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中国怪奇物語044

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  靴を食う妖怪 楚丘(そきゆう)県の主簿に、王無有(おうむゆう)という人がいた。妻は美人で、無有は気に入っていたが、ひ
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   靴を食う妖怪
 
 
 
 
 楚丘(そきゆう)県の主簿に、王無有(おうむゆう)という人がいた。妻は美人で、無有は気に入っていたが、ひどいやきもち焼きだった。
 あるとき、無有は病気で寝ていたが、便所へ行きたくなり、一人では心もとなかったので女中についてこさせようとしたところ、妻はやきもちを焼いて、
「便所ぐらい、一人でいらっしゃい」
 といった。無有が一人で行くと、便所には一人の男が向うむきにしゃがんでいた。色の黒い、立派な体格の男だった。無有は人夫だろうと思って、別に怪しみもしなかった。と、その男がこちらをふり向いた。眼はくぼみ、鼻は高くとがり、口は虎のように大きく、鳥のような鋭い爪の手をのばして、
「おまえさんの靴をくれ」
 といった。無有がおどろいて立ちすくんでいると、その妖怪はいきなり無有の片方の靴をひったくって口へ入れ、むしゃむしゃと噛みだした。噛むと靴から血が流れて、まるで肉を食っているように見えた。妖怪はたちまち靴を食いつくしてしまった。
 無有は逃げもどって妻にそのことを話し、
「おまえが、わたしを一人で行かせたからだ」
 と怨んだ。妻は信じなかったが、無有が真剣な顔をしていうので、いっしょに便所へ行って見ることにした。
 無有が便所にはいると、さっきの妖怪がまたあらわれ、手をのばして無有の残っていた片方の靴をひったくるなり、血をしたたらせながら食いつくしてしまった。妻はおそろしくなり、無有を抱きかかえるようにして、いっしょに逃げ帰った。
 その後、無有は小康を得て、裏庭へ出てみた。するとまた、あの便所にいた妖怪があらわれて、
「返してやるぞ」
 といって、靴を足もとへ投げてよこした。見れば靴は、少しも傷んではいなかった。
 無有はいよいよおそろしくなり、巫女(み こ)を呼んで厄払いをしてもらった。するとまた妖怪があらわれて、巫女にいった。
「王主簿の寿命は、もうじき尽きる。あと百日じゃ。早く郷里へ帰らぬと、異郷の地で死ぬことになるぞ」
 そこで無有は郷里へ帰ったが、妖怪のいったとおり、百日目に死んだ。
唐『紀聞』 
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