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中国怪奇物語040

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  山中の怪 南朝の宋の元嘉(げんか)元年のことである。南康県の区敬之(おうけいし)という者が息子と二人で小舟に乗って漁
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   山中の怪
 
 
 
 
 南朝の宋の元嘉(げんか)元年のことである。南康県の区敬之(おうけいし)という者が息子と二人で小舟に乗って漁に出、県城から川をさかのぼって小さな谷川の奥深くまで行った。そのあたりは人跡未踏の山の中であった。日が暮れて来たので岸へあがり、小屋掛けをして泊った。
 ところが敬之は夜中に急に気分がわるくなり、息子がろくに看病をする間(ま)もないうちに死んでしまったのである。息子はどうする術(すべ)もなく、とにかく夜が明けるまでと、焚火(たきび)をしながら遺体の番をしていた。すると、遠くの方から泣き声が聞こえてきた。しばらくすると、
「おじさんよう」
 と呼ぶ声も聞こえてきた。息子がびっくりしてあたりを見まわすと、その声の主(ぬし)はもう傍まで来ていた。それは人間の姿をしてはいるものの、背が高く、髪の毛は乱れたままで足もとまで垂れさがっていて、目も鼻も口もわからない怪物であった。怪物はその見えない口から声を出して息子の名を呼び、そして悔(くや)みをいった。息子は恐ろしくてならず、あるだけの薪をくべて火の勢いを強くした。すると怪物は、
「わざわざお悔みに来てやったのに、いったい何がこわくてそんなに火を燃やすのだね」
 といいながら、死体の枕もとに坐り込んで、また泣きだした。息子が焚火のあかりで怪物の様子をうかがっていると、やがて怪物は泣きながら、髪の毛で覆われたその顔を死体の顔へ覆いかぶせた。同時に死体の顔が裂けて骨があらわれた。息子は恐怖にうちふるえながらも怪物に打ちかかろうとしたが、躰(からだ)が動かないのだった。そのうちに父の死体は骨がつながっているだけになって、皮も肉もすっかりなくなっていた。
 この怪物が何であるかは、いまだにわからない。区敬之の息子が帰って来たことから見ると、この怪物は生きている人間に対しては何もすることができないようである。
六朝『述異記』
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