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中国怪奇物語039

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  凶 宅 襄城(じようじよう)の李頤(りい)は、後に湘東(しようとう)の太守になった人であるが、幼いときから全くの孤児
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   凶 宅
 
 
 
 
 襄城(じようじよう)の李頤(りい)は、後に湘東(しようとう)の太守になった人であるが、幼いときから全くの孤児であった。
 李頤の父は少しも怪異を信じない人で、住めば必ず死ぬといい伝えられている凶宅があると聞き、買って移り住んだ。だが、何年も平穏無事だったばかりか、子孫も栄え、官位も昇って郡の太守に任命された。
 そこで任地へ行くために家を引きはらうことになり、親類縁者を招いて別れの宴を開いた。彼はその席上でいった。
「世の中に吉凶などというものは、もともとないのだ。この家にしても、むかしから凶宅といわれていたのだが、多年住んでいたけれども何ごともおこらなかったばかりか、家はますます繁昌して、わたしは栄転することにさえなった。怪異などというものがこの世にあるはずはないのだ。この家は凶宅どころか、吉宅だったともいえよう。わたしたちが引きはらったあと、みなさんの中でここに住みたい人があったら勝手にお住みなさい。いらざる疑いを抱(いだ)くのはおろかなことだ」
 そういってから、彼は便所へ行った。すると、便所の壁の中から蓆(むしろ)を巻いたような奇妙な形のものがあらわれた。五尺ほどの長さの、真っ白なものだった。彼は引き返して刀を持って行き、それを真っ二つに切った。するとそれは二つに分かれて二人の人間に変った。そこで横に切り払うと、こんどは四人の人間に変った。その四人は刀を奪い取って彼を斬り殺し、宴席へ乱入して家族の者をも片っぱしから斬り殺した。こうして李姓の者は一人残らず殺されてしまったが、他の姓の者はみな無事だったのである。
 李頤はこのとき、まだ一人歩きのできない幼児で、宴席にはいなかった。家の中に変事がおこったのを知った乳母が李頤を抱きかかえ、裏門から逃げて他家にかくれたために李頤は難をのがれることができたのであった。
六朝『捜神後記』 
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