したがらなかった。するとある日、漢産は急病で死んでしまった。和氏は竹青にすまないといい、自分も死なんばかりに歎き悲しんだ。魚客はそのことを知らせに漢江へ行ったが、竹青の家へはいると漢産がいるではないか。魚客がびっくりしながらも、よろこんで、
「これはいったい、どうしたことだ」
 というと、竹青は笑って、
「あなたが約束を破って、いつまでもこの子を返してくださらないものだから、会いたくてならなくなって呼び返したのです」
 といった。魚客がわけを話すと、竹青は、
「わたしにもう一人子供が生まれたら、漢産は返してあげてもいいわ」
 といった。
 それから一年あまりたって、竹青は男の子と女の子の双生児(ふたご)を生んだ。魚客は男の子を漢生(かんせい)、女の子を玉佩(ぎよくはい)と名づけた。そして漢産を本宅につれ帰ったが、年に何度も往き来するのは不便なので、一家をあげて漢陽に引越した。
 漢産は十二歳のとき秀才の試験に及第した。竹青は、人間世界には漢産の妻にふさわしい美しい相手がいないからといって、漢産をいったん手もとに呼びもどし、妻を娶らせてから、また本宅へ返した。漢産の妻は扈娘(こじよう)といって、やはり神女の生んだ娘だった。
 後に和氏が死んだとき、漢生も玉佩も葬儀に参列して、子としての礼をつくした。葬儀が終ってからも漢生はそのまま家に残ったが、魚客は玉佩をつれて家を出たきり、どこへ行ってしまったのか、もう戻っては来なかった。
清『聊斎志異』
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