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中国怪奇物語071

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  石を食う男 焦(しよう)先(せん)は、河東の人である。 齢は百七十歳で、白い石を常食とし、それを人にも分け与えていた
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   石を食う男
 
 
 
 
 焦(しよう)先(せん)は、河東の人である。
 齢は百七十歳で、白い石を常食とし、それを人にも分け与えていた。煮て、芋(いも)のようにして食べるのだった。
 彼は毎日、山へ分け入って薪を取り、それを人に施していた。村外れの家からはじめて、ひとまわりして山へもどって行くのである。背負っている薪を黙って人の家の門口に置き、黙って立ち去る。人に出会うと、地面に敷物を敷いて坐らせ、食べ物を出してすすめる。そうするだけで誰とも口をきかない。幾年もそれをくりかえしていた。
 魏の文帝が帝位についたころ、焦先は黄河のほとりに小屋を建てて、そこに独りで暮していた。椅子や寝台などはつくらず、草を敷いて土の上にじかに坐り、じかに寝ていた。体は垢(あか)にまみれて、まるで泥をかぶったようであった。数日に一度しか物を食べず、歩くにも道を行かず、女とはつきあわず、着物がぼろぼろになれば薪を売って古着を買い、夏も冬も単衣(ひとえ)一枚ですごした。
 太守の董(とう)経(けい)がわざわざ訪ねて行ったが、やはり口をきこうとはしなかった。しかし董経はかえって、ますます焦先を尊敬するようになったという。
 その後、野(の)火(び)のために小屋を焼かれたことがあった。人が行って見ると、焦先は小屋の中に坐ったままで動こうともしなかった。火が小屋を焼きつくしてしまうと、おもむろに立ちあがったが、着物はすこしも焼けていなかったという。
 焼け跡に焦先は再び小屋を建てた。
 ある日、大雪が降って人家が多く倒壊した。焦先の小屋も雪におしつぶされてしまった。人が行って見たが、焦先の姿は見えなかった。おそらく凍死してしまったのだろうと思って、つぶれた小屋をめくるようにして死体をさがすと、焦先は雪の中で熟睡していた。顔は赤く火(ほ)照(て)って、ぐうぐうと鼾(いびき)をかき、まるで夏の暑いさかりに酒に酔って寝ているようなありさまだった。
 人々は彼の非凡さを知り、弟子になって道を学びたいと願う者がたくさんいた。だが焦先は首を振って、
「道など知らん」
 というだけだった。
 彼は時には老け、時には若返り、そして二百歳を越えたとき、この世から姿を消してどこへ行ったのかわからなくなってしまった。彼に道を学びたいと思った人も、ついに一言もきき出すことができなかったのである。
六朝『神仙伝』 
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