日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

中国怪奇物語084

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  黄金の蝶 穆(ぼく)宗(そう)のとき、飛竜隊の衛士に韓(かん)志(し)和(わ)という人がいた。もとは倭(わ)国の人で
(单词翻译:双击或拖选)
   黄金の蝶
 
 
 
 
 穆(ぼく)宗(そう)のとき、飛竜隊の衛士に韓(かん)志(し)和(わ)という人がいた。もとは倭(わ)国の人である。
 木(き)彫(ぼり)のわざにすぐれていて、鸞(らん)や鶴(つる)、〓(からす)や鵲(かささぎ)などを彫ったが、水を飲んだり鳴いたりして、すこしもほんものとちがわなかった。鳥の腹の中には関(から)捩(くり)が仕掛けてあって、それを動かすと、羽ばたいて百尺ほど舞いあがり空を飛行して、百尺か二百尺の向うへ降りた。
 また、猫も彫ったが、それは自在にかけまわって、雀や鼠をとらえた。
 飛竜隊の隊長は不思議なわざだと思い、そのことを穆宗に奏上した。穆宗は韓志和を召し出し、彼の作った細工物を一つ一つ見たが、見るたびにおどろいて、
「見事だ、めずらしいわざだ」
 とほめた。そして全部見てしまうと、
「ほかに、もっと人のおどろくようなものは作れないか」
 ときいた。韓志和はしばらく考えてから、
「それでは、見(けん)竜(りゆう)の台というものを作ってご覧にいれましょう」
 と答えた。
 何日かして、その台が出来あがった。高さ二尺ほどの台で一見普通の踏(ふみ)台(だい)とかわったところはなかった。
「これが見竜の台か」
 と穆宗は不審な顔できいた。
「さようでございます。このままでは竜は見えませんが、台の上へあがれば見えるという仕掛けになっております」
「わたしにあがって見よというのだな」
 穆宗がそういって台の上へあがったとたん、おどりかかるようにして一匹の竜があらわれた。それは人の背丈に倍するほどの大きさで、鱗(うろこ)も鬣(たてがみ)も、爪も角も、すべてそなわり、雲を得て天に舞いのぼる勢いを見せて、到底作りものとは思えない。穆宗は胆をつぶし、あわてて台から飛び下りて、
「もうよい。運び去れ!」
 といったが、台から下りると同時に竜の姿は消えて、そこにあるのは、もとどおりの格別かわったところもない踏台であった。
 韓志和は、興ざめた顔色の穆宗の前に、平伏していった。
「はからずも陛下をおどろかせ奉り、罪万(ばん)死(し)にあたります。なにとぞ、ほかのわざによって陛下の御目と御耳を楽しませ奉り、幾分なりとも罪のつぐないをすることをおゆるしくださいますよう」
「わたしは、竜をおそれたわけではない。不意にあらわれたのでびっくりしただけだ。ところで、こんどはどんなものを見せようというのか」
「小さなものでございます」
 韓志和はそういって、懐(ふところ)から桐の小箱を取り出した。五寸四方くらいの箱で、蓋(ふた)をあけると、中には赤い小さな虫がいっぱいはいっていた。
「それは何だ」
「蠅(はえ)取(とり)蜘(ぐ)蛛(も)という虫でございます」
「ほんとうの虫か」
「細工物でございます」
「なぜ赤い色をしているのだ」
「丹(たん)砂(しや)で飼っているからでございます。黄金の粉で飼えば黄金色に、真珠の粉で飼えば真珠色になります」
「その虫で何をして見せるのか」
「五列に並べて、舞いを舞わせてご覧にいれます。つきましては、楽(がく)府(ふ)の方々に涼(りよう)州(しゆう)の曲を演奏していただきとうございます。この虫は涼州の曲を最も好みますので」
 穆宗が楽府の者を召し寄せているあいだに、虫はぞろぞろと箱からはい出して、五列に並び、演奏のはじまるのを待っている様子であった。
 やがて演奏がはじまると、虫は曲にあわせて踊りだした。踊りながら五つの列は一糸も乱れずに前進したり、後退したり、あるいは横へ進んだり、交錯して斜(ななめ)の列に形をかえたかと思うと輪になってぐるぐるまわったりして、まるで織物のような美しい模様を描いたが、その踊りはぴったりと曲にあっていた。歌詞がはいるところへくると、虫はいっせいに蠅の鳴くような声をたてて合唱したが、その声もぴったりと曲にあっていた。
 曲が終ったときには、虫ははじめの五列になっていて、いっせいに穆宗に礼をし、そして一列ずつ順序正しく箱の中へもどっていった。
「見事だ。すばらしいわざだ」
 と穆宗は感歎した。
「蠅取蜘蛛という名のとおり、蠅をとらえることもできます」
 韓志和はそういって一匹の虫を掌の上に載せた。数歩はなれたところにいる蠅を指して、
「あれを取れ!」
 というと、人の肩にとまっている蠅であろうと空中を飛んでいる蠅であろうと、虫は、ちょうど鷹が雀をとらえるように、韓志和の掌の上から跳(と)びかかっていって逃がすことなくとらえ、そしてまた彼の掌の上にもどってきた。
 穆宗はますます感歎して、褒美としてさまざまな銀器などを韓志和に与えたが、彼はそれらをみな、惜しげもなく、町の貧しい人々に恵んでやった。
「韓志和は東海の蓬(ほう)莱(らい)山からきた仙人にちがいない」
 そんな噂がたちだしたのは、そのころからである。噂が高くなると韓志和は飛竜隊から姿を消してしまった。町の人々もそれからは彼の姿を見た者はないという。
 穆宗は宮殿の前に幾株もの牡(ぼ)丹(たん)を植えていた。それは千輪の牡丹といって、一枝に千輪の花が咲いた。大輪の紅(くれない)の花で、咲くと宮殿をおおうほどの芳香を放った。
 その花の咲きそめたころから、毎夜、何万ともしれぬ小さな蝶が飛んできて花にとまった。蝶はみな黄金色と真珠色で、光りかがやいて宮殿の前は真昼のような明るさになったが、朝になるとみなどこかへいってしまった。
 宮女たちは夜になると、あらそって蝶をとらえようとしたが、手をのばしても蝶は逃げようともせず、わけなくとらえることができた。とらえた蝶を彼女らは糸でゆわえて、胸に飾ったり髪に飾ったりした。それはきらきらと光りかがやいて美しかったが、夜があけると光りがうすれた。手にとってよく見ると、黄金色の蝶は黄金の、真珠色の蝶は真珠の、ほんとうの蝶にそっくりの細工物であった。化粧箱の中へしまっておくと、夜になるとまたきらきらと光りかがやいて飛び立とうとするのであった。
 穆宗は宮殿の前に網を張らせ、何百羽もの蝶をとらえて宮殿の中へ放ち、宮女たちがそれを追いかけるのを見て楽しんだ。毎夜そんなことをしているうちに、ついに蝶は牡丹の花に集ってこなくなった。穆宗も宮女たちも、もう取りつくしてしまったのだと思ったが、そうではなかった。
 蝶は町の方へ飛んでいったのである。町へ飛んでいった蝶は、どんな花にでもとまったが、殊に貧しい人たちが植えている名もない花に多く群がった。とらえた蝶の細工物は高価に売れた。
 ある日、穆宗は黄金で作った置物を取り出しに宝物庫へはいった。と、その置物はこなごなにくだかれていた。ほかの黄金や真珠の箱をあけて見ると、どれもみなくだかれている。よく見ると、それらの黄金や真珠の破片の中には、半ば蝶の形になっているものが幾つもあった。
 穆宗ははじめて、あの蝶が、このごろ姿を消してしまった飛竜隊の韓志和のしわざであることをさとった。さっそく宝物庫の中を隅々までさがさせたが、韓志和の姿はなかった。さらに宮殿の中もさがし、町も、裏町の陋(ろう)屋(おく)や打捨てられた小屋まで、あますところなく探索させたが、どこにも韓志和の姿はなかった。
 その後、不思議な蝶は飛ばなくなった。
唐『杜陽雑編』 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%